出向とは?種類や左遷との違い、出向するメリット・デメリットについて解説

2023年3月4日

2023年3月2日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

出向や左遷、派遣の違いについて把握しきれていない方は多いのではないでしょうか。出向は左遷や派遣と比べるとネガティブな意味合いが強くなります。しかし、出向は必ずしも悪いことではなく、将来を期待された結果の場合もあります。今回は、出向の種類や左遷、派遣との違いや出向するメリット・デメリットについて詳しく解説します。

出向とは

出向とは、出向元企業との雇用契約を維持したまま別の企業で働くことです。例えば、親会社から子会社、関連会社に出向するケースがあります。給与は親会社から受け取りますが、仕事は子会社や関連会社など出向先の指示で行います。出向は異動の一種ではありますが、会社をまたぐ異動のため、事実上転職とは変わらないと感じる場合もあるでしょう。

派遣との違い

派遣された人と派遣先企業の間に雇用関係はありません。

出向の中でも一般的なのは、元の会社に在籍した状態で他の企業に異動する在籍出向です。出向先の企業から指示を受けて仕事をします。一方、派遣は派遣元企業と社員が労働派遣契約を締結し、派遣先企業から指示を受けて業務を遂行します。

左遷との違い

左遷は地位の降格を伴う人事異動であり、出向は降格を伴わないのが一般的です。ただし降格を伴う出向もあり、そちらは実質の左遷となります。左遷と出向どちらなのかは、出向先や業務内容、待遇などで異なるため、指示された内容で判断する必要があるでしょう。

出向の種類

出向には、在籍出向と転籍出向があります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

在籍出向

在籍型出向とは、現在在籍している企業に籍を置いたまま出向先企業と雇用契約を締結して働くことです。給与は出向元企業から支払われますが、業務の指示は出向先企業から受けます。また、出向先で働く期間があらかじめ決められており、期間終了とともに出向元企業へと戻るケースがほとんどです。

転籍出向(移籍出向)

転籍出向とは、出向先企業に籍を移して雇用契約を締結し、働くことを指します。出向元企業との雇用契約が解消される点で、在籍出向との違いがあります。また、出向先で働く期間も決まっていないため、転籍出向は事実上の転職となります。

出向させる会社側の目的

出向は、必ずしもネガティブな理由で行われるわけではありません。ここでは、出向させる会社側の目的について詳しく見ていきます。

キャリアの形成

スキルの習得や能力開発など、キャリア形成の一環として出向させることがあります。出向先企業では、新たな人間関係を築き、多くの人とコミュニケーションを取りながらスキルを身につける必要があります。そのため、出向の期間が終了した頃にはビジネスパーソンとしてレベルアップしているでしょう。

適材適所の人員配置

子会社や関連会社の業績アップを目的に、スキルと実績のある人材を出向させるケースがあります。親会社の優秀な社員を子会社に派遣して、全体のパフォーマンスを底上げすることが主な狙いです。また、出向先で成果を上げることができれば、出向元企業と出向先企業のつながりも強化されます。

企業間の交流

子会社や関連会社との関係を円滑にするために、社員を出向させるケースがあります。その社員が潤滑油としての役割を果たすことで、子会社や関連会社との連携が強化されます。

在籍出向命令を出す際の注意点

企業が在籍出向命令を出す際は、次の注意点を守る必要があります。

法令を守る

社員を出向させる際は、法令を遵守しなければなりません。出向させるには、就業規則や雇用契約書に「出向命令権」を記載している必要があります。なお、社員と企業が雇用契約を締結すると、就業規則に従って業務を遂行することになります。そのため、就業規則に出向命令権について記載があれば、社員は出向命令を拒否することはできません。

また、出向元企業と出向先企業が密接な関係にあり、出向した社員が不利益を受けないことも必須条件です。

権利濫用にならないようにする

個人的感情によって気に入らない社員を出向させることは、権利濫用にあたります。出向を命じる場合は、業務上の必要性・労働条件・合理性・社員の生活状況などを考慮し、妥当な形で在籍出向と命令を出す必要があります。

出向するメリット

出向に対してネガティブなイメージを持つ人は少なくありませんが、次のようなメリットもあります。

気分を一新して仕事に取り組める

出向すると環境が変わり、人間関係を最初から構築することになります。この点をデメリットに感じる方もいますが、見る角度を変えるとメリットとしても捉えられるでしょう。気分を一新して仕事に取り組めることで、モチベーションが上がる可能性もあります。

幅広い経験を積める

同じ企業で同じ業務を続けると専門スキルが身につきます。しかし、他のスキルがいつまで経っても身につかず時間が過ぎていきます。出向先でさまざまな業務に取り組むことで、多彩なスキルを習得することができるでしょう。また、これまでと異なる業務を行うことで、自分に向いている業務に気づける可能性もあります。

コミュニケーション能力が高まる

一から人間関係を築くことになるので、コミュニケーション能力が高まることが期待できます。コミュニケーション能力はビジネスパーソンとして成果を出すだけではなく、自分が気持ちよく働くために必要なスキルです。

出向するデメリット

出向には向き不向きがあるため、ここまでに解説したメリットをデメリットに感じる方もいるでしょう。出向するデメリットについても詳しく解説します。

人間関係を最初から構築する必要がある

出向は一から人脈づくりをする必要があるので、人間関係の構築が苦手でコミュニケーション能力に自信がない人にとっては、デメリットといえるでしょう。人間関係を上手く構築できなければ、居心地の悪さを感じたり、立場上辛い思いをする可能性もあります。

給与が下がる場合がある

左遷の場合は給与が下がる可能性があります。また、降格によって権限が小さくなったり、年齢に見合わない立場へと変わったりするケースも少なくありません。この場合は転職も視野に入れることが大切です。

まとめ

出向は左遷や派遣とは全く異なりますが、中には事実上の左遷としての出向を命じられるケースもあります。出向は、新たな環境で人間関係を構築したり、新たな業務に取り組んだりするため、成長にもつながります。一方で、新たな人間関係の構築や挑戦が苦手な人にとっては、つらい結果になる可能性もあります。出向を命じられた際は、内容について十分に確認することが大切です。

監修者・齊藤 穂奈美

齊藤 穂奈美

株式会社日本アクセスで原料の調達・営業を担当→株式会社ファミリーマートへ出向し中食部門の商品担当として従事→出産を機に会社を退職。WEBクリエイターとして独立し、経営者の集客・広報全般をサポート。 現在はIzulで両面コンサルタントと広報を担当。プライベートでは2人の子を育てる母。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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