失業保険はどんな人がもらえる?受給条件や計算方法について解説

2022年10月19日

2024年3月8日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

会社を辞めて、転職先が決まるまでの間に失業保険がもらえるかどうかは非常に重要な問題です。失業保険は、受給条件や手順などをしっかり把握しておくことが大切です。
今回は失業保険について、基本情報や受給概要、受け取り手順などさまざまな観点で解説します。退職理由による失業保険の扱いなど、自分の現状に当てはめたうえで活用できるポイントも紹介しています。失業保険に関する不安や悩みがある方は、ぜひ記事の内容を参考にしてください。

失業保険とは

失業保険とは、失業した労働者を保護する目的で支給される手当のことです。
一般的には失業したとしても、また次の職場を探して求職活動を行います。しかし転職先が決まっていない場合、決まるまでの期間は無収入になってしまいます。無収入の期間が長くなるほど生活に影響が出て、転職活動もままならなくなる恐れがあります。そのような事態を防ぐために、失業中でもある程度の生活を送れるよう支給されるものが失業手当です。

雇用保険との違い

失業保険とは、正式には「雇用保険」といいます。
厳密には、雇用保険は「失業保険の新しい呼び方」として分類されています。失業保険法が施行されたのは昭和22年。経済構造の変化などを理由に、制度の見直しが実施されました。この制度の見直しにより、昭和50年から「雇用保険法」が誕生し、現在まで続いています。
失業保険も雇用保険も、失業から転職までの期間をある程度保証する目的は同じです。

失業保険の受給概要

ここでは失業保険の受給について、条件や期間などの観点で解説します。受け取り金額の計算方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

受給条件

失業保険を受け取るためには、まずハローワークに求職を申し込む必要があります。申し込んだうえで、積極的に転職活動を実施していることが最低条件です。ただし、以下の場合は失業保険の対象外になるので、覚えておきましょう。

  • 病気・ケガが原因でしばらく働くことが不可能
  • 妊娠や出産を控えている
  • 定年退職後に休養期間を設ける予定
  • 家事や介護に専念する

あくまで失業期間を「短期間」と想定し、かつ積極的に転職活動を実施することが必要です。
もうひとつの条件が、過去2年間に12ヵ月以上の雇用保険加入期間があること。一般的に、離職前の2年間で12ヵ月以上加入していなければ、失業保険受給の対象外です。
ただし、会社都合で退職した場合は、対象期間が「離職前1年間で6ヵ月以上」に緩和されます。また病気やケガなど、やむを得ない事情による退職の場合も、対象期間が緩和されます。

受給可能期間

失業保険の受給期間は、退職理由が自己都合か会社都合かで異なります
自己都合による退職の場合は、離職票の提出と求職申し込みを終えてから7日間の「待機期間」を経て、2〜3ヵ月後を目処に支給されます。会社都合による退職の場合は、待機期間が明けてから約1ヵ月後に支給されることが一般的です。
失業保険を受け取れる期限については、原則「離職日の翌日から1年間」とされています。1年を過ぎてしまうと、もらっていない手当があっても受け取れなくなるため注意してください。

受給金額と計算方法

失業保険の受給金額は、賃金日額と基本手当日額を計算することで求められます。まずは賃金日額を計算しておく必要があります。賃金日額の計算方法は、以下の通りです。(令和3年8月1日時点)

離職前6ヵ月間に支払われた給与の合計額÷180日

賃金日額は、年齢に応じて以下の上限・下限が定められていることも覚えておきましょう。

離職段階の年齢上限金額
29歳以下13,520円
30〜44歳15,020円
45〜59歳16,530円
60〜64歳15,770円
※下限金額は全年齢2,577円

賃金日額の次は、以下の式を使用して基本手当日額を計算します。

賃金日額×50〜80%

離職段階の年齢上限金額
29歳以下6,760円
30〜44歳7,510円
45〜59歳8,265円
60〜64歳7,096円
※下限金額は全年齢2,061円

基本手当日額を計算したら、以下の式を使用して支給総額を算出します。

基本手当日額×給付日数

失業保険を受け取るまでの手順

ここでは、失業保険を受給するまでの流れについて解説します。

書類を準備する

失業保険を申し込む際は、以下の書類が必要です。

  • 雇用保険被保険者離職票(1・2)
  • マイナンバーカード
  • 身元確認書類・マイナンバー記載の住民票(マイナンバーカードがない場合)
  • 証明写真2枚
  • 印鑑
  • 通帳・キャッシュカード

再就職の申し込みを行う

必要書類が準備できたら、最寄りのハローワークで再就職の申し込み手続きを進めましょう。必要書類を提出し、求職申し込みについて伝えるのが一般的な流れです。またこの時に、雇用保険説明会についての案内があります。失業保険を受け取るために必要なので、日時は忘れずメモしてください。

説明会に参加する

ハローワークに求職を申し込んだ際に担当者から伝えられた日程で、雇用保険説明会に参加しましょう。雇用保険説明会に参加した際に、初めて失業認定日が決定します。

指定された失業認定日に手続きする

雇用保険説明会の際に伝えられた失業認定日に、ハローワークに失業認定書を提出します。提出前に、月2回以上の求職活動を実施しておきましょう。失業認定書に実績の記載がないと、失業保険受給の対象とならないため注意してください。

失業保険を受給する

ここまでのステップが完了したら、随時失業保険が指定口座に振り込まれます。またこれ以降は、1ヵ月に一度の認定日を目処に、失業認定を受けなければなりません。

退職の種類によって異なる失業保険の扱い

前にも述べたように、失業保険は自己都合による退職か会社都合による退職かで受給日や条件が異なります。ここでは、それぞれの違いがわかるように、受け取り方ごとの特徴を解説します。
会社都合による退職のほうが、受給開始日が早く、受け取り可能日数も長く、受給条件も優遇されている点が特徴です。

自己都合退職の場合

自己都合で退職した場合の受給日・条件・受け取り可能日数は以下の通りです。

受給日7日間の待機期間を経て、2〜3ヵ月経過後に受給
受給条件過去2年間に12ヵ月以上の雇用保険加入期間がないと受給できない
受け取り可能日数90〜150日

会社都合退職の場合

会社都合で退職する場合の失業保険は、以下の条件で受給されます。

受給日7日間の待機期間を経て、順次支給開始
受給条件過去1年間に6ヵ月以上の雇用保険加入期間さえあれば受給可能
受け取り可能日数90〜330日

自己都合退職でもすぐに失業保険をもらえるケース

自己都合退職でも、場合によってはすぐに失業保険が受給されます。ここでは、主な事例を紹介します。なお、あくまで一例であるため、自身が以下の項目に該当するかどうかは、最寄りのハローワークなどに問い合わせてください。

正当な理由で自己都合退職したと証明できる

やむを得ない事情で退職する場合は、失業保険が早くもらえる可能性があります。家族の病気や死亡、妊娠や出産などの事情が該当します。正当な自己都合の範囲は非常に広く設定されているため、自身の退職理由が該当するかどうか事前に確認しておきましょう。

給与の未払い・減額などがあった場合

自己都合の退職でも、給与の支払いに不備があった場合は「会社都合」と同様に扱われる可能性があります。対象となるのは、賃金の3分の1が2ヵ月未払いだった場合と、退職前半年間のうち3ヵ月未払い期間があった場合です。

長時間労働を強要された場合

明らかに違法と捉えられる長時間労働を強いられていた場合も、すぐに失業保険がもらえます。ただし、あくまで違法な長時間労働であると判断されることが条件です。

以下に該当するようなら、長時間労働の強要と判断されることが多い傾向にあります。

  • 退職前半年間のうち3ヵ月連続で45時間以上の残業がある
  • 退職前半年間の平均残業時間が80時間以上
  • 1ヵ月の残業時間が100時間以上

職場のハラスメント行為を告発する

職場での嫌がらせやセクハラなど、辞めざるを得なかった理由があったと証明できれば、すぐに失業保険がもらえます。ただし、ハラスメントを受けていたことが証明できるものがないと、自己都合退職と見なされてしまいます。

まとめ

失業保険は、新しい職場へ移るまでの期間を安心して過ごすための重要な手当です。受給を希望する場合は、今回紹介した受給条件や手続き方法、計算式などをしっかり覚えておきましょう。
また失業保険は、退職理由が自己都合か会社都合かで受け取れる期間や条件などが大きく異なります。自己都合退職の場合でも、会社都合として早く受給できるケースもあるので、本記事の内容を参考に自身の状況と当てはめてみてください。
失業保険は、失業後の生活を困窮させないために重要な制度です。内容を詳しく把握できていなかった人にとって、今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。

監修者・押目 隆之介

押目 隆之介

日本郵船グループにて3年間国際物流業務に従事。
リクルートに転職し、約5年間住宅・不動産領域のメディア営業およびマネジメントを経験後、前職のAbemaTV(サイバーエージェントより出向)にてコンテンツ戦略プロデューサーとして約4年間勤務しておりました。

現在は、自身の事業の経営も行いながら、リクルート時代の同僚であった中田の立ち上げたIzulにて、20~30代の方々を中心としたキャリア支援のお手伝いもさせていただいております。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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