ビジネスシーンにおいて、打ち合わせや面接などの日程調整の連絡をメールでやり取りする機会は多くあります。応募先の企業や大切な取引先などとやり取りする際には、失礼のないようにビジネスマナーを身につけておくべきです。
この記事では、日程調整メールの正しい書き方やポイント、シーン別の例文などを紹介します。やり取りする相手に好印象を持ってもらうためにも、要点をしっかりと把握しておきましょう。
日程調整メールを作成する目的
面接や会議、商談など、お互いが顔を合わせる場を設けるためには予定のすり合わせが必要です。特に複数人が出席する場合、電話でそれぞれにスケジュールの確認をしていては大変な労力がかかってしまいます。メールの場合、複数の相手でも簡単にコミュニケーションを取れるので、日程調整はメールで行われることが多いでしょう。スムーズに日程調整ができると会議や打ち合わせ当日までに余裕ができるので、準備に充てる時間を十分に確保できる点もメリットといえます。
日程調整メールの基本的な書き方
ここでは、日程調整メールの基本的な作成方法を紹介します。ビジネスマナーとして正しい書き方を覚えておきましょう。
件名
メールの件名は、ひと目見て内容が理解できるようなものにしましょう。狙いがわからないような件名では、メールの開封を後回しにされてしまったり、迷惑メールだと思われてしまう恐れがあります。
「◯◯会議日程調整のお願い」「商品提案の訪問日程調整につきまして」など、件名を読むだけで受け手が返信すべき内容を考えられるわかりやすさを心がけましょう。
宛名
日程調整の連絡に限らず、ビジネスメールの宛名は全て「会社名・部署名・氏名・様」と表記します。ビジネスでは「御中」という敬称もよく使いますが、御中は組織や団体に対して使うものです。相手の氏名がわかっている場合は、上記の通り「様」を使用します。
「御中」の正しい使い方とは?郵便物・メールそれぞれの書き方や「様」との使い分けを解説
挨拶・名乗り
宛名を記載したら、その次に簡単な挨拶文と自分自身の「会社名・部署名・氏名」を明記しましょう。メールの挨拶文は手紙とは異なり「お世話になっております」など簡潔にすることで、この後の本題に着目してもらいやすくなります。
要旨
次に、連絡をした目的、メールの要旨を短く明確に伝えます。予定を伺う理由や日程調整のための連絡であることなど、メールを送った経緯をまとめましょう。冒頭で結論や本題を述べることで、読み手にとってこの後の細かな内容も理解しやすくなります。
詳細
要旨に続いて、日程調整に関する詳しい内容を記載します。候補となる日時や場所、所要時間を示すなど、何度もメールをやり取りすることがないよう、必要事項を漏れ無く記入しましょう。こちらから候補日を提案する場合は、必ず複数の日程を提示します。候補日は箇条書きで、曜日と時間まで細かく書いておくと丁寧です。
結びの言葉・署名
メールの最後には、結びの一言と署名を記載します。こちらから提示した日程が合わないことも考慮して、「こちらの日程で調整が難しい場合は別の日程を検討しますので、ご遠慮無くお申し付けください」など、相手を思いやる一言を添えましょう。最後には通常のビジネスメールと同じように、こちらの連絡先を記載した署名を挿入して日程調整メールは完成します。
日程調整メールのシーン別文例集
ここでは、日程調整メールの文例を紹介します。シーン別に4つの例を紹介しますので、使い分けを意識しながらぜひ参考にしてください。
転職活動における面接の日程調整メール
転職活動の中で、面接の日程調整をメールで連絡する機会も多くあるでしょう。応募先の企業とのやり取りとしてふさわしくない内容のメールを送ってしまうと悪い印象を与え、選考において不利に働く可能性も考えられます。ビジネスマナーが身についているかチェックされているつもりで対応しましょう。
【件名】
面接の希望日時につきまして【本文】
株式会社◯◯
◯◯部
◯◯様お世話になっております。
この度、貴社の求人に応募させていただきました◯◯ ◯◯と申します。面接日程についてご連絡をいただき、ありがとうございます。
ご提示いただいた日程の中から、希望する日程を下記に記載いたします。第一希望:〇月〇日(〇)〇時開始
第二希望:〇月〇日(〇)〇時開始
第三希望:〇月〇日(〇)〇時開始ご多忙の折、大変恐縮ですが、ご確認いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。=======================
氏名
携帯番号
メールアドレス
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打ち合わせの日程調整メール
続いては、打ち合わせや商談のための日程調整メールです。お互いに気持ちよくやり取りができるように、スムーズで内容が伝わりやすい簡潔な文面を目指しましょう。
【件名】
「◯◯」のお打ち合わせ日程につきまして【本文】
株式会社◯◯
◯◯部
◯◯様平素より大変お世話になっております。
株式会社◯◯ ◯◯部の◯◯と申します。先日ご案内させていただいた「◯◯」につきまして、
早速ですがお打ち合わせのお時間を頂戴できればと存じます。
ご多忙の折大変恐縮ですが、下記日程よりご都合のよろしい日時をご教示いただけますでしょうか。・〇月〇日(〇)〇時~〇時
・〇月〇日(〇)〇時~〇時
・〇月〇日(〇)〇時~〇時なお、打ち合わせは◯◯にて開催し、1時間ほどお時間を頂戴できればと存じます。
ご都合が悪い場合は上記日程以外でも調整いたしますので、遠慮なくお申し付けください。それでは、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
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氏名
携帯番号
メールアドレス
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相手に候補日を挙げてもらう日程調整メール
こちらのスケジュールに予定がある場合など、やり取りをしている相手に都合のいい日程を提示してもらうケースもあります。この場合も、要点が伝わりやすいよう簡潔な内容を心がけましょう。
【件名】
「◯◯」のお打ち合わせ日程につきまして【本文】
株式会社◯◯
◯◯部
◯◯様平素より大変お世話になっております。
株式会社◯◯ ◯◯部の◯◯と申します。先日ご案内させていただいた「◯◯」につきまして、
早速ですがお打ち合わせのお時間を頂戴いたしたく、ご連絡させていただきました。つきましては、貴社へお伺いして1時間ほどお打ち合わせのお時間を頂戴できればと存じます。
◯◯様のご都合のよろしい日時をお知らせいただけますでしょうか。ご多忙の折大変恐縮ですが、ご調整のほど何卒よろしくお願いいたします。
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氏名
携帯番号
メールアドレス
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日程調整メールに対する返信
相手から日程調整を依頼された場合は、早めの返信を心がけましょう。こちらから回答をするまで、相手は提示した日程に他の予定を入れられない状態です。すぐに日程を確定させることで、お互いにストレスのないやり取りへとつながります。
【件名】
Re:「◯◯」のお打ち合わせ日程につきまして【本文】
株式会社◯◯
◯◯部
◯◯様平素より大変お世話になっております。
株式会社◯◯ ◯◯部の◯◯と申します。◯◯につきまして、ご連絡をいただきありがとうございます。
それでは、以下の日程でお打ち合わせをお願いいたします。〇月〇日(〇)〇時~〇時
なお、弊社からは私1名が参加させていただきます。
それでは、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。=======================
氏名
携帯番号
メールアドレス
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日程調整メールのやり取りをする際のポイント
ここまで、日程調整メールの作成方法やシーン別の例文を紹介しました。最後に、相手とやりとりするうえで注意すべきポイントを4点お伝えします。
迅速に対応する
日程調整に関するやり取りは、必ず迅速に対応することが求められます。メール送信ひとつに時間をかけてしまうと、後々のトラブルにもつながりかねません。対応を後回しにしているうちに他の予定が入ったため再調整が必要になったり、スケジュールに余裕がなくなり準備に時間を割けなくなったりと、信用を失ってしまうこともあるでしょう。相手の貴重な時間を使っているという意識を持ち、相手の立場になって迅速な対応を心掛けましょう。
宛先・名前・内容に間違いがないか確認する
メールの送り先や相手の名前、本文、日時などに間違いがあると「マナーがなっていない」「確認もしていない」と、相手からの信用を失いかねません。送信ボタンを押す前に、必ずもう一度全ての内容を確認しましょう。相手を不快にさせることのないように、宛先が間違っていないか、正しい敬語を使えているかなど、単純な誤字脱字以外にも時間をかけて見直す事をおすすめします。
提示された候補で都合が悪い場合は希望日を伝える
相手から日程の候補を提示されたものの、全て都合が悪く候補日を決められないこともあるでしょう。その場合は、こちらの都合がつく日を複数提示すべきです。都合が悪いという事実だけを連絡すると、再度新たな候補日の提案を待つことになります。そこでまたもや都合がつかないとなると何度もやり取りを繰り返すことになり、お互いにとって望ましいことではありません。「◯日の◯時からであれば都合がつくのですが、◯◯様のご都合はいかがでしょうか」と、なるべく少ないやり取りで日程を決められるよう工夫すべきです。
状況に応じてメール後に電話を入れる
日程調整メールに対する返信が来ない場合など、電話を使って確認したほうが良いケースもあります。日程調整のやり取りに何日も時間がかかると、お互いに他の予定が入って再調整が必要になることもあるでしょう。また、相手が返信を忘れている可能性や、エラーでメールが届いていない可能性も考えられます。1〜2日様子を見ても返信が無い場合は、一度電話で確認をすることでその後のやり取りがスムーズになるかもしれません。
まとめ
ビジネスシーンにおいて、日程調整のやり取りをする機会は多々存在します。正しい書き方や注意点をしっかりと把握することで、日常の何気ないコミュニケーションから信頼が生まれることも考えられます。常に相手の立場に立った対応を心がけることで、お互いに気持ちよくやり取りできる環境を整えていきましょう。