転職の面接で聞かれる質問はある程度決まっているため、事前の対策が可能です。今回は、転職面接で頻出の質問を7つ紹介します。よく聞かれる質問だけでなく、面接官の意図や回答の際のポイント、回答例なども交えて解説します。本記事を参考に面接官の意図なども踏まえた、より良い回答を用意して落ち着いた状態で面接に臨みましょう。
自己紹介
面接の最初に求められるのが自己紹介です。
自己紹介を求める面接官側の意図には、以下の3つが挙げられます。
- 話しやすい雰囲気作り
- コミュニケーション能力の把握
- 応募者の人柄の把握
実際の面接では「自己紹介をお願いします」「前職での経験にも触れながら自己紹介をお願いします」などと聞かれます。
自己紹介をする際のポイントと例文
自己紹介する際のポイントは以下の2つです。
- 氏名・前職・締めの言葉(よろしくお願いします)を盛り込む
- 時間が指定されていない場合は、30秒から1分程度にまとめる
このポイントを踏まえた自己紹介の例文は以下の通りです。
○○と申します。前職のマーケティング会社ではSNSやリスティング広告、YouTubeなどさまざまな媒体を運用しておりました。
特にSNS運用ではこれまで計1万フォロワーを突破したアカウントを5つほど生み出し、社内賞を受賞したこともあります。前職で培ったSNSマーケティングに関する能力を御社でも活かしたいと考え、御社に応募した次第です。
本日はお時間いただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。
転職理由
ほとんどの転職面接では、自己紹介だけでなく転職理由も序盤で聞かれます。
面接官が転職理由を聞く背景には、以下の2つが挙げられます。
- 早期退職しないか確認するため
- 自社とマッチするのか確認するため
多くの転職面接では「転職理由を教えてください」「転職に至った経緯を教えてください」と聞かれることが多いでしょう。
転職理由を回答する際のポイントと例文
転職理由は、以下のポイントを意識して回答しましょう。
- 前職を批判しない
- 志望動機と関連させる
- 前向きな転職理由であればベスト
上記3つのポイントを押さえた回答例は以下の通りです。
前職のマーケティング会社ではSNS運用の中でもInstagramしか扱うことができませんでした。しかし今後はTwitterを含めたさまざまな媒体を伸ばせるようになりたいと考え、退職を決意しました。
また新卒では食品メーカーに入社し、5年ほど勤務したため食品業界に対する理解があります。そのため食品メーカーとSNSを掛け合わせられる職場を求めて現在、転職活動を行っています。
志望動機
面接官は、以下の3点を確認するために志望動機を尋ねます。
- 自社で長く働いてくれるか
- 自社に対して深い理解はあるか
- 自社への志望度は高いか
志望動機は企業への思いを最大限アピールできる箇所であるため、熱意が伝わるよう回答しましょう。
志望動機を回答する際のポイントと例文
志望動機を答える際は以下のポイントを踏まえると、より良い回答に近づきます。
- なぜその企業でなければいけない理由を明確にする
- 自分のスキルや実績を関連づける
- 志望動機として福利厚生や立地は避ける
上記3点を踏まえた回答例は以下の通りです。
御社はSNS運用の中でも食品メーカーのアカウント実績が他社に比べて豊富にあります。中でも〇〇のアカウントは、6ヵ月間で20万フォロワーを獲得したと伺いました。こういった実力のある企業で、自分とSNS・食品メーカーの知識を活用し、さらに成長していきたい、と考え志望した次第です。
自己PR
面接で自分の魅力を最大限アピールできる場が、自己PRです。
面接官が自己PRを求める理由には、以下の2つが考えられます。
- 自社で活かせる強みがあるか確認するため
- 候補者の思考や人柄を把握するため
「自己PRをお願いします」とストレートに聞かれることもあります。ただし、場合によっては「強みを教えてください」「あなたが自社で活躍できる理由を教えてください」のように質問されることもあります。
自己PRをする際のポイントと例文
自己PRは、以下のポイントを押さえるとより面接官の印象に残るアピールとなるでしょう。
- 志望企業や応募職種にマッチした実績やスキルに触れる
- 目標を達成するまでの思考や行動を具体的に話す
- 説得力を持たせるために数字を盛り込む
上記3つのポイントを踏まえた自己PRの例文は以下の通りです。
私の強みは、ユーザー心理を突き詰めてSNSを運用できる点です。特にSNSでは投稿数を増やす施策だけでフォロワー増加を狙う方もいますが、それでは質の高いフォロワーは獲得できません。
しかし私は前職で該当ジャンルに興味のある方が求めるコンテンツを、実際のユーザーインタビューを通して探りました。その結果フォロワーを6ヵ月で5万人増やし、売り上げ月間150万円アップにも貢献しました。
また私は御社が主要な取引先としている食品メーカーでの勤務経験もあります。私の強みであるユーザーニーズの深堀りを実践しながら、今後は特に食品メーカーのアカウントを伸ばしたいと考えています。
キャリアプラン
キャリアプランとは、自分の将来像を明確にし、理想を実現するための行動計画のことを指します。
面接官がキャリアプランへの回答を求める理由には、以下の3つが挙げられます。
- 自社のビジョンとキャリアプランに相違がないか確認するため
- 自社で長く働いてくれるか確認するため
- 目標に対する行動力を把握するため
「キャリアプランを教えてください」ではなく「入社後は、どういった活躍をしたいですか?」や「10年後どうなっていたいですか?」といった少し捻った問いかけをされる場合もあります。
キャリアプランを回答する際のポイントと例文
キャリアプランを回答する際は、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 具体的なプランを提示する
- ビジョン達成のためにこの企業を選んだ理由を盛り込む
- ビジョンを達成するために現在実践している行動を述べる
上記3点を押さえた回答は以下の通りです。
今後はSNS運用マーケターの中でも、食品業界に強いSNS運用者として専門性を磨いていきたい、と考えております。これは食品業界のSNSに強い御社を志望している理由にもつながります。
具体的には、入社1年後〜3年後は●●の状態を目指していき、5年後〜は●●の状態を目指していけるようスキルを習得しチャレンジしていきたいと考えております。
このキャリアプランの達成に向けて、現在はほかのジャンルにおけるSNSの成功体験を積んでいます。
働く条件
企業と候補者のミスマッチを防ぐために、働く条件を聞かれます。具体的には希望年収や希望勤務地、転勤について聞かれることが一般的です。
働く条件を回答する際のポイントと例文
働く条件を尋ねられた際は嘘をつく必要はありません。しかし、マイナスな印象を与えないように伝え方を工夫する必要があります。
例えば希望年収を聞かれた際は「会社規定に従いますが、現在の年収が500万円程度ですので、同額を希望いたします」など現在の年収を基準に述べると、納得感が得られやすいでしょう。なお現在の年収よりもアップを希望する場合は、その金額が妥当な理由を添える必要があります。
また、勤務地や転勤に関しても嘘をつかずに希望を伝えて問題ありませんが、柔軟に対応できる姿勢を見せることができればイメージアップにつながります。
逆質問
面接の最後では「弊社に対して何か疑問点はありますか?」と逆質問されることがあります。逆質問は、自社への入社意欲を図るために聞かれます。
逆質問をする際のポイントと質問例
逆質問をする際のポイントは以下の通りです。
- 調べればわかることは質問しない
- やる気をアピールできるとベスト
- 質問しないのはNG
- 質問に答えてくれる方の役割(役職)を意識した質問をする
まとめ
面接で聞かれることを予想し、回答を用意しておけば落ち着いて本番に臨めるでしょう。ただし実際の面接では回答時間が制限されるほか、企業特有の質問を投げかけられる場合もあるので注意しましょう。面接は実践を重ねることで、クオリティが上がっていきます。頻出の質問に対する回答を用意しつつ、転職エージェントや知人に頼んで面接の場数を踏んでおきましょう。