転職活動を進めるうえでは、履歴書とあわせて職務経歴書を求められる場面が多々あります。しかし履歴書と比較して職務に特化した職務経歴書の書き方がわからないと、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は「職務経歴書の書き方がわからない」となる主な原因や対策を、項目別の書き方とあわせて紹介します。職務経歴書の内容で周囲と差をつける方法も紹介しているので、転職活動を成功させるための参考にしてください。
職務経歴書の書き方がわからない原因
職務経歴書の書き方が「わからない」となりやすい原因には、主に以下の3つが挙げられます。ここからは職務経歴書の書き方がわからない原因別に、それぞれ詳しく解決法を紹介します。
- 記載できる職歴がない
- ブランクがある期間をどう書くべきかわからない
- 経歴を周囲と比較し、劣っているように感じる
記載できる職歴がない
「アルバイトの経験しかない」など、いわゆる正規職員として勤務した経験を「職歴」と考えている人もいますが、アルバイトの経験もれっきとした職歴です。
アルバイトの経験しかない場合は「アルバイトで得た経験」を重視して書くことが重要です。例えばアルバイト先で対応する客層や取り扱う商材など、専門性の高い視点をピックアップして記載しましょう。すると「この人は特定のジャンルにおける経験値がある」と判断されやすくなります。
たとえアルバイトでも、過去に何らかの「働いた経験」があれば、職務経歴書に積極的に記載してください。
ブランクがある期間をどう書くべきかわからない
転職経験が複数あり、かつ無職だった期間があると、マイナスイメージにつながると考えている人もいるでしょう。しかしブランク期間に何をしていたかで、かえって良い印象につながる場合もあります。「無職だった期間は資格取得のための勉強をしていた」「無職だった期間を利用してスキルを身につけた」など、今後につながることの「準備期間」として捉えなおし、職務経歴書に記載しましょう。
経歴を周囲と比較して劣っているように感じる
自身の経歴を客観視し、より専門的な領域のものに特化して記載することで、周囲と差別化できます。特定のジャンルにおける強みや資格・実績などを、周囲との相違点として積極的に記載しましょう。また過去の職歴で得た「実績」を記載するのもおすすめです。「新規契約数が部署内でもっとも多く、業績アップに貢献した経験がある」など、自身が行ってきたことと結果が同時にわかる内容を記載してください。
職務経歴書に書くべき項目のわかりやすい書き方
ここからは職務経歴書のわかりやすい書き方を、職務内容や実績、強みそれぞれの視点で詳しく解説します。
職務内容・経験
職務内容や経験を職務経歴書に書く際は、自身のこれまでの職歴をすべて書き出すことをおすすめします。所属していた企業の名称や業種、担当業務など、職務経歴に基づく情報を洗い出すことで文章化しやすくなります。また業務を通して身につけた経験や技術、資格や免許も同じく洗い出しておきましょう。
実績・成果
職務内容や経験と同じく、実績・成果も一旦書き出してください。ただ「結果」のみを記載するのではなく、実績や成果がどのようなプロセスで生まれたか客観的に分析することが大切です。たとえ応募する業種の経験が少なくても、企業に貢献するような実績・成果を生み出していれば、戦力として考えてもらえる可能性があります。
自身の強み
自身の強みをわかりやすく書くためには、実績や成果につなげるうえで自分が何をしたか、思い返しながら文字に起こすことが大切です。また、自分ならではの解決策やそれをきっかけに職場でどのような変化があったか思い返すことで、自身の強みを把握しやすくなります。難関にチャレンジしたことや新たなアイデアの創出、ミス軽減のため意識していたことを思い出し、かつどのような成果につながったか再度分析し直すことで、自身の強みを客観的に把握できます。
【例文付き】職務経歴書に書くことがない場合の対策
社会人経験が浅い、あるいは定職についていなかった場合は、仕事への意欲や人柄、最低限のスキルをアピールすることが大切です。
- コミュニケーション能力を活かし、店頭でのアプリ会員登録を積極的に行った
- 仕事を通じてさまざまな人と出会った経験を活かし、貴社の営業職として活動していきたい
- 誰とでも分け隔てなく接することができるため、社内のコミュニケーションを円滑にする役割を担いたい
上記のように、職歴が少ないことをマイナス要因として捉えられない工夫をしてください。万が一、応募する業種で仕事をしたことがない場合は、上記の例文を「社会人経験」ではなく「学生時代」や「プライベート」に置き換えてみましょう。ボランティア経験といった自身のことを紹介できるようなものがあれば、職務経歴書に記述できます。
職務経歴書の書き方で周囲と差をつける方法
ここからは職務経歴書の書き方で、周囲と差をつける主な方法を紹介します。
箇条書きを積極的に使用する
無理に文章で書こうとせず、箇条書きで各項目をわかりやすく記載することを意識してください。箇条書きで書かれている内容を中心に、面接を通じて質疑応答の形で深掘りしやすくなるためです。
数値を使って具体化する
「会員獲得数が前年度より20%アップした」など、実際の数値を交えて具体化してください。漠然と「努力した」ことだけ記載するのではなく、数値を使うことで職務経歴書を読んだ人が求職者の「実績」を把握しやすくなります。
エピソードを交える
結果だけを記載するのではなく「なぜその結果に至ったのか」をエピソード化して記載してください。数値や箇条書きも併用しつつ、結果に基づくプロセスを具体化することで周囲と異なる職務経歴書を作成しやすくなります。
長さ・短さに配慮する
職務経歴書は長すぎても短すぎてもNGです。長すぎる場合は積極的に箇条書きを利用し、短すぎる場合は、箇条書きの内容を文章化して対策をとってください。
実績には理由をつける
実績を記載することは重要ですが、何が理由でその実績につながったかという理由を書くことが大切です。ただ「入社半年で昇進した」と記載するだけではなく「〜の知識を部署間で共有し、営業確約数を10%アップさせたことが評価され入社半年て昇進できた」と記載できれば、採用担当者が求職者の実績を理解しやすくなります。
前職の情報は詳しく書く
「〜系の企業」といったぼかした書き方ではなく、企業情報の詳細を記載してください。企業情報や企業実績などは、対象企業のホームページから引用して記載しましょう。むしろ自分の言葉で書いてしまうと事実との齟齬が出やすいため、避けてください。
職務経歴と実績は分けて書く
職務経歴と実績は結びついているものの、書類に記載する際はそれぞれ分けて書きましょう。
- 職務内容:〜〜
- 実績:〜〜
箇条書きや枠などを利用し、職務経歴と実績が一目で判別できるように書くのがおすすめです。
まとめ
職務経歴書は自身がこれまで行ってきた仕事や、仕事を通じて得た経験・実績をアピールするための重要な書類です。職歴が少ないと書き方がわからないと感じてしまうものの、これまでの自身を振り返ることで書けるものを見つけ出せます。
今回紹介した周囲と差をつける方法なども把握し、自身を強くアピールできるツールとして職務経歴書を活用してください。