近年、人々の健康を重視した働き方を推進する企業が増えてきました。一方で時代に取り残される形で、ブラック企業が浮き彫りになることもしばしばあります。さまざまな情報が手に入る中で、自分が勤めている企業に不信感や不満を持ち、転職を考えてる人も多いことでしょう。
今回は、転職時に気になる年齢制限や年齢の壁、転職を成功させる人の特徴などを紹介します。転職活動を行う上で、押さえておくべき知識であるため、漏れなく進められるよう本記事を活用してください。
【年代別】転職の平均年齢
総務省の「労働力調査（令和2年平均）」によると、転職者の数が最も多い年齢は、25歳から34歳となっています。「若ければ未経験でOK」としている企業もあるように、転職市場のメインは、34歳までの就業者にあるといえます。
参考：労働力調査（基本集計）2020年（令和２年）平均結果の要約
では、「34歳以降は転職が難しいのか」と考える人も多くいることでしょう。
結論から言えば、34歳を超えた時点でも転職は十分に可能です。少子高齢化による人手不足から、社会人経験豊富な40代・50代の就業者を求める企業も少なくありません。
年齢による転職の「限界」
ここでは年齢による転職の限界について紹介します。自身の現状と照らし合わせながら、転職を成功させるためにも各項目をしっかりチェックしましょう。
そもそも転職に年齢の制限はある？
前述した通り転職の平均年齢は30代前後ですが、そもそも採用における年齢制限はあるのでしょうか。採用において、年齢制限を設けることは原則禁止とされています。ただ例外として、長期勤続によるキャリア形成の観点から、年齢制限を設けている企業も存在します。
転職限界年齢とは
転職限界年齢には、明確な基準が定められていません。しかし、35歳以上を採用する場合には企業側も、即戦力になるスキルや実績を求める傾向にあります。ポテンシャルだけで採用されることは少ないでしょう。
年代別にある「年齢の壁」とは
転職者を対象とした、年代別に年齢の壁を感じるかといったアンケート調査の結果があります。こちらによれば、年齢が上がるほど「年齢の壁がある」と回答した割合が高くなり、年齢の壁はまだ根強く残っていることが明確になりました。
年齢を「武器」にして転職活動を進めるコツ
ここでは、年齢を武器にして転職を成功させるコツや、どんな準備をしたらいいのかなどを注意点も踏まえながら年代別に紹介します。
20代では、基本的なビジネススキルや熱意をアピールすることが推奨されます。また前職を短期間で退職した場合、明確な退職理由を準備しておきましょう。その際、将来の展望と重ねて説明し、自身のポテンシャルをアピールすることも大切です。
30代では、専門スキルを伝え、即戦力となれることをアピールすることが重要です。20代と違い、ポテンシャルに頼りすぎず、企業にとって自分を採用することでメリットとなる理由を準備することが大切です。
40〜50代で求められる人材は、チームやプロジェクトを先頭に立って進められる「マネジメント能力」です。マネジメント経験や人材育成など、会社全体に貢献できる経験をアピールしましょう。また、未経験職種の場合でも経験をアピールすることは重要です。一般的な企業の構造や仕事の進め方には共通する部分も多いものです。自分が働いてきた分野とは違った職種でも、自身の経験を活かせることでしょう。
一方で、年齢に関係なく転職活動を成功させやすい人の特徴も押さえておくことが大切です。年齢に関係なく転職を成功させる人の特徴は、以下の通りです。それぞれの特徴を自身の現状と照らし合わせて、転職の成功をイメージしましょう。
- 年齢を気にしない
- 報酬や待遇にこだわりすぎない
- 前向きな転職目的を持っている
- 選考準備をしっかり行う
年齢に左右されない仕事を知っておくことも大切
ここでは、年齢に左右されない仕事をいくつか紹介します。転職先を選ぶ際に参考にしてみてください。
介護
超高齢化社会に伴い今後もニーズが高まる分野です。この分野で働くためには、介護福祉士や介護支援専門員などの資格が必要となる場合があります。介護分野に興味のある方や体力に自信のある方におすすめです。
日本語教師
留学生の増加や日本文化への根強い人気もあり、日本語教師の需要は上昇傾向にあります。人に何か教えることが好きな方や海外に興味がある方におすすめです。語学や音声学に関してなど、日本語教育に関する専門的な知識が必要となります。
警備員
責任感が強い人や接客経験が豊富な人に適した職種です。警備員の業務は、施設や工事現場などさまざまな場所で、財産や人の警護など内容も多岐にわたります。資格や経験が重視されないため、転職が比較的しやすい業種といえます。
ドライバー
運転が好きな人や運転が得意な人におすすめです。一般的な仕事内容は集荷、荷積み・荷下ろし、配送・配達、梱包や伝票作成になります。
工事現場
現場仕事の業界は、人手不足により年齢不問で求人募集している企業が多い傾向にあります。体力に自信のある方におすすめです。
調理関係
料理が得意な人や料理に自信のある人におすすめです。最近では、顧客の家に訪問して料理を作る出張シェフという仕事も需要が高まっています。また年齢不問の求人募集が多い傾向にあります。
事務
コールセンターでの仕事や医療事務、マンション管理、経理の仕事など、さまざまな仕事があります。細かい作業が好きな人や事務の経験がある人は即戦力になるため、転職を有利に進められる可能性があります。
清掃員
掃除が好き・得意な人におすすめです。細かい清掃作業に加えて、重いものを持ち上げたり体力も求められる仕事になります。
まとめ
年齢によって企業から求められるものはそれぞれ変わってきます。年齢に関係なく転職を成功させるにはそれぞれの業種を理解し、しっかり準備をすることが欠かせません。本記事で紹介した年齢と転職に関連する内容を自身の年齢に置き換えつつ、年齢をマイナス要因にしないキャリア形成の情報としてお役立てください。
