転職活動において、企業側から必ず問われるのが志望動機や志望理由です。どちらも同じような意味を持つ言葉ですが、それぞれのニュアンスを正しく理解していないと一貫性がなくなってしまいます。そこでこの記事では、志望動機と志望理由の違いや、伝えるべきポイントについて詳しく解説しています。転職活動中の方はぜひ参考にしてください。
志望動機と志望理由の違いとは?
志望動機と志望理由は、一見すると似ているようで異なる概念です。志望動機は、応募者がその職種や企業を志望するに至った背景や動機を指します。つまり、「なぜその道を選んだのか」という点に焦点を当てています。一方で志望理由は、その特定の企業や職位を選んだ具体的な理由や根拠を指します。
志望動機は、応募者の価値観やキャリアの方向性を示すものであり、より広い視点から語られることが多いです。例えば、「幼少期からITに興味があり、技術の進歩に貢献したいと考えるようになった」といった内容が該当します。
志望理由は、志望動機よりも具体的にその企業や職位に特化した内容となります。例えば、「貴社の革新的なAI技術開発に魅力を感じ、自身のスキルを活かして貢献したいと考えた」といった内容が該当します。
両者を適切に使い分けることで、応募者の熱意や適性を効果的に伝えることができます。
企業が志望動機・志望理由を聞く理由
転職活動の面接では、ほとんどの企業で志望動機や志望理由を問われます。ここでは、企業が志望動機・志望理由を聞く主な理由を2つの観点から解説します。
転職理由や熱意をチェックするため
企業は志望動機や志望理由を通じて、志望者の熱意や意欲を確認しています。たとえばどの企業でも当てはまるような志望動機や、ありきたりなエピソードのみの志望理由では「我が社でなくてもいいのでは?」と判断される恐れがあるため注意が必要です。また、志望動機や志望理由では転職を決断した経緯について触れることが多いため、転職理由に正当性があるかどうかを判断していることがあります。
自社とマッチするかを判断するため
志望動機では業界・職種に対する考え方や将来のビジョン、志望理由では仕事にまつわる具体的なエピソードや実績に触れるケースが一般的です。そのため、企業にとって自社との相性を確認する重要な判断要素になります。入社後のミスマッチを防ぐためにも、志望動機や志望理由は事前にしっかり考えておくことが大切です。
志望動機・志望理由を作成する際の4ステップ
ここでは、志望動機や志望理由を作成する際のステップを4段階に分けて解説します。志望動機や志望理由を作成する前にぜひチェックしてください。
【STEP1】転職の軸を明確にする
転職活動に取り掛かる前に、転職において何を重視するのか・どのような目的で転職するのかといった「転職の軸」を明確にしておきましょう。転職の軸がぶれていると、転職活動が難航したり、入社後にミスマッチが起きて転職を繰り返したりする恐れがあります。転職の軸を考える際は、これまでの経験や実績、転職先に求める条件をすべて書き出してみると自分を客観視できるためおすすめです。
【STEP2】応募先企業の強みや特徴を整理する
自分の転職の軸が明確になったら、応募先企業が持っている強みや同業他社にはない特徴について整理しておきましょう。志望動機や志望理由を作成する際に、ほかの志望者との差別化を図りやすくなります。応募先企業の強みや特徴については、企業のホームページなどで調べることが可能です。
【STEP3】応募先企業を志望する理由を言語化する
前のステップで整理した応募先企業の強みや特徴をもとに、志望理由を具体的に言語化していきましょう。その企業でなくてはならない理由が明確になっていると、転職への熱意が伝わって好印象を与えられます。反対に、どの企業にも当てはまる内容だと「我が社でなくてもいいのでは?」と判断されかねないため注意してください。
【STEP4】志望動機と志望理由が混同しないようにする
志望動機と志望理由は一見似ていますが、それぞれニュアンスが異なるため、混同しないように注意が必要です。志望動機では「その職種や企業を志望するに至ったきっかけや原因」、志望理由では「その職種や企業を選んだ具体的な理由や根拠」が求められています。志望動機で職種や企業の魅力や共感したポイントを伝え、志望理由を通じてさらに深堀りすると矛盾のないアピールにつながるでしょう。
志望動機・志望理由に共通する注意点
企業に好印象を与える志望動機・志望理由を作成するためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。ここでは、主な注意点を3つ紹介します。
会社説明にならないようにする
応募先企業に惹かれていることをアピールしようとするあまり、志望動機や志望理由が会社説明にならないように注意してください。オリジナリティのある志望動機・志望理由を作成するには、自分の経験に基づいた具体的なエピソードや思いに触れることが大切です。応募先企業に関する情報にも触れつつ、自分にしか表現できない内容を作りましょう。
どの企業でも通じる内容は避ける
志望動機・志望理由ともに、どの企業でも通じる内容は避けたほうがよいでしょう。企業側から「自社への本気度や熱意が低いのでは」と判断されてマイナスな印象を抱かれる恐れがあります。最近はインターネット上に例文が多く掲載されていますが、そのまま使わないように注意してください。
自分の思いを長々と話しすぎない
志望理由ではオリジナリティのあるエピソードを盛り込むことが大切ですが、自分の思いを長々話しすぎると逆効果になる恐れがあります。自分の考えや価値観を話すだけでなく、その企業でなければいけない具体的な理由を伝えることが重要です。さらに、これまでの経験を活かして入社後にどのように活躍できるかをアピールできると、より好印象でしょう。
まとめ
この記事では、志望動機と志望理由の違いや、作成する際のポイントについて解説しました。志望動機・志望理由で企業に好印象を与えるためには、それぞれのニュアンスの違いを理解したうえで、自分にしか語れない内容を伝えることが大切です。転職活動に自信がない方は、転職エージェントに相談してみるのもよいでしょう。Izulの転職エージェントでは、徹底的にヒアリングしたうえで、求職者のキャリア形成を重視した伴走型のサポートを実施しています。まずは相談からでもお気軽にご利用ください。