SaaS企業への転職で知っておきたいポイントは?仕事内容や必須スキルを解説

2024年6月17日

2024年5月27日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

コロナ禍によるテレワークの推奨が追い風となり、近年目覚ましい成長を遂げているSaaS業界。2025年のSaaS市場は、2020年度の約2倍となる1兆5,000億円規模への拡大が予想されており、今後さらなる転職需要の増加が見込まれています。この記事では、SaaS企業への転職で知っておきたいポイントや、転職に必要なスキルについて詳しく解説します。

SaaSとは

SaaSとは「Software as a service」を略した言葉で、クラウドを介して利用できるソフトウェアサービスを意味します。クラウドとはインターネット上でアクセス可能な共有スペースで、誰でも簡単にサービスを利用できる特徴があります。オフィスワークに使用される会計ソフトや勤怠システム、個人向けの動画配信サービス、アプリゲームなど、幅広いサービスがSaaSに分類されます。

SaaS業界が急成長している理由

SaaS市場はクラウドが登場した2006年頃から右肩上がりで成長を続けていますが、最も大きな成長理由と言われるのが、コロナ禍から始まったテレワーク勤務の増加です。在宅勤務が求められる中で、Web会議ツール・業務管理システムをはじめとした「インターネットがあれば、場所に縛られることなくクラウドへのアクセスが可能」であるSaaSの需要が急増。場所や時間を選ばない自由な働き方を推奨する流れも追い風となり、近年稀に見るスピードで急拡大を続けています。

SaaSを導入するメリット

革新的な機能と利便性をもつSaaSは、個人・企業を問わず導入すべきメリットが数多く存在します。特によく言われるメリットは下記の通りで、以前まで主流だったパッケージ販売の弱点をほぼ全て克服していることが分かります。

【SaaS導入のメリット】

  • 定額料金プランが多く、購入費用を安く抑えられる
  • ネット環境があればどこからでもアクセス可能
  • デバイスを問わず使用可能(PC・スマホ・タブレット)
  • 大量の情報を整理して一瞬で共有できる
  • 製品の購入・インストールの手間がない
  • アップデート頻度が多くサポート体制が充実

また、利用料金の安さも多くのユーザーに好まれる要素のひとつ。下記の表を見れば分かる通り、使用頻度や使い方に応じて多彩な料金プランを選べます。

料金プラン内容
サブスクリプション月・年単位で定額料金を支払う使い放題プラン
スポット商品購入やサービス利用のタイミングで料金を支払う
コミッション基本利用は無料で、取引発生時に一定金額を手数料として支払う
フリーミアム基本無料のプランと機能別の料金プランを選べるタイプ

SaaS営業の特徴と注意点

SaaS企業における営業職は、従来のビジネスモデルと比べて仕事の進め方が大きく異なります。従来のクラウドを介さないソフトウェア製品の販売は、売り切り型の営業手法が基本。製品を販売した瞬間に売上が計上されるため、顧客の不満点やクレーム処理はカスタマーサポートに任せきりといったケースが少なくありませんでした。一方でSaaSは、サービスを継続利用してもらうことで売上を積み重ねていく営業手法。強引に売り込んでも利益が見込めないので、顧客との関係構築やアフターフォローがより重要になるのです。

SaaS企業の仕事内容

SaaS企業の職種は、自社のクラウドサービスを作る「開発部門」と、認知拡大および顧客獲得を担う「マーケティング・営業部門」に分類されます。それぞれの職種の役割や仕事内容について詳しく見てみましょう。

SaaSマーケティング

SaaSマーケティングは、集客の入口部分を担う重要な職種です。SNS広告の出稿・ウェブセミナーの開催・無料パンフレットの作成などを担当し、自社サービスを必要としているターゲットへのリーチ獲得を目指します。また、半自動的に潜在顧客を集客できるオウンドメディアの企画・運営を任される場合もあります。施策を企画するときに営業・開発サイドに相談することが多く、他部署と関わることが多いポジションです。

SaaS営業

SaaS営業は、マーケティングチームが集客した見込み客に対してアプローチを行います。一般的な営業とは異なり、仕事内容に応じて営業職種を細かく細分化しているのが特徴です。これは顧客獲得から成約までを担う営業と、契約後の顧客サポートを行う営業で役割が大きく異なることに理由があります。それぞれの職種についてより詳しく見てみましょう。

インサイドセールス

インサイドセールスは、電話・メール・チャット・Web会議ツールなどを駆使して顧客獲得を行う内勤型の営業です。マーケティングから共有された情報を元に顧客が抱える悩みやニーズを割り出し、自社サービスの導入による問題解決を提案。見込み客のアポイント獲得を狙います。多くの見込み客と接点を持ち、成約率が高そうな顧客を厳選してアプローチします。

フィールドセールス

フィールドセールスは、客先を訪問してサービス提案からクロージング(成約)までを担当する外勤型の営業です。自社サービスの強みを提案するだけでなく、訪問時にヒアリングした課題に対して的確なアドバイスも行います。マーケティングとインサイドセールスを経由して見込み客を選別しているので、従来の営業よりも成約率が高いのが特徴です。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、契約後の顧客に対して各種サポートを行う営業です。顧客のクレームや不満点をヒアリングし、サービスを長期的に利用してもらえるように改善を行います。「カスタマーサクセス=(顧客の成功)」の名の通り、クレーム処理や問い合わせ対応のみならず、使いやすさの向上やニーズに応じた新サービスの開発提案も行います。顧客満足度を高めてサービスの解約率を下げることに特化した営業チームです。

SaaS開発

SaaS開発とは、自社サービスの開発に携わるエンジニアチームの総称です。開発領域によってフロント・サーバー・インフラなどの種類に分類され、チーム間で連携をとりながら開発に携わります。既にリリースされたサービスの運用・保守はもちろん、新サービスの立ち上げにも携わる場合があります。エンジニアのキャリアアップ職のひとつである「プロダクトマネージャー(PM)」は、プロダクト全体の設計から進行管理まで広く担当します。

職種仕事内容
フロントエンジニアUI・UX改善や画面デザインなど、ユーザーが見て操作する部分を開発
サーバーエンジニアプログラムの実行・管理といったサーバー内部の処理を担当
インフラエンジニア社内ネットワーク構築やシステム障害の復旧作業などを行う
プロダクトマネージャー企画・採用・納期管理など、サービス開発全体の進捗管理を行う

SaaS企業への転職に必要なスキル

SaaS企業で活躍するためには、クラウドサービスならではの特異性を理解し、的確な打ち手を考える能力が重要になります。ここからは、SaaS企業への転職に必要なスキルを3つのポイントに絞って紹介します。自身の適性やスキル習得の判断材料にしてみてください。

顧客の課題を見極めて解決する力

SaaS業界は顧客の利益を最大化することで売上が生まれるので、顧客の課題を明確化して的確にアプローチできる人が重宝されます。論理的な思考で問題の本質を見極め、自社サービスによってどのように解決できるのかを提示できる人は向いているでしょう。より長くサービスを利用してもらえるように、長期的な視点で提案と改善を繰り返すスキルも必要になります。

データを活用した分析や施策の立案

自社サービスの詳細な利用データを入手できることは、SaaS企業にしかない大きな強み。そのぶん、蓄積されたデータを正しく理解して、分析・改善・提案する技術が求められます。利用者が増えれば口コミや不満点などの声も多く集まるので、優先順位を付けて課題に取り組む要領の良さも必要になります。データ分析から具体的な改善案を出せる方は強みとしてアピールできるでしょう。

チームの枠を超えて協力できる連携力

SaaSは集客からクロージングまでの一貫した流れが重要であり、サービスの成約率・継続率を高めるためには、チーム同士が密に連携をとることが必須条件となります。自分の目標だけ達成できれば良いという考えではなく、ビジネス全体を意識した立ち回りが必要になるでしょう。チームや部署という枠を超え、より広い視野で協力できる協調性やチームワークが求められます。

国内の代表的なSaaS企業を紹介

注目度が高まるSaaS業界ですが、実際にどのような企業が参入しているのか気になる方も多いでしょう。ここからは、国内の代表的なSaaS企業を5つ紹介します。

ラクス

ラクスは、2000年に創業したSaaS業界の先駆者として知られる企業です。クラウド会計ソフト「楽楽精算」をリリース後、経営・経理・人事労務をサポートする様々なサービスを開発しました。時価総額は4358億円と業界トップクラス。クラウド事業のほかIT人材の支援サービスも運営しており、SaaS市場の拡大に多大なる貢献をしています。

マネーフォワード

マネーフォワードは、金融方面に強いクラウドサービスを展開するSaaS企業です。無料で使える家計簿ソフトから大企業向けの会計ソフトまで幅広く取り扱っています。お金の悩みを解決するオウンドメディアを運営しており、一般層に広くリーチできる認知度の高さが強み。SaaSマーケティング支援やAIサポートといった新領域にも積極的に参入して事業を拡大しています。

freee

freeeはクラウド会計ソフトで国内シェアNo.1に輝いたSaaS企業。個人・中小企業のスモールビジネスにスポットを当てることをコンセプトに、「開業届作成サービス」「法人設立用ソフト」「人事労務管理ソフト」などを次々と開発。近年ではオウンドメディアの立ち上げによる集客や認知拡大にも成功しています。新卒・中途問わず幅広い職種で人材を募集している急成長企業です。

Sansan

法人向け名刺管理サービスで有名なSansan。国内市場においては導入企業数8,000以上・シェア率83%と圧倒的な数を誇っています。「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして掲げ、名刺でつながるビジネスSNS「Eight」や、データ集約力に優れた請求書ツール「Bill One」など、ユニークなクラウドサービスも数多く手掛けています。

サイボウズ

サイボウズは、中小企業向けのグループウェア「サイボウズ Office」を筆頭に、オフィス向けクラウド管理ツールの開発を手掛けるSaaS企業です。国内に9拠点を構えるほか、中国・ベトナム・アメリカ・オーストラリアの4ヵ国にも子会社を進出。製品の多言語化展開により、アジア欧米諸国のシェアも獲得するグローバル企業へと成長しています。

SaaS業界の動向と将来性

SaaS業界は2022年現在においても、急速なスピードで市場拡大し続けています。2021年9月1日には、国全体のデジタル化の主導に取り組む「デジタル庁」が発足したことで、今後は公共サービスや行政機関のDX化も強く推進されることが確実になりました。依然として多くの採用ポジションがあるため、転職するには絶好のタイミングといえるでしょう。

一方で参入企業が多くなり、シェアの奪い合い競争が激化している側面もあります。顧客獲得のためには唯一無二の強みが必要になり、大きく業績を伸ばす企業と、競争に負けて撤退を余儀なくされる企業の二極化が進みつつあるのも事実。転職活動をする場合は、市場の移り変わりと企業の動向をチェックしつつ、最適な転職先を見つけられるように立ち回りましょう。

まとめ

今回はSaaS企業へ転職するときに抑えておきたいポイントについて解説しました。変化の激しい業界ですが、今後も市場拡大していくことは確実です。成長市場でキャリアアップしたい方は、SaaS企業に求められる知識・スキルを身に付けて、ぜひ転職に挑戦してみてください。

監修者・水口 香央里

水口 香央里

WEBマーケ ベンチャー⇒LINE株式会社⇒株式会社ユーザベース⇒株式会社Izul
新卒でWEBマーケ ベンチャー企業へ入社。入社後4ヶ月の最短記録でサブマネージャーへ昇格、新人賞を受賞。 退社後はWEB制作・運用業にてフリーで活動。 その後、LINE株式会社へ転職。LINE@サービスの九州拠点立ち上げの第一メンバーとして福岡に拠点を移し、アカウントエグゼクティブとしてLINE法人サービス全般に従事。 2021年にizulの支援を受けてUZABASE、スタートアップ情報プラットフォームINITIAL事業に参画。投資家・大手事業会社向けに導入提案を担当。 ベンチャー・スタートアップの採用支援をより強化すべく、株式会社Izulへ。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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