転職活動における面接では、さまざまな質問が投げかけられます。その中でもよくある質問の1つが「最近気になったニュースを教えてください」というものです。いざ聞かれた時に答えを用意していないと、焦ってうまく答えられない場合もあるでしょう。一方でしっかりと事前に対策できる質問であることから、面接に取り組む姿勢によって差がつく内容であるともいえます。
今回は、面接で最近気になるニュースを聞かれた場合の答え方や注意点、対策方法について詳しく解説します。
面接で最近気になるニュースを聞く意図とは
「最近気になったニュースは?」という質問は、一見すると業務とは関係がないように思われます。なぜ、企業はこのような質問をするのでしょうか。有効な対策をとるためにも、採用担当者の意図について考えてみましょう。
情報感度の高さを測るため
企業は、情報感度の高い社員に対して仕事を進める能力や成長性を期待します。情報感度とは、自ら積極的にさまざまな物事へ関心を持ち情報を収集する意識や、情報に触れたときに気づきを得られる能力のことです。情報社会といわれる現代において、有益な情報を集めて成長するために情報感度の高さは欠かせません。
価値観や興味の方向性を測るため
応募者がどのような分野に興味を持っているのか、そして情報に対してどのような感想を持つのかといった、人となりが分かる情報を確認するために質問するケースもあります。入社後のミスマッチを防ぐためにも、応募者の指向性は企業が知りたいポイントです。価値観を元に自社との相性を測っているといえるでしょう。
社会問題への意識を測るため
長期的な視点でビジネスを成長させていくためには、経済・政治・環境といった社会問題にも目を配らなければいけません。社会全体の動向の変化が、自社のビジネスに大きく影響を及ぼすこともあるでしょう。最近の気になるニュースという題材を通して、日頃から社会問題に対する関心があるのかどうかを判断しています。
面接時に最近のニュースとして挙げるべき題材
ここでは、実際に気になるニュースに関する質問をされたときに選ぶべきジャンルについて解説します。毎日さまざまなニュースが報道されている中で、どのようなものに関心を持てば良いのかあらかじめ把握しておきましょう。
社会や経済全体に関する問題
社会情勢や経済の動向に関するニュースは、どのような応募先であっても間違いがないおすすめのジャンルです。社会や経済の問題は全ての企業に少なからず関連性があるため、コミュニケーション能力について疑問を持たれることもありません。また、大きな問題を取り上げることで、社会問題を意識しているというアピールにもつながります。
志望先に関係するもの
志望する企業が属する業界のニュースを取り上げても良いでしょう。仕事に対する熱意や入社意欲の高さをアピールできます。ただし、志望先の業界に関するニュースを挙げるときは、当然ながら面接官の方が業界の動向に詳しいことを踏まえ、下調べは入念に行う必要があります。ネガティブなニュースは業界や志望先の企業への批判にもつながりかねないため、前向きなニュースを取り上げるようにしましょう。
面接時に最近のニュースを質問されたときのNG例
最近のニュースとして取り上げるべき題材について紹介しましたが、反対に選ぶべきではないジャンルも解説します。面接で好印象を残すためにも、ニュース選びの判断基準を把握しておきましょう。
芸能人のゴシップ
芸能人の恋愛や不倫、噂話などのゴシップニュースは、面接の場において避けるべきジャンルです。先述の通り、最近のニュースにまつわる質問は、あなた自身の仕事に関する興味関心を推し量るものです。業務内容や企業の意図と全く関係のない芸能関係のニュースは、アピールにつなげられないため控えるべきでしょう。
宗教・思想に関連する内容
宗教や政治など、個人の思想信条に関するニュースは避けるべきでしょう。あなたが常識的で当たり前だと思う意見でも、実は面接官個人の思想を真っ向から否定してしまうかもしれません。面接に限らず、ビジネスシーンにおいて宗教や思想に関する話はタブーとされています。「最低限の常識が備わっていない」と判断されてからでは遅いので、ニュースを選ぶときは気をつけましょう。
気になるニュースを見つける方法
実際にニュースの情報をインプットするためには、どのような方法が適しているのでしょうか。日常的にニュースをチェックする人とそうでない人とでは大きな差が開いてしまうので、ここでは面接対策として最適な情報収集の方法を紹介します。
新聞を読む
多くの人の目によって精査された最新の情報を毎日チェックできるのが新聞です。自分から情報を探さなくても、さまざまなジャンルのニュースに目を通せる点も新聞のメリットといえます。特に経済新聞は、企業が求めるような題材が多く掲載されているためおすすめです。
ただし、同じニュースでも新聞社によって報道の姿勢が異なる場合もあります。面接対策として読む際は複数社の新聞を読むと、より多角的な視点の情報を得られるでしょう。
テレビのニュース番組を見る
映像は文字よりも視覚的にわかりやすいため、丁寧な解説がなされていると難しい題材でも深く理解できるでしょう。本や新聞を読む習慣がなく、文字で情報を集めることが苦手という方にもおすすめしたいインプット方法です。
ニュースサイトやアプリで情報収集する
スマートフォンが普及した現代ならではの情報収集手段として、ニュースサイトやニュースアプリを使うのも良いでしょう。移動や休憩時間など、短いスキマ時間でも簡単にニュース記事へアクセスできる点は大きなメリットです。毎日手に取るスマートフォンでいつでも最新のニュースを見られるので、習慣化しやすいという特徴も備えています。
面接で最近のニュースを答える際のポイント
ニュースの題材を決め、情報収集の方法を定めたら、本番で上手に受け答えできるようポイントを押さえておきましょう。同じニュースを取り上げた他の応募者に差をつけられるように、重要なテクニックを3段階に分けて解説します。
結論から述べる
「結論から述べる」という考え方は面接に限らず、相手へ端的に思いを伝えるためには非常に有効なテクニックです。「最近気になったニュースを教えてください」といわれて「私が最近気になっているのは、◯◯に関するニュースです。なぜなら〜」といった話し方ができると、面接官にも良い印象を与えられる可能性が高まります。
ニュースの内容と気になる理由を伝える
ニュースの内容を長々と説明してしまうと本題から離れるため、要点だけを簡潔に伝えましょう。そして、自分がなぜそのニュースを選んだのか、理由を説明します。求職者の人となりを知りたい面接官にとって、ニュースを選んだ理由は重視しているポイントです。業界や仕事内容と上手く関連付けながら説明できるように練習しておきましょう。
自分なりの考えをまとめる
最後に、ニュースに対する意見を述べましょう。1つの報道に対して自分の意見を持つことは、慣れないうちは難しいものです。しかし、たくさんのニュースに触れ、自分で考えるという練習を繰り返すことで徐々に知識も広がり、自信を持って意見を述べられるようになります。企業も、テレビに出ている専門家のような解説を求めているわけではありません。こちらの考えを相手にまっすぐ伝えることを意識してみましょう。
まとめ
「最近気になったニュースを教えてください」という質問は、単純に知識量だけを問うものではありません。面接に向けた準備の姿勢やあなたの価値観など、1つの質問で多角的な評価がなされます。まずは日頃からニュースを確認することと、自分の意見を持てるようになることが大切です。面接対策だけでなく社会人としての素養も身につくので、情報収集を習慣化して面接での高評価につなげましょう。