長所と短所について聞かれることは、もはや面接での定番といえるでしょう。しかし、自分を謙虚に客観視することで短所は簡単に言語化できても、長所を導き出すのに苦労する、という方もいるのではないでしょうか。長所を答えられないと、面接官には「自分に自信がない人」「ネガティブな人」と捉えられてしまうかもしれません。
今回は、面接で長所を聞かれたときの答え方について、代表的な例などを参考にしながら解説します。自分の長所を見つけられない場合の対処法についても触れているので、面接対策にぜひ本記事を活用してください。
面接で伝えられる代表的な長所の例
面接で答える主な長所の例は、以下の通りです。それぞれの答え方についても簡単にまとめているので、参考にしてください。
長所 | 答え方 |
---|---|
真面目 | 地道な作業だとしても真面目に取り組む |
協調性がある | チームメンバーの意見にも耳を傾けながら、協調性を大切にして業務に取り組める |
責任感がある | 自分に与えられた業務や役割は、責任感を持って最後までやり遂げる |
前向き | 常にポジティブ思考で物事を捉えられる |
コミュニケーション能力が高い | どんな人とでも分け隔てなくコミュニケーションが取れるので、チーム単位での業務を円滑化することができる |
集中力がある | 一つの業務に没頭することが得意であるため、正確さも含めて質の高い成果を出せる |
忍耐力がある | 困難な課題に直面しても、自分の欠点や未熟な部分と向き合いながら解決に向けて地道に行動できる |
気配りが得意 | 周囲の状況を見て、適切に配慮することが得意 |
素直 | 謙虚に周囲の助言を受け入れ、真摯に向き合うことができる |
そもそもなぜ長所を聞かれるのか?
企業は長所を聞くことで、求職者が自社の社風や業務内容に適性があるかを判断します。
例えば、単純作業の多い事業において「集中力がある」という長所は企業にとって魅力です。複数のプロジェクトをチーム単位で動かす企業の場合は、コミュニケーション能力が高い人材を求めるでしょう。このように、自社の業務や社風に適した長所があり、かつそれを自分で理解できているか判断する目的で、面接時の質問に組み込まれています。
また、単純に「どんな人なのか」という人となりを知るために長所を聞く場合もあります。これから一緒に働くかもしれない人材に対し、興味を持って聞いてくれる企業も多いでしょう。
長所の答え方を例文で解説
実際に長所を答える際はどのような言い回しが良いのでしょうか。ここでは「集中力がある」「コミュニケーション能力が高い」を例に挙げて紹介します。
「集中力がある」を長所として答える例文
私は、一つのことに対して集中力を発揮できる人間です。単純作業を効率的にやり切ることはもちろん、課題分析や課題解決の施策立案など、目の前で起きているタスクに対する集中度には自信があります。業務における「クオリティ」という観点では期待に応えられると自負しております。
「コミュニケーション能力が高い」を長所として答える例文
私は、どんな人とでも分け隔てなく接することが得意です。そのため、チーム単位で複数のプロジェクトを遂行する御社での業務に、活かせる能力ではないかと感じています。過去にも、チームメンバー同士の関わりが希薄なプロジェクトにおいて、率先して間を取り持つことで雰囲気の良い空間を作り出せたことがあります。
長所を答える際は、過去の経験や短所としての側面などにも触れておくことが大切です。どこかからそのまま持ってきたような文ではなく、あくまで自分の経験などにフォーカスした言い回しを意識しましょう。
「長所」と「強み」は違う?
「長所」と混同しやすい「強み」は、主に仕事での経験を通じて身につけたスキルのことを指します。もしくは、仕事における成果を出すことにつながるスキルともいえるでしょう。対して長所は、その人が元来持っている「人間性」に近いものです。プライベートの観点でもあることなので、それをどう仕事に置き換えるかが鍵となるでしょう。
長所を聞かれたときの答え方は?
実際に面接で長所を聞かれた際は、どのように答えるべきでしょうか。どんな長所にも共通した基本的な答え方を紹介します。
まずは結論から伝える
結論を先に伝えないと、面接官に「結局この人は何を言いたいのか」と感じさせてしまいます。まずは結論から伝え、そのうえで長所に関するエピソードを深掘りするようなイメージです。
最初に伝えた長所に基づく経験を話す
長所が何か伝えた後は、過去の経験に基づくエピソードを織り込みましょう。単に「ここが長所です」とだけ答えてしまうと、本当に自分のことを理解できているのかと疑問に思われてしまいます。
間違った長所の伝え方
自分の長所を理解していたとしても、伝え方を間違ってしまっては結果に繋がりません。以下で挙げるポイントを理解し、正しい伝え方を意識してください。
長所と企業のメリットとの相関性が薄い
例えば、チームメンバーでコミュニケーションを取りながら業務を進める企業を志望したとします。しかし、長所を答える際に「自分に与えられた業務に没頭するのが得意」と伝えてしまうと相関性が薄く、その長所を活かすことは難しいのでは?と判断される恐れがあります。
長所を伝える際は、面接を受ける企業もしくは業務について理解したうえで、自身の中で当てはまる長所をピックアップしましょう。
結論を最後に答えてしまう
結論が何かわからないまま長々と話してしまっては、面接官が興味を持ってくれません。
「私の長所は○○です。なぜなら〜」このような形で、自身の長所について「深掘り」するような伝え方を意識しましょう。
新卒と転職の違いを理解せずに答えている
新卒の場合は、どちらかというと過去の人生など、その人の内面につながるようなエピソードが求められます。また、長所を活かして今後どうなっていきたいかという、学生から社会人への変化を想像させるような伝え方が重要です。
転職の場合は学生時代の感覚ではなく、過去に勤めていた(もしくは選考時点で勤めている)企業での実績や評価に触れたうえで長所を伝える必要があります。過去の経験を、今後の仕事にどう活かせるのか?というビジネス寄りの観点が重要です。
自分の長所が思いつかないときのポイント
自分に自信がなかったり、セルフマネジメントが苦手だったりすると、思うように長所が浮かびません。以下に挙げるポイントを参考に、自分の長所を見つけ出してください。
友人や家族から客観的な意見をもらう
自分と親しい人物に「長所は何か」と聞いてみましょう。第三者からの意見は、面接時により客観的に答えるうえでも役に立ちます。
過去の成功や実績を思い出す
自分の行動がきっかけで成功したプロジェクトなどを思い出してみましょう。何が原因で成功できたのか?を分析することで、長所が導き出される場合があります。
自己分析ツールを活用する
インターネット上で活用できる自己分析ツールで、自分が理解しきれていない自分自身を発見できます。客観的な視点で長所を理解するうえでも活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
自分の長所は、面接で必ずといっていいほど聞かれる質問です。どのような長所があるのかということだけでなく、長所に基づいたエピソードも必要になります。自分の長所がわからない場合は、第三者の意見や過去の経験、自己分析ツールのデータを参考にしましょう。今回紹介した「正しい長所の伝え方」とあわせて、面接時の対策を取りましょう。