面接で好印象を与える方法のひとつに笑顔があります。しかし笑顔を作るタイミングや笑顔の種類によって与える印象は異なるため、闇雲に笑顔を作っても効果的ではありません。この記事では、面接で好印象を与える笑顔の作り方や練習方法、笑顔を見せるのに適したタイミングを解説します。
面接に笑顔は必要なのか?自然な表情を作るコツ
転職面接などで面接官に好印象を与えるには、自然な笑顔を見せることが必要です。笑顔を作ることで面接官に明るさや信頼感を印象付けられるほか、自身の緊張をほぐすことができます。
ただし、常にヘラヘラとした締まりのない笑顔は、ビジネスシーンには適さないため逆効果です。口角を軽く上げるイメージで、爽やかな笑顔を意識しましょう。
面接で笑顔を作るベストタイミングは?
面接には欠かせない笑顔ですが、具体的にどのような状況で笑顔をアピールすればよいのでしょうか。ここからは、面接中に自然な笑顔を見せるのに適したタイミングを3つ紹介します。
入室時
面接では第一印象が重要になるため、初めて面接官と顔を合わせる入室時に笑顔を作り、明るい印象を与えられると良いでしょう。面接開始時は多くの方が緊張しているはず。最初の段階で笑顔を作れば緊張がほぐれるため、その後の面接も自分のペースで進めやすくなります。
面接官が笑顔の時
面接官が笑顔の際は、同程度の笑顔を返すと好印象です。多くの面接では求職者の素の部分を把握するために、アイスブレイクの時間が用意されています。特に雑談をしている際は面接官も笑顔でいることが多いため、自然な笑顔を見せやすくなります。
退室時
面接終了後、退室する際にも笑顔を作ることを意識しましょう。心理学のひとつにピークエンドの法則があります。これは「人はひとつの出来事に対して、感情が最も高まった時と最後の印象が全体的な印象を左右する」といった法則です。
面接の最後に笑顔を見せることで、好印象を残したまま面接を終えることができます。対面面接の場合、ドアを閉めるまでは笑顔で、オンライン面接の場合は、画面を切るまでは笑顔を残しましょう。
笑顔を見せないほうが良いケースは?
補足として、面接では笑顔を見せないほうが良い場面もあります。具体的なシチュエーションは以下の通りです。
- 面接官の話を聞くタイミング
- 志望動機や将来の目標を伝えるタイミング
上記の場面では凛とした表情を作ることで真剣味が伝わるほか、表情に差が生まれて笑顔がより印象的に映ります。
面接官に好印象を与える笑顔の作り方
笑顔を作ることに慣れていない場合は、鏡の前で練習して自分の笑顔を観察し、模擬面接を繰り返して面接に慣れることが重要です。ここからは、具体的な笑顔の練習方法について解説します。
鏡の前で自分の笑顔を観察する
自分が実際にどのような笑顔を見せているかは、観察しなければ把握できません。鏡の前で自己紹介の練習などをしながら、笑顔を細かく観察してみましょう。ぎこちない表情になっていたり、大袈裟に笑っていたりと、これまで自分では気付けなかった笑顔の特徴を把握できます。
「自分が面接官ならどのような印象を抱くか」と客観的に評価しながら、表情を微修正してみましょう。鏡の前では練習しにくい場合は、スマートフォンの録画機能を使って練習の様子を後から確認する方法も有効です。
にこやかな笑顔を意識する
面接では、にこやかな笑顔が面接官に好印象を与えます。にこやかな笑顔で意識すべきポイントは以下の通り。何度も練習して自然に笑顔を作れる状態にしましょう。
- 上の歯だけが見えている
- 目元が下がっている
- 口角が上がっている
これに対して、目を大きく見開いたり、口を過度に開けてしまうと、ヘラヘラと笑っているようなマイナスな印象を与えます。面接では大袈裟すぎる笑顔は控えるのがマナーです。
模擬面接を繰り返して面接に慣れる
面接当日までに何度も模擬面接を行い、面接に慣れることも重要です。模擬面接は、転職エージェントを利用している方を対象に行われます。模擬面接を実施するメリットは以下の通りです。
- 緊張感のある場面を多く乗り越えることで自信が生まれる
- 本番に近い環境で笑顔を作る練習ができる
- 面接内容に対するフィードバックをもらえる
特に面接への自信をつけられる点は、模擬面接で得られる大きなメリットです。人は緊張すると笑顔を作ることを忘れてしまいます。しかし面接に対して自信がつけば、緊張が和らぎ自然に笑顔を作れるようになります。
無理に作った笑顔よりも、内側から滲み出る笑顔の方が面接官に好印象を与えられます。自然な笑顔を作れるように、模擬面接で繰り返し練習しましょう。
笑顔を作る以外に面接で意識したいポイント
上述したように、適切なタイミングで笑顔を作ることが重要です。しかし面接においては、笑顔以外にも意識すべきポイントがいくつかあります。
背筋を伸ばす
笑顔は第一印象を大きく左右しますが、姿勢の良し悪しも求職者の印象を決定付けます。 背筋が伸びていなければ、やる気や覇気がない印象を与えてしまうので注意が必要です。
面接時に有効なのが、「今背筋は伸びているのか?」と意識して自問自答することです。当然常に背筋を意識すると回答に集中できなくなるため、時折気にかける程度で大丈夫です。
また、面接時は着席している時間が長いため、座っている際のマナーは押さえておきましょう。
【男性の正しい座り方】
- 足は肩幅程度に開く
- 手は軽く握り太ももに置く
- つま先と膝はつける
- 背もたれから背を拳1個分離す
【女性の正しい座り方】
- 手を太ももの上で重ねる
- 膝とかかとは揃える
- 背もたれから背を拳1個分離す
ゆっくり話す
面接ではゆっくり話すことを意識しましょう。
面接では緊張して意図せず早口になってしまう方が多くいますが、早口で話すと面接官が話についていけず、魅力的なスキルや経験を語ったとしても伝わらない可能性があります。
会話のペースの基準としては、NHKのニュースキャスターを参考にすると良いといわれています。しかしスピード感を重視する業界や企業では、ゆっくり話しすぎるとマッチしないと判断される可能性があります。面接官の話すペースが早ければ、少し合わせてみましょう。
また、自分の話すペースを把握するためには、実際の回答を録音して客観視することが重要です。模擬面接等で許可をもらって録音し、アドバイスを貰いながら確認しましょう。
相手の目をみる
面接では時折、相手の目を見て話すことも重要です。常に伏し目がちだと自信や意欲が無いと判断されやすくなりますし、笑顔で話し続けることも難しくなります。
相手の目を見ると緊張してしまう方は、面接官の鼻や額あたりを見て話しましょう。またオンライン面接の場合は、カメラに目線を集めることを意識してください。
対面面接で複数人の採用担当者が同席している場合は、最も役職が高い面接官に目線を向けるのではなく、時折全員に目線を散らすと良いでしょう。
まとめ
面接という短い時間内で好印象を与えるためには、笑顔で話すことが重要です。入室時やアイスブレイク、面接官が笑顔のとき、退室時などは笑顔を向けるべきですが、真剣に話している際の笑顔は逆効果になり得ます。
また、面接官に好印象を与える笑顔を作るためには、鏡の前で自分の笑顔を観察するほか、模擬面接を繰り返して面接に慣れるなどの対策が必要です。コツを掴むまでは大変ですが、何度も練習を繰り返して自然でにこやかな笑顔を習得しましょう。