面接室へ入室する際は、誰しもが緊張していることでしょう。しかし入室に失敗してしまうとさらに緊張度が上がり、質疑応答で思うように発言できないといった事態に陥りかねません。本記事では、面接の入室マナーを5つのシーン別に紹介します。また候補者の印象を決定付ける退室マナーについても解説します。
入室・退室マナーは意識さえすれば誰でも改善できるものです。本記事を参考に基本的なマナーを押さえて、面接官に好印象を与えましょう。
面接の入室マナー
本章では面接の入室マナーを5つのシーン別に紹介します。入室は候補者の印象を左右する重要な部分であるため、正しいマナーを把握しておきましょう。
【入室前】待機中でも気を抜かない
入室前から面接は始まっています。待合室でスマホを触ったり、姿勢を極度に崩したりせずに、ある程度の緊張感を保っておきましょう。またスマホはマナーモードであったとしても、バイブレーションが面接室で響くこともあります。入室前にはスマホの電源は切っておきましょう。
なお冬場の面接では、コートを身につけている方も多いでしょう。コートは入室前に脱いでおくことがマナーです。コートは脱いだ後、内側から外側に折りたたみ腕にかけてください。入室後にコートを置く際は、椅子にかけず鞄の上にのせておきましょう。
【ドアを開ける際】「失礼いたします」と一声かける
面接室に案内された後、ドアを開ける際は「失礼いたします」と一声かけましょう。ノックの回数は3回といわれていますが、面接官がノックの回数まで気にかけている場合はあまりありません。そのため、ノックの回数まで過度に意識する必要はありません。
【ドアを閉める際】ドアに手を添えて静かに閉める
面接室に入室してドアを閉める際は、ドアに手を添えてできるだけ音がでないように注意します。この際、ドアの方向に体を向き直して閉めましょう。後ろ手で閉めることはマナー違反にあたります。
【入室後】面接官が自分を見たタイミングで挨拶する
ドアを締めた後、面接官と目があったタイミングで「よろしくお願いします」と軽く挨拶しましょう。この際、お辞儀の角度は30度です。また顔を前に出したり首を曲げたりするとだらしなく見えてしまうため、首から腰までが一直線になるよう意識しましょう。
【着席】着席を促されたら座る
挨拶を終え、面接官から着席を促されたあとは椅子に座りましょう。この際「失礼いたします」と一言添えると、より丁寧な印象を与えられます。面接中は椅子に深く腰かけずに、背もたれから拳1個分程度を開けておくと、自然に背筋が伸びます。また足は前にだらしなく伸ばさず、靴底が地面についた状態で固定しましょう。
また、足の幅と手の位置まで意識できるとベストです。男性の場合は肩幅程度に足を広げ、太ももの上に手を置きます。これに対して女性は膝とかかとを揃え、手は握り拳ではなく左手を上にした状態で両手を軽く重ねるとスマートな印象を与えられます。
面接官が後から入室する場合の入室マナー
前章では面接官が待機している部屋に入室する際のマナーを紹介しました。実際の面接では、面接官が後から入室してくる場合もあります。
面接官が後から入室する場合のポイントは以下の通りです。
- 待ち時間が長くてもスマホを触らない
- 面接官が入室した後、立ち上がり「〇〇と申します。よろしくお願いいたします。」と軽く挨拶する
- 面接官から着席を促されたタイミングで再度椅子に座る
入室時のカバンの持ち方や置き方
ドアを開閉する際は、カバンを持っていない方の手を使いましょう。カバンをかけている手でドアを開閉するのは、マナー違反にあたります。またカバンを置くタイミングは、面接官に軽く挨拶して着席する際です。自分が座っている椅子の脇におきましょう。
面接官が入室の際に見ているポイントは?
多くの面接官は取引先との接し方と重ね合わせて、候補者の入室マナーを確認します。しかし面接官は入室マナーだけでなく、身だしなみも確認しているので身なりへの意識が必要です。
身だしなみは、意識することですぐに改善できます。スーツのサイズ感や靴の汚れなど、基本的な部分を見つめ直し清潔感を演出しましょう。どんなに入室マナーをわきまえていても、清潔感がなければイメージダウンにつながります。
面接の退室マナー
質疑応答が終わっても、面接は終了ではありません。退室するまで気を抜かないようにしましょう。別れ際の姿は人の印象を決定づけます。最後に良い印象を与えて、面接を終えられるよう本章で基本的なマナーを押さえましょう。
【面接終了直後】立って「ありがとうございました」と言う
質疑応答が終わった後は、椅子の横に立ち「ありがとうございました」とお礼を言いましょう。この際、45度程度の深いお辞儀を添えることも忘れてはなりません。
【ドアの前に移動後】最後に「失礼いたします」の一言を添える
ドアの前に移動し退室する際、黙って部屋を出てしまうのはNGです。体を面接官の方に向けて「失礼いたします」と添えると、より丁寧な印象を与えられます。
【ドアを開ける際】なるべく音を立てない
退室のタイミングでドアを開ける際は、入室時と同様なるべく音を立てずにドアを開けましょう。また面接官の方を向いたまま後ろ手でドアを開けることもNGです。なお退室後はすぐにスマホの電源をつけたり、飲食したりせずに退社しましょう。気の抜けた場面を見られると、マイナスな印象を与えてしまいます。
面接官が出口まで見送ってくれる場合の退室マナー
会社によっては、面接官が出口まで見送ってくれることもあります。この場合のマナーは以下の通りです。
- 面接官の少し後ろを歩く
- 他の社員とすれ違った際は、会釈をする
- エレベーターや出口についたタイミングで、体を面接官の方に向き直し再度感謝を述べる
出口に向かう際に面接が終わったからといって、口調を軽くするのはNGです。また面接官が複数人いてそのうち1人が出口まで見送ってくれる場合は、他の面接官に対する挨拶を忘れてしまうことがあります。「本日はありがとうございました。」の一言は必ず添えましょう。
面接官が退室の際に見ているポイントは?
退室時、面接官は入室の際と比べて温度差がないかどうか、確認しているといわれています。質疑応答が終わった後はつい気が抜けてしまうため、退室時は本性が表れやすいでしょう。ここまで何度も述べてきている通り、退室するまでが面接です。ドアの締め方が雑になる他、口調がラフにならないよう注意しましょう。
まとめ
入退室は候補者の印象を左右します。入退室どちらも重要な部分であるため、失礼のないよう本記事で紹介したマナーを実践しましょう。しかしマナーをどんなにわきまえていても、質問に対する回答が面接官に刺さらないものであれば、内定はもらえないでしょう。面接前はマナーを把握しつつも、最も重要な質問への回答のブラッシュアップも行い、万全を期して面接に臨みましょう。