アクションプランは、企業における事業目標達成のための行動を、誰がいつまでにどのように行うのかを示すものです。事業目標を策定するだけではなく、目標達成に向けて効率的に行動できるようにアクションプランを立てる必要があります。
また、定期的な進捗の確認や、プランそのものを見直すことも重要です。本記事では、アクションプランの立て方やメリット、実行する際のポイントなどについて詳しく解説します。
アクションプランとは
アクションプランとは、日本語で「行動計画」を意味する言葉です。事業を行う際は、事業計画の内容に基づき、担当部門別に事業目標を定めます。そして、各部門ごとに次を定めたものがアクションプランです。
- 誰が
- いつまでに
- 何を
- どのように行うのか
事業計画にはさまざまな職種の人や取引先が複雑に関係するため、目標を達成するためには個々がアクションプランを立て、目標に向かって効率的に行動する必要があります。
アクションプランを立てるメリット
アクションプランを当たり前に立てている企業もあれば、業務効率やモチベーションの問題に気づき、これからアクションプランを立てることを検討している企業もあるでしょう。ここでは、アクションプランを立てるメリットについて解説します。
優先順位が明確になる
アクションプランを作成すると、取るべき行動の優先順位が明確になります。例えば、A作業を行うためにC作業が必要である場合、アクションプランを立てずに業務を始めると、先にA作業に取りかかってしまうケースがあります。この場合、業務の途中で先にC作業をやるべきだったことに気づき、やり直すことになります。
また、優先順位が明確になるだけではなく、事業目標の達成において不要な業務も明確になります。
必要な人的・時間的リソースが明確になる
アクションプランを作成すると、目標達成に必要な人材と時間が明確になります。知識やスキル、ノウハウや経験などの条件を満たした人物に業務を割り振れるようになるでしょう。また、別の業務を圧迫しないか、精神的な負担が大きすぎないかといったリスク面も考慮しやすくなることで、社員から不満が出にくくなります。
モチベーションアップにつながる
アクションプランを作成すると、行うべき業務と意義が明確になります。自分が何のために働いているのかがわからない、本当に役に立っていることを実感できないと、モチベーションが下がるケースも多くあります。アクションプランの作成で行うべき業務と意義が明確になれば、モチベーションアップにつながるでしょう。
利益を効率的に出せるようになる
アクションプランを作成すると、行うべき業務と必要なリソースが明確になるため、効率的に行動できるようになります。結果、利益を効率的に得られるようになるとともに、残業時間の減少にもつながります。人件費を削減しつつ利益が上がることは、企業にとって大きなメリットです。また、残業時間が減ることで私生活と仕事のバランスが改善し、メンタルヘルスにも良い影響が及ぶ可能性があります。
アクションプランを立てるときのポイント
アクションプランは具体的に立てる必要があります。「○○までにA社から信頼を得るようにする」といった抽象的なプランでは、社員はどのように業務を行えばよいのかが理解できません。アクションプランを立てるときは次のポイントを押さえましょう。
定量的な要素で目標を決める
アクションプランでは、社員に対して目標をわかりやすく伝える必要があるため、数値目標のような定量的な要素を活用しましょう。例えば「○月までに利益を120%に増やす」「見込み客を30人獲得する」といった数値を使用することで、目標が明確になります。
「会社を成長させる」「取引先を増やす」といった抽象的な目標では、社員はどのように行動すればよいか理解できません。
数字に具体的に落とし込む
作成したアクションプランの数値目標は、作成後に業務へと落とし込みましょう。例えば「12月までにWebサイトから見込み客を30人獲得する」が目標の場合は、具体的な行動として「10月までにWebサイトを完成させて、プレスリリースを打つ」「予算30万円でコンテンツを作成する」というように、最終目標を達成するための目標を定めていきます。
このとき、1週間・1ヵ月・四半期など、細かく区切って落とし込むことで進捗管理しやすくなります。
自社のパフォーマンスを踏まえて立てる
アクションプランを実行したくても、最適な人材が社内にいないケースがあります。自社のパフォーマンスを踏まえて、現実的に実現可能なアクションプランを作成することが大切です。また、計画実行のために人材を雇用する場合は、いつまでに採用するのかも決めましょう。
アクションプランを実行するときのポイント
アクションプランに基づいて社員が適切に行動し、目標を達成できるかどうかには、進捗管理や目標の調整が深く関係しています。アクションプランを実行するときのポイントについて詳しくみていきましょう。
定期的に進捗を確認する
アクションプランに沿って行動できているかどうかや、目標達成の進捗を定期的に確認する必要があります。効率的に行動できるようになるとしても、社員のモチベーションは常に高いとは限りません。また、小さな問題が積み重なることで進捗が悪くなるケースもあります。定期的に進捗を確認し、フォローすることが大切です。
目標は状況に応じて調整する
市場の変化やトレンドなど、さまざまな要因によってアクションプランの正確性が低下します。内的・外的要因を踏まえ、目標は随時調整しましょう。作成し直すか、部分的に変更するかの判断も誤らないように注意が必要です。
アクションプランの妥当性を定期的に確認する
アクションプランが現実的に実現できるかどうか、定期的に確認しましょう。退職者や新入社員などによるメンバー構成の変化によって、アクションプランの実行が難しくなる場合があります。定期的にアクションプランの妥当性を確認し、必要に応じて修正することが重要です。
まとめ
アクションプランは、事業計画の達成を最終目標とし、個々が取るべき行動やその期限を定めたものです。内容が不確実だと事業計画の達成も困難になるため、内容を十分に検討する必要があります。また、内的・外的要因によってアクションプランの妥当性、正確性が低下する場合もあるため、定期的に見直すことが大切です。