営業担当として成果をあげるためには、どのようなスキルが必要か把握することが大切です。しかし、営業担当に必要なスキルを把握しきれていない方も多いでしょう。
今回は営業職に転職するうえで求められるスキルと、それぞれの概要について解説します。営業職へ転職した後にも役立てられる、営業スキル会得・向上の方法も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
営業担当に必要なスキル
営業担当に求められるスキルの代表例は、以下に挙げる11種類です。
- コミュニケーション能力
- ヒアリング力
- 交渉力
- 課題発見能力
- 対応力
- セルフマネジメント能力
- 論理的思考力
- マーケティング力
- ストレス耐性
- クロージング能力
- 人脈構成力
それぞれがどのようなスキルで、営業の仕事にどう活かされるのかを解説します。
コミュニケーション能力
営業担当者には、クライアント企業の担当者と円滑に会話を進められるコミュニケーション能力が必要不可欠です。外交的かつスムーズに会話できることも重要ですが、クライアントとの意思疎通を齟齬なく行えるコミュニケーション能力が求められます。また、クライアント企業だけでなく、社内の人間と上手く連携するためにも、円滑なコミュニケーションを意識する必要があります。
ヒアリング力
クライアント企業に対して商談を進める際に、クライアントのニーズを聞き出すヒアリング能力が最も重要です。ヒアリングの際に聞き出す項目は、質の良い商談なのか、可能性・見込みを見極めるうえで参考にできる指標を活用しましょう。予算(Budget)・決裁権(Authority)・必要性(Needs)・導入時期(Timing)・競合(Competitor)の5種類の指標は「BANT+C」と呼ばれており、営業スキルとして重視されています。
交渉力
クライアントのニーズに応じた提案を行ううえで、交渉力は必須です。自社サービスをアピールしたうえで契約までつなげることはもちろん、納期・価格・仕様の調整が求められます。また、クライアント企業の利益を優先しすぎず、自社の利益も意識した交渉を行うことも大切です。
課題発見能力
営業において重要なヒアリングや交渉は、クライアントの課題を的確に発見することが前提です。クライアントが抱えている課題を事前に理解しておくことはもちろん、クライアント自身が把握していない課題を、第三者の目線から導き出すことも求められます。漠然とした悩みを打ち明けて来るクライアントも多いと想定し、聞き出した情報から「想像」し、根拠のある「事実」として課題を抽出しましょう。
対応力
営業活動を進める中で、クライアントの要望や状況の変化は珍しいことではありません。変化に対して敏感になるのではなく、ニュートラルな感情をキープしつつ的確に対応する能力が必要です。やりとりの優先順位や提案する施策の変更など、変化に応じて都度最適な対応をとることが重要視されます。
セルフマネジメント能力
営業の仕事はアポイントの獲得から商談、契約や事務作業と、担当する業務の多さが特徴です。それぞれの仕事を適切なタイミングで実行するために、セルフマネジメント能力が求められます。移動時間や突発的な訪問など、業務に関連する事象におけるマネジメントもしっかり行うことが大切です。
論理的思考力
物事における結論に対し、情報整理や筋道を立てた対策の考案を行えるスキルを「論理的思考力(ロジカルシンキング)」といいます。論理的思考力があれば、商談における説得力のある提案や柔軟なトラブル対応が可能です。論理的思考力を発揮するには「正しい情報」が大切であることから、ヒアリング力との関係性が深いスキルといえます。
マーケティング力
営業活動を行ううえで、市場規模やトレンドなどを把握し、最適な施策を提案することが大切です。よって、優れたマーケティング力が重要だといえます。競合との差異や強み・弱みを整理することで、自社サービスの需要があるクライアント企業を抽出できます。
ストレス耐性
営業は「断られること」も多い仕事です。そのため、ストレスを飼い慣らす能力が求められます。とはいえ、ストレスを「我慢」してしまっては心身に悪影響を及ぼし、パフォーマンスが低下します。仕事とプライベートのメリハリをつけ、適度にストレス解消する環境を構築することが大切です。
クロージング能力
クロージングとは、契約成立につながる段階の営業活動です。「自社サービスをアピールしても、いまいち決定打に欠ける」といった場面で活用します。契約における障壁や他社との違い、導入効果などを改めて伝え、契約というゴールにつなげるために必要なスキルです。
人脈構成力
人脈構成力があれば、成果を上げやすくなると言われています。クライアント企業の担当者とつながり、関わる中で新たなクライアントを紹介してもらえる例もあります。人脈構成力を培うには、営業担当に必須の「コミュニケーション能力」を磨くことが大切です。
営業スキルを会得・向上させる方法
今回紹介した営業スキルは、以下に挙げる6つの方法を実践することで会得できます。
- 定期的な自己分析・振り返り
- チームベースの考えで仕事に取り組む
- 情報収集する
- 上司・同僚のやり方を参考にする
- 目標を明確化する
- 失敗を活かす
また、営業スキルのレベルを向上させるためにも有効な方法であるため、ぜひ実践しましょう。
定期的な自己分析・振り返り
定期的に自己分析を行い、営業担当としての自身について客観視することを推奨します。自身の営業トークや事前準備など、成約に至るクオリティの営業活動ができているか振り返ることも大切です。自己分析や振り返りは自身を客観視するうえで重要な行動であるため、営業スキルの会得・向上を目指す際は必ず実施してください。
チームベースの考えで仕事に取り組む
営業チーム全体で求める成果やマニュアルを重視し、営業活動を行ってください。いざ営業活動を開始する際は自分一人で行いますが、営業活動を通じた成果や達成すべき目標は、あくまでチーム・企業単位のものだと意識することが大切です。
情報収集する
営業活動を実施する前に、クライアント企業に関する情報はしっかり集めておくべきです。クライアント企業の沿革やサービス、課題などを分析し、情報として準備します。情報収集を怠った状態で営業しても、的確な提案はできず成約にはつながりません。また、クライアント企業だけでなく、自社サービスの理解を深めることも大切です。
上司・同僚のやり方を参考にする
自己分析や情報収集に苦手意識を感じるのであれば、上司や同僚の営業活動を参考にしてください。自身を客観視する良い機会にもなるため、チーム単位で成果を上げる意味でも、営業活動の内容は社内で共有しましょう。
目標を明確化する
営業活動のゴールが何か、行動別に明確化しましょう。「成約」という大きなゴールを定めるだけでなく、ゴールに達するまでのプロセス別に目標を設定することが大切です。目標が明確になっていないと、自己分析や振り返りを思うように進められません。
失敗を活かす
「成約に結びつかなかった」「クライアント企業を怒らせてしまった」など、営業活動を進めるうえで、これらの障害に遭遇することは少なくありません。断られることが前提の営業活動において、失敗を次の営業活動に活かすことは必要不可欠です。営業活動に失敗した経験は、自己分析や社内への事例共有など、今後の営業活動に活かせるものばかりです。
まとめ
営業担当者として成果をあげるためには、必要なスキルを理解し、会得することが大切です。また会得したスキルを向上させる方法を実践し、個人はもちろん企業単位で営業のレベルを上げることも重要視されます。今回は営業担当者に求められるスキルや、それらを会得・向上させる方法を紹介しました。営業職に転職したい、営業職に転職した後にレベルアップする方法を知りたいと考えている人は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。