IT業界の需要が高まる昨今、エンジニアとして活躍することを目指している人も多いことでしょう。エンジニアを目指すうえで、何か資格があったほうが良いのでしょうか。
今回は、エンジニアが取得するべき主な資格を14種類紹介します。資格それぞれの特徴も解説しているので、エンジニアとしてのキャリアを固めるうえでの参考にしてください。
エンジニアが資格を取得するべき理由
結論から言うと、エンジニアになるための特別な資格は必要ありません。企業に在籍する場合、ある程度のスキルさえ保有していれば、応募条件に「資格取得」がなくても就業できます。
しかし、資格を取得しておくことで対外的なアピールに役立ちます。資格がない状態と比較して、採用される可能性も高まるため資格取得はおすすめの選択肢です。
また、企業が推奨する資格を取得できれば資格手当がつくこともあります。自身にとってもメリットになるため、取得できる資格があれば事前にとっておくとよいでしょう。
エンジニアにおすすめの資格一覧
エンジニアが取得しておくべき資格は、IT系・スペシャリスト系・マネージャー系に分類され、さまざまな種類があります。分類ごとの主な資格をまとめているので、以下の表を参考にしてください。
IT系 | スペシャリスト系 | マネージャー系 |
ITパスポートマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)基本情報技術者応用情報技術者 | 情報セキュリティスペシャリストシステムアーキテクトエンベデッドシステムスペシャリストネットワークスペシャリストデータベーススペシャリスト | ITサービスマネージャプロジェクトマネージャITストラテジストシステム監査技術者情報処理安全確保支援士 |
次の項目からは、エンジニアにおすすめの資格別の概要を紹介しています。自身が取得すべき資格を選定するうえでの参考にしてください。
エンジニアにおすすめのIT系資格
まずは、エンジニアにおすすめのIT系資格について、それぞれの特徴を紹介します。
ITパスポート
ITに関する基礎知識が備わっていることを証明できる国家資格です。ほかのエンジニア系の資格と比べて、初心者でも取得しやすい資格に分類されています。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
ExcelやWordなど、マイクロソフト社の製品における利用スキルを証明できる資格です。世界共通で実施されている資格試験であるため、ほとんどのIT企業に対してアピールできます。
基本情報技術者
エンジニアに必要な、基本的な内容を網羅した試験で取得できる資格です。取得難易度は高くないため、未経験に近い状態からエンジニアを目指すきっかけとして取得するのもおすすめです。
応用情報技術者
応用情報技術者は、基本情報技術者で学んだ内容をより深掘りした知識を測るための資格です。基本情報技術者と比べて取得難易度が高いため、ある程度エンジニアの経験や知識がないと難しいといえます。基本情報技術者の資格を取得した次のステップとして取り組むのが一般的です。
エンジニアにおすすめのスペシャリスト系資格
ここでは、エンジニアが取得しておくと有利になるスペシャリスト系資格について解説します。
情報セキュリティスペシャリスト
より高いレベルのITスキルを保有していることを証明できる資格です。信頼度の高い専門分野の知識を必要とするため、取得難易度は高くなります。特定の分野に特化したエンジニアを求めている企業をターゲットにする際、アピール材料として有効活用できます。
システムアーキテクト
IT技術を用いたシステム開発に関連する資格です。情報システム・組込みシステム・IoTシステムの開発に必要な要件を定義し、実現するためのエンジニアを対象としています。
エンベデッドシステムスペシャリスト
組み込みシステムにおける、高度な知識とスキルをもって取得できる資格です。IoTなど、組み込みシステムのスペシャリストであることをアピールできます。専門分野のスペシャリストであることを証明する資格であるため、取得難易度は高めです。
ネットワークスペシャリスト
大規模かつ堅牢なネットワークを構築するためのスキルが求められる資格です。試験範囲も幅広く、要件定義・設計・構築・運用・保守における専門的な知見がなければ取得できません。
データベーススペシャリスト
DBエンジニア向けの資格で、取得難易度も高めです。昨今需要が高まっている、ビッグデータ・データサイエンス領域における分析基盤のノウハウが求められます。
エンジニアにおすすめのマネージャー系資格
最後に、エンジニアとしてのキャリアを積んでいくうえでおすすめのマネージャー系資格を紹介します。
ITサービスマネージャ
高度なIT人材として確立した、専門知識を有したエンジニア向けの資格です。サービスの計画立案・設計・移行・提供・改善につながる資源を確保・指揮し、管理することが求められます。管理者としての高いスキルや適性が必要となるため、資格取得は難しい部類に入ります。
プロジェクトマネージャ
プロジェクト全体を管理するエンジニアを対象とした資格です。プロジェクトの実行と管理を、予算やスケジュールに基づいて円滑に進めることが求められます。
ITストラテジスト
経営戦略に基づいた、IT戦略の策定に関する知識が求められる資格です。製品やサービスの創出を通じ、ビジネスの成功を実現することが求められます。ITストラテジストはエンジニアだけでなく、ITコンサルタント・CIO・CTOにもおすすめの資格です。エンジニア関連の資格では最高難易度の資格に該当します。
システム監査技術者
システム管理者やセキュリティ担当者に向けた資格で、論文試験などもあるため難易度の高い資格として知られています。IoTの普及により、組み込みシステムの監査の需要が高まったことで注目され始めた資格です。
情報処理安全確保支援士
システム監査技術者と同様、セキュリティ担当者が取得しておくべき資格のひとつです。国内で受験できる「サイバーセキュリティ人材向け」の資格としては、最高難易度のものとして知られています。日本で初の「士業」の資格であり、合格できれば一般公開される名簿に「登録セキスぺ」として氏名を登録できます。
まとめ
今回は、エンジニアを目指すうえで取得しておくべきおすすめの資格について解説しました。
エンジニアは資格がなければできない仕事ではありません。しかし、取得しておくことで選考が有利になったり、就業後に業務をスムーズに進めることができたりとメリットが豊富です。
エンジニアが取得しておくべき資格は多岐にわたるため、今回紹介した資格を参考に、自身に適した資格を探してみてください。