ジョブカードとは?書き方や記入項目、作成時のポイントを解説

2023年1月1日

2024年4月12日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

厚生労働省がすすめるツール「ジョブカード」をご存知でしょうか。就職活動や長期的なキャリア設計に役立つとされているものの、具体的な使い方をイメージできないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、ジョブカードのメリット・デメリットや具体的な作成手順、作成にあたって注意すべきポイントを解説します。

ジョブカードとは

ジョブカードとは、厚生労働省による「ジョブカード制度」で使われる書類一式を指した名称です。ジョブカード制度とは就職活動やキャリア形成を支援するための取り組みで、現在失業中の方のみならず、転職を考えている方や学生など誰でも利用できます。職業訓練などへ参加する際の応募書類として使われているほか、さまざまな活用方法があります。ジョブカードは「キャリア・プランシート」「職務経歴シート」「職業能力証明シート」という3つで構成されています。

ジョブカードのメリット

仕事を探している人であれば誰でも利用できるジョブカードですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ジョブカードを使うことで得られる3つのメリットについて解説します。

応募書類として活用できる

ジョブカードには求職者の職務経歴以外にも、学習・訓練歴や訓練内容に関する評価などが記載されています。正社員として働いた経験が少ない方でも、応募書類としてジョブカードを加えることで取り組んできた内容を応募先にアピールすることも可能です。

助成金の受取申請に使える

求職者に対する助成金や給付金制度の中には、ジョブカードの提出が必要となるものも存在しています。タイミングや条件が揃う場合は、助成金を申請して腰を据えた転職活動につなげましょう。

教育訓練に使える

事前にキャリアプランを作成することで意味のある教育訓練を受けられるほか、実施した教育訓練が一覧となって記録されます。結果、職業能力の証明として応募先の企業に対する有力な自己PRにつながるでしょう。

ジョブカードのデメリット

ジョブカードの作成には、いくつかのデメリットも存在します。問題点も把握した知った上で、自分に必要なツールなのか判断しましょう。

応募書類としての認知度が低い

近年になって取り入れられた制度であるジョブカードは、企業にとって応募書類としての認知度が低いという問題があります。制度自体は確かに厚生労働省が推進するものですが、応募先の企業があまり見慣れない追加書類として、どれほどの評価を下すかは別問題だといえます。もちろんジョブカードを使うことで評価がマイナスになる可能性は低いです。しかし、求職者が期待するほどの評価を得られない可能性は考慮しておきましょう。

記載事項が多く手間がかかる

ハローワークのジョブカードは、生涯を通じたキャリアプラン設計や就職活動、訓練の受講と活用の目的が幅広いため、記載事項が多岐に渡ります。書類の枚数は人によっては10枚以上と多く、非常に手間がかかります。これまでの職歴や学習歴も正確に把握しておく必要があるため、時間に余裕を持って作成に取り組む必要があります。

作成相談に費用がかかる場合がある

上記で述べたようにジョブカードの作成には手間がかかります。少しでも就職活動を有利に進めるため、プロに作成依頼をする方もいます。しかし、キャリアコンサルタントや転職エージェントといったプロフェッショナルへの相談は役に立つアドバイスが得られる分、費用が発生する場合があります。自力での作成が難しいものの無料で相談したいという場合は、厚生労働省から委託を受けているキャリア形成サポートセンターに相談することで、無料のキャリアコンサルティングを受けることが可能です。

ジョブカードを作成する方法

ここでは、ジョブカードを作成するための方法を紹介します。ジョブカードは、次に挙げる3つの手段で作成できます。使いやすい方法を選んで作成してみましょう。

①ジョブ・カード作成支援Web/ソフトウェアを使って作成
ジョブカード制度総合サイトから作成支援機能や履歴書出力機能も使用できるため便利でおすすめです。

②様式(PDF)を使って作成
PDFの様式を使う方法は、手書きで作成したい方に向けた手法です。

③様式(Excel)を使って作成
Excelの様式を使う方法は、特別なソフトをインストールせずにパソコン上でジョブカードを作成したい方向きです。

ジョブカードの書き方・記入例

ここでは、ジョブカードの書き方について詳しく解説します。

様式1:キャリア・プランシート

キャリア・プランシートでは、これまでの経験やこれから取り組みたいことを文章で記入します。様式は2種類に分かれており、就業経験がある方は様式1-1、就業経験がない方や学卒者は様式1-2を使用します。「価値観、興味、関心事項」「強み」「将来取り組みたい仕事や働き方」「これから取り組むこと」「その他」の5項目に分かれています。価値観や強みでは、これまでの仕事上での経験やエピソードを絡めながら、数字で示せる実績を記載することで自己PRにつながるでしょう。

様式2:職務経歴シート

次に作成するのが、様式2にあたる職務経歴シートです。これまでに勤務した会社名や所属・職名・勤務した期間・職務内容・職務の中で学んだことや得られた知識・技能について記入します。職務内容は箇条書きも用いながらわかりやすく簡潔に記しましょう。学んだことや得られた知識については「アンケート調査等を通じ、顧客からのフィードバックを収集・分析し、現在の主力商品の開発に貢献した」「営業の経験を積み重ねたことで、さまざまな業種のニーズをくみ取れた」といったように、経験と残した成果や身についたスキルをアピールできると良いでしょう。

様式3:職業能力証明シート

最後に紹介するのが、様式3にあたる職業能力証明シートです。職業能力証明シートには複数の種類があり、様式3-1では免許・資格の内容を記載します。様式3-2では、学習歴や訓練歴とその内容を記載します。高校や大学で学んだことや教育訓練の内容を細かく記入できるので、学んだ動機や習得したスキルを漏れなく記載しましょう。様式3-3は教育訓練の成果が記載されており、こちらは自己評価と実習を実施した企業からの評価が並んで記載されます。

ジョブカード作成時に注意すべきポイント

ここまで、ジョブカードの作成にあたっての手順を紹介しました。最後に、ジョブカードを作成する際に注意しておくべきポイントを3点解説します。

事前にキャリアを整理する

特に手書きの場合は、思い出しながら記入するだけではミスが生じる元になってしまいます。事前に職務経歴を整理しておくことで正しい情報がすぐに見られるようになるため、今後の転職活動においても役立つ管理方法です。

キャリアコンサルティングを活用する

ジョブカードは文章の記入欄が多く、その分作成者の考えが強く反映されます。しかし、本当に必要なのは、企業側がジョブカードを見たときにどのような印象を受けるかという視点です。キャリアコンサルティングを利用することで第三者による率直な評価を得られるので、おのずと改善点も見えてより良い内容へアップデートできるでしょう。

入力補助機能を活用する

ジョブカード制度総合サイトを通じてジョブカードを作成することで、入力補助機能を利用できます。キャリアコンサルティングを利用しない場合でも、記入例やアドバイスを確認しながら作成できるため、一人で作成する場合はぜひとも活用すべきです。

まとめ

ジョブカードは転職に役立つだけでなく、自分自身のキャリアの再確認や将来設計にも活用できるツールです。改めて書き出すことで、見落としていた自分の強みや市場価値に気づく機会を得られるかもしれません。作成には時間がかかるため、転職を考え始めたら早めに取り掛かってみてはいかがでしょうか。

監修者・座間 智也

座間 智也

原宿で美容師 ⇒ リーフラス株式会社 ⇒ 株式会社スポーツフィールド
サッカー選手になる夢を断念し、美容師からキャリアをスタート、2社目では当時史上最短の入社8ヶ月でリーダー昇格、3年目の25歳で当時社員600名弱の会社で支店長として従事。その後、人材紹介会社へ転職し、入社4年で東日本エリアのマネージャーとして6拠点のマネジメントを経験。現在は個人として4つの事業運営を行いながら、Izul でキャリアアドバイザーとして従事。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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