面接での印象は、合否につながる非常に重要な要素です。たとえ適性検査や筆記試験で好成績を収めても、面接で良い印象を与えられなければ不採用になるかもしれません。面接での印象をより良いものにするために、どのような点を意識すればいいか悩んでいる方もいるでしょう。
今回は、面接で不採用にならないために押さえておきたい基本的なマナーについて紹介します。また、近年注目されるWeb・オンライン面接でのマナーや、面接の印象による不採用を防ぐポイントも解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
面接の基本マナーをステップ別に紹介
面接は、以下5つのステップで構成されることが一般的です。
- 訪問
- 受付・待機
- 入室
- 面接
- 退室
面接における基本マナーをステップ別に紹介します。
(1)訪問時
まず大切なのは、遅刻は厳禁であるということです。できるだけ余裕を持って家を出て、開始時間の10分前には到着するようにしましょう。会場に到着したら、身だしなみをチェックし受付に向かいます。受付前には携帯電話の電源を切り、上着を持っている場合は畳んで手にかけておくことがおすすめです。
準備ができたら受付に向かい、以下の点を受付担当の方に伝えましょう。
- 氏名
- 学校・企業名(大学生・紹介の場合)
- 選考内容(例:一次面接、最終面接など)
- 面接開始時間
面接の旨を受付で伝える際の例文も以下に掲載しますので参考にしてください。
本日○時から最終面接のお約束をさせていただいております。
○○と申します。人事担当の○○様へお取り次ぎをお願いします。
(2)受付後・待機中
受付が完了したらそのまま会場に通される場合もあれば、控室で待機することもあります。
控室で待機する場合は、静かに待つようにしましょう。もし他の選考者がいる場合は、迷惑をかけないよう意識することが大切です。待機時間だからといって、間違っても携帯電話を触ったり、周りをせわしなく見渡したりといったことがないようにしましょう。待機中もすでに面接が開始されていると認識し、資料の閲覧やイメージトレーニングの時間に充ててください。
また企業によっては控室がなく、従業員が作業をしている場で担当者が来るまでそのまま待機することがあります。その場合は、従業員の邪魔にならない位置で、正しい姿勢で待つようにしましょう。腕を組んだり、足を崩したりすることは厳禁です。
(3)入室
自分の名前を呼ばれたら、ドアをノックして入室します。入室の際は、ノックしてから返事があるまでドアを開けないようにしましょう。また入室後に扉を閉める際は、しっかりドアの方に体を向けて静かに閉めてください。
入室したら面接官の方に体を向け、できるだけ自分から挨拶しましょう。面接官に促されてから、席に座ってください。自分から勝手に座ることは厳禁です。
(4)面接中
面接中のマナーとして押さえておきたい点は、面接官は話している内容だけを見ているわけではないということです。表情や話し方、名刺の受け取り方や姿勢など、ビジネスパーソンとしての「資質」を見ています。
面接中は適度に相槌を打ったり、面接官の目を見て話すといったポイントを必ず押さえておきましょう。また、着席して面接が始まる前に、面接の機会を設けてくれたことについてのお礼を伝えることも大切です。
(5)退室
面接が始まる前と同様に、面接を実施してくれたことに対するお礼の言葉を伝えましょう。お礼の言葉を伝えるとともに、改めて志望意思を伝えることも大切です。面接が終了したら、立ち上がって最敬礼をしてください。部屋から出る際も一礼し、静かにドアを開閉して退室しましょう。
場合によっては、エレベーターや出入り口まで見送ってくれる企業もあります。エレベーターまで見送ってくれる場合は、ドアが閉まる直前に再度一礼しましょう。出入り口まで見送ってくれる場合は、外に出てから再度一礼するのがマナーです。
また冬場の面接などは、手にコートをかけている場合があります。採用担当者から見えない位置に辿り着くまで、コートは着ないよう意識しましょう。
面接時に注意しておきたいマナー
先ほど紹介した面接時のマナーと合わせて、話し方や持ち物、服装に関するマナーを押さえておくことも大切です。
話し方
話し方における重要なポイントは、以下の通りです。
- 相手の目を見て話す
- 声のトーンが低くならないようにする
- 「です」「ます」と言い切るようにする
- 適度に身振りを交えて話す
- できるだけ簡潔かつ短く話す
- カジュアルな言葉遣いにならないように意識する
持ち物
面接時の持ち物に関するマナーは、以下のポイントを意識しておくことが大切です。
- 携帯電話の電源は切り、面接中は出さない(テーブルに置くこともNG)
- ビジネスバッグを用意する(リュックなどカジュアルなものは避ける)
- バッグは椅子の足元に立てて置く(横倒し、膝の上に置くことは厳禁)
- 筆記用具は必ず持参する
服装
服装や身だしなみも、面接の印象を左右する重要な観点です。以下を意識して臨みましょう。
- カジュアルな服装は避ける(上下スーツが理想)
- 社会人の場合は、学生が着るリクルートスーツは避ける
- メイクは加減を大切にする(メイクのしすぎ、ノーメイクはNG)
- 派手なネイルはしない
- 整髪料・柔軟剤・タバコのニオイが気にならないよう事前に確認する
Web・オンライン面接でのマナー
Web・オンラインで面接を実施する企業も増えています。昨今注目される新しい面接方式のマナーを覚えておくことで、現代の採用活動を勝ち抜くことが可能です。
面接前のマナー
Web・オンライン面接開始前に、インターネットの接続やマイクの音量が安定しているかどうか確認しておきましょう。オンラインツールのアカウントを用意したり、背景の映り込みを確認することも大切です。また外出先で面接を受ける場合は、端末の充電を確認しておきましょう。
面接中のマナー
Web面接の際は、開始時刻の数分前に入室しておきましょう。通常の面接と同様、遅刻は厳禁です。何らかのトラブルで万が一時間通りに入室できない場合を想定し、面接時の緊急連絡先を控えておくことも大切です。
面接開始後のマナー
Web面接は通常の面接と異なる環境であるため、以下のポイントを意識して臨むことが大切です。
【話し方】
・通常よりも大きめの声で話す
・相手が話し終わってから2拍ほど置いて話す
・話し方に抑揚をつける
【表情】
・通常の面接よりも表情が見えにくいことを意識する
・相槌・頷きなどのリアクションは大きめに
【姿勢】
・胸の上から頭頂部まで映るような姿勢を意識する
・背筋を伸ばす
【目線】
・自分が話すときはカメラを見るようにする
・相手が話しているときは画面に映る相手の目を見る
服装・髪型のマナー
Web面接は上半身しか映らないものの、なるべく上下しっかりとした服装で臨みましょう。万が一立ち上がることになった場合、上半身だけフォーマルな服装ではかえって悪い印象を与えてしまいます。清潔感を意識した服装を心がけることも大切です。背景と同じ色合いの服装も避けるように事前に準備しておきましょう。
髪型に関しては、男女ともにおでこを出すことが理想です。通常の面接よりも表情が読み取りにくいため、髪で表情を遮らないようにしましょう。
面接時の印象だけで不採用にされないためのポイント
面接時の印象が悪いと、それだけで不採用になる可能性があります。ここでは、面接の印象だけで不採用になることを防ぐためのポイントを紹介します。
ノックの回数を意識する
ノックの回数は、3回程度を意識しましょう。多すぎても、少なすぎても良くありません。また、ノック後に相手から返事があるまでは、ドアを開けないことも意識しておきましょう。
遅刻しない
遅刻してしまうだけで、相手に与える印象が悪くなってしまいます。会場に10〜15分前に到着するよう行動しましょう。万が一遅刻しそうな場合は、事前に連絡を入れましょう。できるだけ簡潔に謝罪と遅刻の旨を伝えてください。
言葉遣いに気を配る
カジュアルな話し言葉や、ビジネスパーソンとしてふさわしくないトレンドワードなどを入れ込まないようにしましょう。また、偉そうな印象を与える話し方にならないよう意識することも大切です。
できるだけはっきりとした声で話す
面接官の質問に対してはっきりとした声で答えないと、コミュニケーションがうまく取れない人だと判断されてしまいます。相手に伝わるようはっきりとした声で話すことはもちろん、声のトーンや目線、表情も意識して面接に臨みましょう。
面接官の話を最後まで聞く
面接官の話が終わっていないのに、遮るような形で自分の話を始めないようにしましょう。話を最後まで聞けない人だと判断され、不採用になるかもしれません。面接官が話している間は、相槌を打ったりメモを取ったりしながら、最後まで聞くようにしましょう。
挙動不審な行動を取らない
緊張をできるだけ表に出さないことで、好印象につながります。話している最中に頭を触ったり、周りを見渡しながら話すことは、落ち着きがない・プレッシャーに弱いと判断される恐れがあります。
まとめ
今回は、面接における基本的なマナーや注意点について解説しました。面接で与える印象は、適性検査や筆記試験よりも重要視される場合があります。面接だけで不採用にならないように、今回紹介したポイントを意識して面接に臨みましょう。
また今回は、昨今注目されているWeb・オンラインでの面接におけるポイントも解説しています。新しい形式の採用活動に順応できるように、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。