ファシリテーターとは?役割や適性、会議を進行する際のポイントを解説

2022年11月21日

2024年3月15日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

会議などをよりスムーズに進行するための支援を行うファシリテーター。近年耳にすることの増えた言葉ですが、その詳細までは把握していないという方も多いでしょう。
今回はファシリテーターについて、主な役割や注目される理由について紹介します。ファシリテーターが実際に会議を進める際に必要なことや、ファシリテーターに向いている人材についても解説します。
自社の人材からファシリテーターを輩出したい、自分がファシリテーターに向いているのか確認したいという方はぜひ参考にしてください。

ファシリテーターとは

ファシリテーターは、ビジネスシーンにおける会議などの場を、より効率的に進めるためのポジションです。1970年代にアメリカのビジネスシーンで誕生し、日本でも浸透し始めました。会議ごとにメンバーが進行を担当するのではなく、進行を専門業務としている点が特徴です。会議だけでなく、プロジェクトや研修、セミナーといった場面でも活躍します。
そもそもファシリテーターとは、どのような意味の言葉なのでしょうか。ファシリテーターは、会議などをサポートする意味合いを持った「ファシリテーション」からきています。単に進行するだけでなく、会議そのものをより有意義にするため活躍が期待されているポジションといえます。

ファシリテーターの役割

ファシリテーターには会議をよりスムーズに進行するだけでなく、会議の「質」を向上させることが求められます。議題解決や新たなアイデアの創造といった、単なる進行役に止まらない活躍が期待されています。そのため、会議の段取りだけでなく、参加する従業員の思いや関係性などを理解しておく必要があります。
また、参加者が意見を出しやすい雰囲気作りもファシリテーターの役割です。とはいえ、ファシリテーター自身が会議に参加し、意見を出してしまうことは避けましょう。あくまでも中立的な立場で、有意義な会議の時間を作り出すことが、ファシリテーターに求められる役割です。

なぜファシリテーターが注目されるのか

会議における進行役の不足や、参加者に依存した会議の多発によりファシリテーターが注目されています。人員不足に悩む企業も多い中、会議進行を担う適性人材がいないまま会議を進行する企業も少なくありません。無理やり司会を立てたとしても、結局はうまく舵取りすることができず、流れに飲まれてしまうこともあるでしょう。
また、参加者の発言が前提となってしまう場面が多いことも、ファシリテーターが求められる理由です。いわゆる「流れ」に任せた会議になってしまい、着地点がわからないまま時間だけが過ぎていくという会議も少なくないでしょう。
ファシリテーターは、上記に挙げたような背景から多くの企業で求められています。従来の会議における質の問題を改善するため、大きな期待が寄せられています。

司会・ネゴシエーター・リーダーとの違い

ファシリテーターと似た概念に、司会・ネゴシエーター・リーダーがあります。それぞれの役割はファシリテーターと混在しやすいので、以下に違いを挙げています。

  • 司会:会議の参加者に発言を促すことはしない
  • ネゴシエーター:あくまでも「交渉」がメインの業務
  • リーダー:チームや会議の責任者に該当するため、問題発言の精査や意見をまとめることが仕事

いずれもファシリテーターとは似て非なるものです。会議の質を向上させるためにファシリテーターの参加を検討する場合は、上記との違いも理解しておきましょう。

ファシリテーターが会議の準備を進めるコツ

実際に自身がファシリテーターに任命された場合、会議をスムーズに進めるための準備が必要です。ここでは、ファシリテーターが会議前に実施しておくべき準備について紹介します。

会議の着地点を定めておく

参加者はファシリテーターがいることで、ある程度の安心感を持って会議に参加します。会議をどう着地させるか、ファシリテーターの視点で考えておくことが大切です。もし会議の着地点がわからない場合は、リーダーポジションの人材と事前に話し合っておきましょう。

会議の進め方・ルールを共有しておく

設定した着地点に向かうために、どのように会議を進行しておくか考えておきましょう。会議中のルールを設定し、参加者に掲示しておくことも大切です。進め方やルールを定めておかないと、ファシリテーターがいないようなまとまりのない会議になってしまいます。ファシリテーターに求められる結果を理解したうえで、会議に臨みましょう。

会議のシミュレーションを実施する

着地点や進め方、ルールを設定したら、実際に会議のシミュレーションを実施しましょう。数名に協力を仰ぎ、ロールプレイングの実践もおすすめです。特に、初めてファシリテーターとして会議に参加する場合は、イレギュラーにも対応できるようシミュレーションは必須です。

ファシリテーターが会議中・会議後に行うこと

ここではファシリテーターが実施すべきことを、会議中と会議後に分けて紹介します。

会議中にすべきこと

会議をはじめる前に、参加者全員でアジェンダを確認してください。会議の目的を共有するとしないとでは、質がまるで異なります。会議中はあくまでも、中立の立場になって傾聴することを忘れてはいけません。参加者の意見を十分に引き出せるような、雰囲気づくりを意識しましょう。できるだけ参加者全員が発言できるように、気を配ることも大切です。
また、会議中は議事録をとることも忘れないようにしましょう。議事録は会議参加者だけでなく、ファシリテーターにとっても必要なものです。

会議後にすべきこと

会議終了後は、議事録を必ず共有しましょう。共有までの時間が空いてしまうと、参加者の熱意が冷めてしまう可能性があります。ただし、議事録の内容をしっかり確認し、相違がないことをリーダーと確認してから共有するようにしましょう。
また、ファシリテーターとしての進行がどうだったか、参加者に評価をもらうことも大切です。発言しやすい空間だったのか、進行内容に不備はなかったのか、次回の会議に活かせるようにしっかりヒアリングしておきましょう。

ファシリテーターに適した人材の特徴

ファシリテーターにはさまざまな役割が求められるため、適性のある人を任命する必要があります。ここでは、ファシリテーターに向いている人材の特徴を紹介します。ファシリテーターを目指す方にとっても重要な内容なので、ぜひ参考にしてください。

周りの意見を尊重できる

参加者の意見に対して、中立の立場で耳を傾けられるかどうかが大切です。私情が入ってしまっては本末転倒です。自己主張の強い人間、もしくは主張することで何かを変えたいという人間は、ファシリテーターに向いていないでしょう。

自信を持って発言できる

自己主張は不要とはいえ、自信を持って進行できなければ参加者が不安になってしまいます。中立的な立場で意見をまとめるためにも、ある程度の自信が必要不可欠です。目上の人間に忖度しない、強気の姿勢も大切です。

時間管理能力がある

会議の進行において、時間にルーズなのはご法度です。ファシリテーターが間に合わなければ、会議自体がストップしてしまいます。自分が会議の舵を握っていることを自覚し、ファシリテーターとして臨みましょう。

会議をデザインできる

会議のスタートからゴールまでを適切にシミュレーションする能力が必要です。事前準備である程度カバーできるものの、本番の状況に合わせて会議をコントロールする力が求められるでしょう。どういう会議がしたいのか考えを固めてデザインしておけば、仮に話が脱線しても自然な形で軌道修正できます。

人のタイプを見分けられる

会議に参加している人たちが、どのような特性を持っているか見分ける必要があります。人によって質問の方法を変える必要もあるでしょう。また「その人がなぜこう発言したのか」を中立の目線で考えることも大切です。

共感性が高い

参加者の考えに共感したうえで、質問することが大切です。ただ質問して回答を得るだけでは、機械的な会議になってしまいます。参加者の気持ちに寄り添えるかどうかで、会議の雰囲気や内容は大きく変わるでしょう。

ファシリテーターの配置で得られるメリット

ファシリテーターを配置することで、会議のゴールが明確になります。仲介役がいることで、発言しやすくなる点もメリットです。発言しやすい雰囲気を作ることができれば、思いもよらないアイデアが創出されることもあるでしょう。新しいアイデアに対する合意が得られやすい雰囲気も、ファシリテーターによって生み出すことができます。
また、会議進行の時間管理が適切になるのもメリットです。シミュレーションをベースにタイムテーブルを組むことで、無駄のない会議ができるでしょう。

ファシリテーターが抱える課題は?

そもそもファシリテーターに適している人材が不足している企業も少なくありません。仮に人材を確保できても、ファシリテーターに負担が集中してしまうことも問題です。
また、ファシリテーターがある程度の進行力を持っていないと、会議自体の質が下がってしまいます。ファシリテーターの技量に依存しがちなことも、問題点として挙げられるでしょう。
ファシリテーターを導入する場合は、まず複数人の候補を選出しましょう。会議進行におけるサポートポジションを用意するのもおすすめです。適性人材を複数人集めて、ファシリテーター自体をローテーション制にするのも良いかもしれません。

まとめ

会議進行における課題を解決するために重要な役割を果たす、ファシリテーターというポジション。会議そのものの質を向上させる役割が期待できるため、重要な会議では必須です。
またファシリテーターにとっても、会議進行を通じてさまざまなスキルや視野が身につきます。事前準備や会議後の作業などを丁寧に実施し、ファシリテーターとしてのスキルやキャリアを磨きましょう。ファシリテーターは企業のプロジェクトを円滑に進めるための重要な役割です。ただし、ファシリテーターだけに負担が集中する可能性も少なくありません。
自社でファシリテーター制度を取り入れる場合は、ファシリテーター・会議参加者いずれも負担なく会議に参加できるよう配慮しましょう。

監修者・座間 智也

座間 智也

原宿で美容師 ⇒ リーフラス株式会社 ⇒ 株式会社スポーツフィールド
サッカー選手になる夢を断念し、美容師からキャリアをスタート、2社目では当時史上最短の入社8ヶ月でリーダー昇格、3年目の25歳で当時社員600名弱の会社で支店長として従事。その後、人材紹介会社へ転職し、入社4年で東日本エリアのマネージャーとして6拠点のマネジメントを経験。現在は個人として4つの事業運営を行いながら、Izul でキャリアアドバイザーとして従事。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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