面接において、過去の挫折経験を聞かれることがあります。しかし、何をもって挫折経験といっていいのかわからないと感じている方も多いでしょう。今回は挫折経験に該当する事例やうまく伝える方法について解説します。また、挫折経験を聞かれる理由や伝えるのを避けるべき挫折経験も紹介します。挫折経験がない場合の対策にも触れているので、面接に臨むうえでの参考にしてください。
何が挫折経験に該当するのか?
そもそもどういったことが挫折経験といえるのか、わからないという方も多いでしょう。ここでは、挫折経験に該当する例をいくつか紹介します。
目標を達成できなかった
単に思いつきで始めたことではなく、目標達成を前提に努力を続けてきたが、達成できなかった経験が挫折に該当します。思いつきで始めたことでは、背景にある「努力」が見えづらいでしょう。面接で挫折経験について触れる際は、しっかりとした目標を立てたうえで取り組んだことを取り上げなければいけません。
目標を持って始めたが継続できなかった
「目標が達成できなかった」という「結果」ではなく、途中で諦めてしまったことも挫折経験に該当します。しかし、単に諦めたという単純な感情での経験は、挫折とはいえないでしょう。あくまで一生懸命努力し、それでも達成できなかったことを挫折経験だと認識してください。また、諦めたことに対する悔しさについて触れることで、より説得力のある挫折経験になるでしょう。
チームの取り組みが達成できなかった
自分は努力したにもかかわらず、チームとして未達成に終わった経験も、挫折といえます。チーム単位での挫折経験を語る際は、周りに対して自分が働きかけたことや、未達成で終わったことによるメンバーの反応にも触れましょう。ただし、チームメンバーに責任を押し付けるような伝え方は避けてください。
挫折経験をうまく伝える方法
挫折経験を聞かれた際は、面接官に対しての伝え方を意識する必要があります。ここでは、挫折経験を伝えるうえで押さえておきたいポイントについて解説します。
簡潔にまとめて話す
目標を立ててから挫折に至るまでを、まとまりなく長々話してしまうと良い印象は与えられません。「このような目標があり、こういった原因で挫折してしまった」と、できるだけ簡潔にまとめて話しましょう。挫折経験を話す際は、以下に挙げる構成を意識して話の流れを作るとわかりやすく伝えることができます。
- 挫折をしたことと挫折の内容を伝える(結論)
- なぜ自分にとっての挫折なのか
- 挫折で何を得たか
挫折したことで得られた経験にも触れる
挫折したという結果だけではなく、挫折を通じて何を得たかを語ることが大切です。過去の挫折で得た経験をどう自身のノウハウとして落とし込むかが、今後の成長につながります。また企業にとっても「自社で挫折したときに、この人がどう乗り越えるのか」を判断する情報になるでしょう。
なぜ挫折したかを客観的に伝える
ただ「挫折しました」と伝えるだけでは、具体性のない経験と判断される恐れがあります。挫折した理由を客観的かつ冷静に分析し、今後に活かそうとする意欲を伝えましょう。自分を客観視することで、今後別の場面で挫折した際でも乗り越えられる人材だと判断してもらえます。
挫折経験を答えることで何を判断されるのか
企業は挫折経験を聞くことで、何を判断しているのかわからないという方も多いでしょう。ここでは、企業が挫折経験についてどのように捉えているのか解説します。
困難に向き合う姿勢
企業は求職者が困難に直面した際、どのようなスタンスで向き合うのかを判断しています。挫折し困難な状況に陥った際、逃げるような向き合い方をする人材だと判断されると、採用を見送られる可能性もあります。挫折したことは決してネガティブ要素にはなりません。挫折に至るまで、どのように努力したのかを見られていると意識しましょう。
失敗を学びに活かす考え方
挫折した経験を客観視し、今後の成長に活かそうとしているかを見る面接官もいます。失敗したことを恥と捉えず、成長の「きっかけ」として捉えているかどうかで、意欲がある人材だと判断されることでしょう。
チャレンジする気持ち
困難に直面した際、どのような気持ちで挑戦する人材なのかを挫折経験から見られることもあるでしょう。チャレンジする気持ちが強い人材だと判断されれば、採用後にやりがいのある業務やプロジェクトに関われるかもしれません。
努力に対する考え方
挫折を経て自分をどう変えていくか、努力する姿勢を見る面接官もいます。どう努力するのかという観点はもちろん、そもそも努力に対してどのような気持ちを抱いているのかが重要です。努力をしても結果が伴わなければ意味がないなど、後ろ向きに捉えている人材では、今後の成長が見込めないと思われるかもしれません。
面接で伝えるべきではない挫折経験
場合によっては、伝えるべきではない挫折経験もあります。どのような経験が該当するのか、以下で解説します。
人間関係のトラブル
職場の人間関係が原因で仕事を辞めてしまったことなどは、挫折経験として伝えるのは避けましょう。自社に入社しても同じ理由で辞めてしまうのでは?と懸念される恐れがあります。
部活・受験
部活や受験でのエピソードは、企業で働くうえで関係のない話であると判断される場合があります。とはいえ、業務内容や社風によっては語っても問題ないので、面接を受ける企業によって判断しましょう。
恋愛・病気
恋愛や病気に関する挫折経験は、プライベートの話になりやすいため避けるべきでしょう。企業で働くうえでの成功に結びつきにくいため、あえて選択する必要もありません。ただし病気に関しては、病気とどう向き合いながら働いていきたいかを話すことで、良い結果につながる可能性もあるでしょう。
面接で話せる挫折経験がない場合は?
ここまで触れてきた内容を見て、自身に該当する経験がないという方もいるのではないでしょうか。しかし挫折経験がなくても、面接で聞かれることはあります。ここでは、挫折経験がない場合の対処法について解説します。
過去の努力や挑戦を振り返る
過去に自分が何をしてきたか、あらゆる観点から振り返ってみましょう。大小にかかわらず、何らかの挫折経験が導き出されるかもしれません。自分自身を客観的に見直す機会にもなるでしょう。
自分が歩んできた人生を書き起こしてみる
頭の中で振り返るだけでなく、これまでの人生を文字に起こすことも大切です。改めて文字にすることで、時系列ごとに自分の経験を振り返り、該当するエピソードが見つかるかもしれません。
思い切って「ない」と答えることも大切
どうしても挫折経験がない場合は、いっそ「ない」と答えてしまいましょう。無理やり挫折経験を話そうとしても、かえって悪い印象につながるかもしれません。挫折経験がない場合は、今後挫折に直面した場合にどうするか答えることが大切です。
まとめ
挫折経験には、目標が達成できなかったり途中で諦めてしまった経験、チームでの目的達成がかなわなかったことなどが該当します。企業は求職者に対し、挫折経験を経て努力したことや感じたことにどう向き合っていくかという姿勢を求めています。挫折すること自体は決してネガティブなものではなく、挫折を通じて「どうするか」が重要です。
自身のこれまでの経験で何が挫折経験に該当するのか、客観的な視点で振り返りつつ取捨選択しましょう。実際の挫折経験に加えて、今後挫折した際にどう向き合っていくか語ることが大切です。