客先常駐とはどんな働き方?派遣との違いやメリット・デメリットを解説

2023年3月26日

2023年3月25日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

IT業界における特有の働き方のひとつに「客先常駐」があります。この記事では「客先常駐」という働き方について詳しく紹介するほか、メリットやデメリット、働くうえでの注意点についても解説しています。

客先常駐とは

客先常駐とは、自分が所属する会社ではなく、契約しているお客様のオフィスに身を置いて勤務する働き方のことです。これはIT業界特有の仕組みであり、馴染みがない方も多いかもしれません。特別に定められた日以外は自社に出社する必要がないため、特殊な働き方という印象を受ける方もいるのではないでしょうか。IT業界で働く場合に多い形態であるため、ぜひ覚えておきましょう。

客先常駐と派遣社員との違い

「所属している企業とは異なる会社で働く」という形式で思い当たるのが、派遣社員です。客先常駐と派遣社員では、雇用形態に違いがあります。派遣の場合は「派遣社員」として雇用契約を結ぶため、派遣期間を終えると雇用契約も終了します。しかし客先常駐の場合は、正社員として雇用契約を結んだ上で派遣先の企業に常駐します。そのため、仮に派遣先企業との契約が終了しても、所属企業との雇用契約は継続したままとなります。

客先常駐のメリット

ここでは、IT業界において客先常駐が導入される理由に繋がる客先常駐のメリットを解説します。

幅広い経験を積める

客先常駐は、転職することなくいくつもの会社でさまざまな業務に対応することになります。このような経験を積める働き方は希少であり、1つの職場だけで長年働く場合と比べると自身の成長が期待できるでしょう。

さまざまな人との出会いがある

客先常駐では契約ごとに職場が変わるため、一緒に働く人との出会いも必然的に多くなります。お互いに仕事内容を理解し合えるIT業界内での人脈が広がることは、ビジネスにおいてプラスに働く可能性が高いでしょう。将来的な転職や独立のきっかけになることもあります。

残業が少ない

残業の多さや長さは会社によっても異なりますが、客先常駐の場合は残業が少ない傾向にあります。客先常駐している社員が残業する場合、受け入れ先の企業が超過時間分の賃金を上乗せで負担する契約が一般的です。そのため、他社から出向している社員の残業時間を自社で雇っている社員よりも減らそうとするのは自然な考えだといえるでしょう。

未経験でも採用されやすい

客先常駐の場合を含め、IT業界全体が人手不足の傾向にあります。そのため、未経験者でも積極的に採用をする企業が多くなっています。未経験からITエンジニアを目指している人にとって、ひとつの選択肢となり得るでしょう。一方で、十分な経験を積まないまま客先での勤務が始まると、わからないことがあるまま日々の業務のクオリティを高められないといったことになりかねません。自分のレベルや求められるスキルをしっかりと見極めることが大切です。

大手企業の現場で学べるチャンスがある

客先常駐で働く場合、出向先となる職場は大手企業である割合が高いでしょう。入社のハードルが高い大手企業の現場で働くことは、自分自身の大きな成長につながります。大手企業でしか得られないような学びは、自身にとって非常に価値のあるものといえるでしょう。

客先常駐のデメリット

客先常駐には多くのメリットがあることがわかりました。一方で客先常駐には、デメリットも少なからず存在しています。メリットだけを見て後悔しないためにも、デメリットもしっかり確認しておきましょう。

取引先と近い環境で仕事をする必要がある

客先常駐では、本来一定の距離感があるはずの取引先企業に籍を置いて働くことになります。クライアントのもとで仕事をするとなると、常に緊張感を覚えながら働くことになり気が休まらないかもしれません。自社のメンバーと働いた経験しかない方にとっては、慣れるまで時間がかかる環境といえるでしょう。

マネジメントや提案の経験を積めない

マネジメントや提案など、上流工程にあたる業務の経験を積みたいというエンジニアの方も多いでしょう。しかし、客先常駐は依頼された仕事のみを繰り返すことも多く、希望する業務を担当できない可能性もあります。「幅広い工程を経験したい」といった理想は、自社で勤務する場合のほうが実現しやすいかもしれません。

身につくスキルが限定される

長期にわたって同じ企業に配属される場合、身につくスキルはその業務に必要なものに限られてしまいます。IT業界は技術の進歩が早いため、気づいたら周りのエンジニアの方がたくさんのスキルを習得していたというケースも考えられるでしょう。

会社への帰属意識が薄くなる

客先常駐の期間が長くなるにつれて、本来所属している会社に対する思いが薄れてしまう場合もあります。帰属意識が低下してしまうと「自社のために頑張ろう」というモチベーションを失ってしまうかもしれません。また、転職活動を経てようやく入った会社を退職するきっかけになってしまう場合もあります。

自社から正当な評価を受けにくくなる

客先常駐を取り入れている企業の多くは、定期的に自社へ出勤する機会や上司との面談の機会を設けます。昇給や昇進につながる評価は、面談や出向先からのヒアリングによって決められることが多いでしょう。しかし、普段の働きぶりを上司が実際に見ているわけではありません。「こんなに頑張っているのに正当に評価してもらえない」と感じるケースもあります。日々の働きを見てほしい、正しく評価されたいと考える方にとっては、働きにくさを感じるかもしれません。

客先常駐で働く際の注意点

ここでは、実際に客先常駐でという形態で働く際の注意点をいくつか紹介します。

常に自己研鑽を絶やさない

客先常駐で働くスタッフには、常に学び続ける姿勢が求められます。自社で仲間に囲まれて働く場合、わからないことがあっても上司や同僚に聞けば大概は解決するでしょう。継続的な教育体制が整っている企業も多いかもしれません。客先常駐では、特定の仕事を任せられる、いわばプロフェッショナル人材としての働きが求められます。わからないから仕事が進められないということのないように、必要な知識を先回りして身につけるような自己研鑽の意識を持ち続けましょう。

常駐先のルールには必ず従う

自社で務める場合、一度身についた社内のルールは慣れるにつれて意識せずとも従えるようになります。しかし客先常駐の場合、企業ごとに規則やルールは大きく異なると予想されます。自分のやり方を通そうとしても出向先の企業に迷惑をかけてしまうため、柔軟な姿勢が求められるでしょう。

まとめ

今回は、IT業界特有の「客先常駐」という働き方にスポットを当てて解説しました。ITエンジニアをはじめとした専門的な働きが求められる職業は、自社で人材を1から育てるよりも専門家を呼んで常駐してほしいという企業からの需要が多い傾向にあります。引き合いが強い分「この分野はこの人に任せておけば大丈夫」という狭くとも深い知識や専門的な働きが求められるでしょう。客先常駐の仕事に初めて転職する場合は、この記事で紹介したメリットやデメリット、注意点をしっかりと考慮したうえで応募を検討してみてはいかがでしょうか。

監修者・押目 隆之介

押目 隆之介

日本郵船グループにて3年間国際物流業務に従事。
リクルートに転職し、約5年間住宅・不動産領域のメディア営業およびマネジメントを経験後、前職のAbemaTV(サイバーエージェントより出向)にてコンテンツ戦略プロデューサーとして約4年間勤務しておりました。

現在は、自身の事業の経営も行いながら、リクルート時代の同僚であった中田の立ち上げたIzulにて、20~30代の方々を中心としたキャリア支援のお手伝いもさせていただいております。

著者プロフィール

Izul広報チーム

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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