市場規模とは?調べるメリットや調査・算出の方法を解説

2023年1月24日

2024年9月5日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

新たなビジネスの展開やビジネスモデルの転換時には、市場規模の調査が必要です。市場規模を調べずにビジネスを開始すると、投入した資金に対する利益が少なくなったり、売上が拡大できなかったりする恐れがあります。今回は、市場規模とは何かを解説するとともに、調査するメリットや方法、算出方法について解説します。

市場規模とは

市場規模とは、一定期間における業界全体の総売上のことです。市場規模は常に一定ではなく、参入する企業数・撤退する企業数・それぞれの企業の売上などの影響を受けます。つまり、市場規模が小さいことは「参入している企業数が少ない、参入している企業数が多いものの、顧客を取り合っている状況」と考えられます。

反対に、市場規模が大きいというのは「参入している企業が多い、参入している企業が少ないがそれぞれの売上高が大きい」と判断できるでしょう。

業界の市場規模からわかること

業界の市場規模を調査することで、新規ビジネスの立ち上げやビジネスモデルの転換に必要な情報を取得できます。情報不足の状態よりも、十分な情報を元に戦略を立てるのとでは、ビジネスの成功率が大きく変わってくるでしょう。

ビジネスが成功する可能性

ビジネスが成功する可能性は、以下の要因で変動します。

  • 商品やサービスの独自性、品質、価格
  • 参入企業数・各企業の売上高
  • 世の動向・流行

市場規模で得た総売上高に加えて参入企業数や各企業の売上高を調べることで、ビジネスが成功する可能性がわかります。参入企業数が多くなるほど、自社のサービスが受け入れられる可能性が低くなります。ただし、同じようなサービスを提供する企業が多い業界に、画期的かつ独自性に優れたサービスを展開すれば、利益を一気に伸ばせるかもしれません。

取るべき事業戦略

市場規模からは、売上を伸ばすために取るべき事業戦略が見えてきます。市場規模が大きい場合、正攻法で売上を安定させることは難しいでしょう。地道に顧客を増やす方法もありますが、そのためには既存の参入企業よりも魅力的である必要があります。また、特定のユーザーから好評を得られる商品・サービスの展開も求められるでしょう。

市場規模が小さく発展途上の段階であれば、マーケティングに力を入れて知名度を上げることが有効な施策です。他社よりも魅力的な商品・サービスで業界における地位を確立することも大切です。

参入に適したタイミング

市場規模から業界が発展途上であるとわかる場合は、参入するタイミングを見計らう必要があります。ある程度成長しきった市場は、いつ参入しても結果は変わらないでしょう。ただし、市場の動向やトレンドの見極めが必要です。

発展途上の業界は業界が再編される前に参入し、競合の少ない段階で地位を確立させましょう。

市場調査しなかった場合に起こり得る問題

市場調査は必須とも言える作業ですが、行わずに参入する企業も少なくありません。ビジネスに成功する可能性もありますが、失敗するリスクの方が高いでしょう。市場調査をしなかった場合、次のような問題が起きる可能性があります。

想定していた利益を得られない

業界の総売上高を調べずに参入すると、想定していた利益を得られない可能性があります。市場規模が小さい業界は競合が少ない傾向にあるため、自社の地位を確立しやすいでしょう。しかし、よほど参入企業が少ない業界でない限り、市場規模が小さい業界で大きな売上を作ることは困難です。

信用を獲得できない

市場調査をせず市場規模の大きい業界に参入しても、業界で生き残るための適切な戦略は建てられていないといえるでしょう。適切な戦略を立てるためには、市場規模の傾向などを把握しておくことが必須であるためです。

適切な戦略を立てずに市場規模が大きい業界に参入しても、顧客からの信用は獲得できません。「この業界といえば◯◯」と、市場調査を通じて認知度を高めないことには、信用の獲得にはつながらないでしょう。

市場規模の調査方法

ここでは、市場規模を調査する際におすすめの方法を紹介します。

官公庁の資料を確認する

行政機関は、事業者を対象にしたアンケートや独自調査を通じて市場規模のデータを集めて公開しています。経済産業省のホームページにある統計データを確認しましょう。また、財務省が実施している法人企業統計調査の中に市場規模のデータがあります。

業界団体の資料を確認する

規模が大きい業界は、一般社団法人の業界団体が市場規模データを集めて公開している場合があります。「業界名 市場規模」や「or(一般社団法人が取得できるドメイン) 市場規模 業界名」などで検索してみましょう。

調査会社の市場動向資料を購入する

調査会社は市場規模を含む業界のさまざまなデータを集め、有料で販売しています。世に出ていない情報を知りたい場合は、新たに調査を依頼するのもよいでしょう。

市場規模を算出する方法

市場規模は自分でも算出できます。ただし、調査に必要な情報を集めるのが難しく、計算の信ぴょう性は参考程度にしかなりません。市場規模を算出する方法は次の通りです。

一部会社の売上とシェア率を参考にする

業界のシェア率がわかっている場合「A社の売上÷A社のシェア」で市場規模を概算できます。ただし、公開している売上データにほかの業種の売上も含まれている場合があるため注意しましょう。

フェルミ推定を活用する

フェルミ推定とは、複数の手がかりを元に推論することです。例えば、業界における商品の消費量をベースに計算する方法があります。「ターゲット数×実際に使用する人の割合×平均消費回数×1回あたりの消費量」で年間消費量がわかります。あくまで推定であり、計算する人のスキルに結果が大きく左右されることを覚えておきましょう。

顧客数と顧客単価から算出する

「顧客数×顧客単価×購入頻度」で市場規模を概算できます。ただし輸入品を購入する人も多いため、業界によっては参考にもならない場合もあるでしょう。

調査会社の選び方

市場規模調査を調査会社に依頼する際は、コストや調査にかかる期間、提案力などを確認しましょう。また、調査会社によって得意・不得意があり、業界によって市場規模調査の質が異なります。まずは担当者から詳しい話を聞きましょう。

まとめ

市場規模を知ることで、新規参入の余地や取るべき戦略が見えてきます。ただし、市場規模だけではビジネスに成功するかどうかは判断できません。各社の売上データやシェア率、取り扱い商品・サービスの特徴などを調査する必要があります。市場調査を通じてできるだけ多くの情報を集め、ビジネスの立ち上げやビジネスモデルの転換に活かしましょう。

監修者・中田 潤一

中田 潤一

株式会社キーエンス株入社後、サントリー株式会社→アリババ株式会社→株式会社リクルート住まいカンパニー リクルート在籍時に株式会社Izulを立ち上げ、現在に至る。株式会社Izulを含め4社の代表取締役を勤める。スキルシェアサービス「タイムチケット」では就職・転職カテゴリーで46ヶ月連続1位獲得、年間アワードを3年連続受賞。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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