外回りや別件での応対中に電話がかかってきて出られなかった場合、折り返し連絡することが一般的なマナーです。しかし、折り返すときにどのようなことに気をつければよいかを把握している方は少ないのではないでしょうか。
今回は、折り返し電話の基本的なマナーや折り返しが必要なシチュエーションについて解説します。相手に好印象を与える折り返し方やイレギュラー事例についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ折り返し電話はマナーが大切なのか?
電話がかかってくるということは、相手が急いでいる可能性があります。また、メールなどで文章にして伝えづらい大切な伝言がある場合もあるため、上司や取引先から不在着信が入っていた際は、必ず折り返しましょう。
近年、メールやチャットで連絡を取り合うことが一般化しており、電話連絡の頻度が少なくなっている企業も多いでしょう。だからこそ「わざわざ電話をかけてくる」ことに緊急性があると捉えることが大切です。
不在着信があったにもかかわらず折り返し電話を怠ってしまうと、プロジェクトの遅れやトラブルに発展する可能性があります。折り返し電話がなく何らかのトラブルが発生すると、それだけで取引先との関係性が悪化する恐れもあります。
相手がなぜ電話をかけてきたのかということに意識を向け、不在着信があった際はすぐに折り返し電話をかけましょう。
電話の折り返しに関する基本的なマナー
折り返し電話をかける際は、以下に挙げるマナーについて把握しておくことが大切です。
- 電話の前に情報を整理しておく
- できるだけ静かな場所からかける
- 折り返しになったことを謝罪する
- 折り返しの時間帯に注意する
- 折り返しまでの時間は空けない
電話の前に情報を整理しておく
折り返し電話をかける前に、電話先の相手について改めて整理しておきましょう。取引先が一社のみでない場合は、取引先ごとの情報が混在してしまうことも考えられます。
また、留守電が入っている場合は、内容を確認し相手のメッセージに対する回答をあらかじめ用意してからかけ直しましょう。折り返しになっているにもかかわらず、相手に再度同じ説明をさせてしまうのはマナー違反と捉えられる可能性があります。
できるだけ静かな場所からかける
出先など、人の流れが多いところでかけ直すことは避けましょう。周囲の会話や車の音などが入り込むと、スムーズに会話ができず結局時間を改めることになりやすいためです。
もし一日中外出している場合は、出先のため連絡が遅れるといった旨のメールを送っておきましょう。どうしてもすぐにということであれば、できるだけ静かなスペースを探してかけ直してください。
折り返しになったことを謝罪する
電話の相手は、貴重な時間を使ってこちらに電話をかけてきます。折り返しになった際はまず、折り返しの電話になってしまったことを謝罪しましょう。そのうえで、先方の意向を汲んでこちらから話題を切り出し、スムーズな流れで話を進めていければ失礼に思われることはありません。
折り返しの時間帯に注意する
折り返し電話はただ掛け直せば良いというわけではありません。就業時間外や昼休憩時、深夜帯などにかけ直すことはかえって失礼にあたります。折り返す時間が遅くなってしまいそうであればその旨をメールなどで伝え、先方の都合が良い時間を事前にヒアリングしておきましょう。
折り返しまでの時間は空けない
不在着信には、できるだけすぐ対応することがマナーです。できるだけ時間を空けず、すぐに掛け直しましょう。もし遅くなってしまう場合は先ほども触れたように、謝罪や時間の調整といった観点で十分に配慮したうえで折り返してください。
折り返し電話が必要になるシチュエーション
ここでは、折り返し電話がどのような場面で必要になるかをまとめています。
相手が電話に出られなかったとき
そもそも「折り返し」とは、電話をかけた側が使用する言葉です。電話をかけて相手が出られなかった場合に「お手数ですが折り返しお電話をいただけますでしょうか」と、こちらから提案することが一般的です。
相手からの電話に出られなかったとき
来客などを理由に相手からの電話に出られなかったときにかけるのが、もっとも一般的な折り返し電話のイメージかもしれません。折り返し電話におけるマナーを再確認し、こちらから掛け直しましょう。
留守電にメッセージが残っていたとき
急ぎの用事や大切な用事の場合は、電話の相手が留守電メッセージを残してくれる場合があります。留守電が残っていたら内容をしっかり確認し、回答などを用意したうえで折り返しましょう。
好印象を与える折り返し電話の受け方
折り返し電話の対応時は、相手に不快感を与えないよういくつか意識しておくべきポイントがあります。
明るい声で話す
電話は顔が見えないため、声のトーンを明るくしないと相手に対して良い印象は与えられません。普段の話し声よりもワントーン上げて話すように心がけましょう。また、電話口でも笑顔で話すことを意識してください。笑顔で話すと自然に口角が上がり、声が明るくなります。相手にも笑顔で話しているイメージを与えることができ、スムーズにコミュニケーションがとれるでしょう。
ただし、クレーム対応や緊急連絡など、明るく話すことが適切ではない場合もあります。電話の状況に合わせて、声のトーンや電話口の表情を臨機応変に変えることが大切です。
話すスピードや指示語を意識する
電波状況などによっては聞き取りにくくなるため、できるだけ聞き取りやすい話し方、スピードを意識することが大切です。また「あれ」や「その」などの指示語が多いと、何の話なのか分かりにくくなってしまうため避けましょう。
丁寧な言葉遣いを心がける
折り返し電話が発生することそのものが、相手に余計な時間を使わせているともいえます。謝罪を伝える意味でも、正しい言葉遣いを心がけて丁寧に話しましょう。
折り返し電話に関するイレギュラー事例と対応
相手からかかってきた電話に対応するだけではなく、以下で紹介するイレギュラーなパターンにも対応できるよう準備しておくことが大切です。
折り返し電話がつながらなかった
掛け直してもつながらなかった場合は、すぐに諦めるのではなく時間をおいて2〜3回ほど掛け直しましょう。ただし短時間のうちに何度も掛け直すのはマナー違反のため注意が必要です。留守電につながる場合は、再度掛け直す旨を伝えるか、こちらの都合が良い時間を伝えて再度折り返しを依頼しましょう。
こちらから折り返し電話を依頼することになった
電話をかけたタイミングで、相手の都合が悪い場合もあります。その場合は、こちらの都合などを伝えたうえで「再度折り返していただくことは可能でしょうか」と打診しましょう。
再度折り返すことをお願いされた
折り返し電話がつながっても、先方のタイミングが悪い場合もあるでしょう。再度折り返しを依頼されたら、掛け直しを希望する時間帯について事前に確認してください。何度もかけ直すことがないよう、最初の電話の段階で配慮しておくことが大切です。
まとめ
今回は、折り返し電話に関するマナーや注意点について解説しました。
仕事をしていると、取引先や上司からの電話に出られず、折り返しになってしまうことは少なくありません。折り返し電話をかける際は、まず謝罪の意思を伝えることを前提に、会話がスムーズに進むよう事前に情報などを整理しておきましょう。
また今回は、折り返し電話に関するイレギュラー事例や対応方法についても解説しています。ビジネスマナーの基本である電話応対を、スムーズかつ失礼のないよう実施するために本記事の内容をぜひ参考にしてください。