面接に合格するためには、働くうえで大切な「協調性」をいかにアピールできるかが重要です。しかし、なぜ協調性を求められるのか、協調性がある人の特徴まで理解しきれていない方も多いでしょう。
今回は、転職活動を成功させるうえで重要な協調性への理解を深めるための観点を紐解いていきます。自身を客観視するために必要なポイントに触れているのでぜひ最後までご覧ください。
企業が求める協調性とは
協調性とは、複数人とのコミュニケーションを円滑に進めつつ、問題を解決していく適性のことです。企業においては、プロジェクトの進行など複数名で取り組む仕事における重要な観点として注目されます。
企業が協調性を求める理由
働くうえで、チームを組んで取り組む仕事が多かったり、頻繁に意見交換を行うことから、多くの企業が協調性のある人材を求めています。企業に所属する以上、上司や同僚、クライアントなどさまざまな価値観を持つ人たちと関わることになります。その中で、自分の意見だけを押し通そうとする考え方では、円滑なコミュニケーションは実現できません。
協調性のある人材であれば、意見の相違があったとしても双方が合意しやすい「落とし所」を見つけられるでしょう。チームメンバー全員が働きやすい環境を構築するうえで中心人物になれるため、企業から重宝される傾向にあります。
また、既存の企業文化や理念などを取り入れつつ、新たな改革案を考えてほしいといった理由で協調性のある人材を求める企業もあるでしょう。さまざまな観点から、仕事を円滑に進めるために協調性が求められます。
協調性の類義語
協調性には、以下に挙げるような混在しやすい類義語がいくつかあることを覚えておきましょう。
協同性
立場の異なる個人・団体などと共通の目的を達成するために必要な能力
互譲の精神
互いに譲り合う精神
いずれも相手を尊重するような意味合いを持っています。ただし、ビジネスにおいて重視される傾向にあるのは「協調性」であることを覚えておきましょう。
協調性がある人の特徴
ここでは、協調性のある人に共通している特徴を5つ紹介します。
広い視野を持っている
プロジェクト全体や同僚の変化など、幅広い範囲を見渡せる視野を持っている人は協調性があるといえます。些細な変化に気づきながら、問題解決における最善の方法を立案する能力があることも特徴です。
否定しない
協調性のある人は、相手の意見に対し肯定的な反応を示せる傾向にあります。たとえ明らかに間違っているような考えに直面しても頭ごなしに否定はせず、いったん理解しようとします。そして、そのうえで議論を交わし、最適な考え方を導き出すことができます。
気遣いができる
協調性のある人は周囲に目を向けられる人が多いため、必然的に気遣いのできる人が多いともいえるでしょう。困っている同僚に対して、声をかけられる度量を持っています。
気分に波がない
自分の気持ちを上手にコントロールできることも、協調性がある人に見られる傾向といえます。感情の起伏が激しい人は周囲を混乱させたり、不快にさせたりします。協調性がある人は周囲の視線を意識できるため、気持ちの浮き沈みをコントロールできる人が多いでしょう。
聞く力に優れている
自分の意見を優先したり、相手の意見を頭ごなしに否定したりしないことも、協調性のある人に共通する特徴です。相手の話に耳を傾けながら、どのように仕事を進めるべきか的確に考えられる人が多い傾向にあります。
協調性がない人の特徴
ここでは、協調性に欠ける人の特徴を紹介します。もし自分に当てはまるようであれば、先ほど紹介した「協調性がある人の特徴」の項目を確認し、自分を変える努力をしてみましょう。
単独行動が多い
自分一人で行動することに抵抗がない人は、協調性がない可能性があります。自分からあえてチームを組むような仕事を選択しない人も多いでしょう。
性格が頑固
周囲に意見されても自分の考えを曲げない人は、協調性がないと言われるかもしれません。相手の意見を重要だと考えていない人も多く、孤立してしまう場合もあるでしょう。
完璧主義
完璧主義の人は、自分だけでなく他人にも完璧を求める傾向にあります。周囲に完璧を求めるあまり、自分本位と判断され、協調性がないと言われることも多いでしょう。
協調性がないことによる懸念点とは?
協調性がないと、以下のことが懸念されます。
- 周囲と馴染めない
- 周囲から疎まれてしまう
- 協力者が現れにくい
個人のノルマを達成するだけで評価される仕事でない場合、上記の懸念点は働くうえで軽視できないデメリットとなるでしょう。
協調性のなさは一概に悪いとは言い切れない
協調性がないということは、言い換えれば「自分を強く持っている」ともいえます。そのため、自分一人で黙々と取り組むような仕事であれば、むしろ適性がある場合もあります。協調性のなさがデメリットにならない仕事は、個人プレーで動く営業職や独立して自分のペースで働くことができる士業(弁護士・行政書士・司法書士)、Web系のクリエイター全般など、いずれもチームで動く作業がなく、黙々と作業を行う必要があるものが代表的です。
協調性のなさに悩んで足が止まってしまうのであれば、いっそ受け入れたうえで仕事を選ぶのも良いかもしれません。
協調性を高める方法
協調性がないと自覚していても、以下で挙げる方法を実践することで高められる場合があります。
尊敬・感謝の気持ちを持つ
周囲の人に対し、常に尊敬や感謝の気持ちを持つことで自分以外の人を大切にしようという意識が芽生えます。相手の悪いところではなく良いところを見られるようになるため、自然に協調性を育んでいけるでしょう。
積極的にコミュニケーションをとる
意識的にコミュニケーションをとるようにすることで、自分以外の人に対する目線が養えるでしょう。これまで見ようとしてこなかった相手の良いところに気づくきっかけにもなるため、視野も広まります。
周囲の人と協力し合う
仕事をするうえで、自分のことを優先していると自覚している場合は、周囲の人に協力をあおぐよう意識してみましょう。一人では解決できなかったことも、周囲のサポートを得ることで簡単に解決できるかもしれません。
自身の発言に思いやりがあるか意識する
周囲に対する発言が、自分本位のものになっていないか客観視しましょう。他人を思いやれなければ、協調性を高めることは不可能です。思いやりのある発言を意識することで、自然に協調性が高められるでしょう。
悪口・批判は言わない
悪口や批判的な意見は、周囲に対して不快感を与えてしまいます。協調性を高めるために必要な「周囲と協力できる環境」を作り出すことから遠ざかってしまいます。悪口や批判は言葉に出さないよう意識してください。
面接の自己PRに活用できる協調性の伝え方
面接の際、協調性を長所・短所として伝える場面が多いといえます。ここでは、面接で協調性に関して触れる際のポイントをいくつか紹介します。
協調性がある・ないを長所として伝える場合
協調性を長所として伝える際は、以下の伝え方を参考にしてください。
協調性があることを長所として伝える場合
周囲と協力しながら仕事ができる自分のことを客観視できる複数人の意見をまとめるのが得意
協調性がないことを長所として伝える場合
与えられた業務に集中するのが得意自分軸を強く持っている
協調性がある・ないを短所として伝える場合
協調性を短所として捉える場合は、以下の伝え方を意識してみましょう。
協調性があることを短所として伝える場合
周囲の意見に左右されやすい自分の意思を前面に出すのが苦手プライドがないと言われる
協調性がないことを短所として伝える場合
コミュニケーションをとるのが苦手相手の気持ちを尊重するのが得意ではない
まとめ
協調性は、複数人で協力しながら取り組む仕事において必須の特性です。協調性の有無は、人それぞれ異なります。ただし、協調性がないことはデメリットばかりではありません。協調性がないことを「一人の環境におけるメリットがある」と捉え、アピールすることも可能です。
また協調性は、少し意識を変えるだけで高められる場合もあります。本記事を参考に、協調性の重要性を理解したうえで自身の働き方などを考えてみてはいかがでしょうか。