コンサル企業には中小から大手までさまざまな規模の企業が存在します。しかし大手に該当するコンサルティングファームと呼ばれる企業がどこなのかを把握できていない人もいるのではないでしょうか。
今回は大手コンサルティングファームを種類別に、一覧で紹介します。中小コンサルティングファームとの違いや転職に関するポイント、大手コンサルティングファームに転職するメリット・デメリットも紹介しているので、参考にしてください。
【種類別】大手コンサルティングファーム一覧
コンサルティングファームには、外資系・日経・IT系・シンクタンク系など、さまざまな種類があります。外資系と日系に関しては、戦略系・総合系とさらに細かく分類されているのが特徴です。ここでは、大手コンサルティングファームを種類別に紹介します。自身が身を置きたいコンサルティングファームを決めるうえで、参考にしていただければ幸いです。
外資系・戦略系
戦略系ファームとは、クライアントに対して経営者の目線で課題解決策を提案し、コンサルティングする企業のことです。外資系における事業計画・新規事業立案・人事計画などを行う、以下の企業が該当します。
●ベイン・アンド・カンパニー ●ボストン コンサルティング グループ ●Strategy& ●A.T.カーニー ●ローランド・ベルガー ●マッキンゼー・アンド・カンパニー |
日系・戦略系
以下に挙げる企業は、同じく戦略系ではあるものの日系のファームです。戦略系ファームの業務である課題解決策を、考案だけでなく実行まで含めて行うファームも増えています。
●ドリームインキュベータ ●コーポレイト ディレクション ●経営共創基盤 |
外資系・総合系
総合系ファームとは、企業における幅広い階層に対し、課題解決につながる実行支援を行うファームのことです。トップ層から一般従業員まで、役職を問わず関わるのが特徴です。こちらも戦略系同様、外資系と日系に分かれています。
●KPMGコンサルティング ●EYストラテジー・アンド・コンサルティング ●アクセンチュア ●デロイト トーマツ コンサルティング ●PwCコンサルティング合同会社 |
日系・総合系
主な日系の総合系ファームは、以下の企業です。総合系ファームは、他部門やグループ内会社のメンバーと協力し、一つのプロジェクトを遂行することもあります。
●ベイカレント・コンサルティング ●アビームコンサルティング |
IT系
IT戦略における課題を解決するため、クライアントのシステムに対してコンサルティングを行うのがIT系コンサルファームの特徴です。システム導入・保守・運用など、クライアントの課題解決をITによって解決します。
●シグマクシス ●日本アイ・ビー・エム |
シンクタンク系
民間企業だけでなく、官公庁などもクライアント対象となるのがシンクタンク系コンサルファームです。経営戦略・業務戦略・人事など、幅広い視点で豊富なジャンルのクライアントと関われます。
●野村総合研究所 ●三菱総合研究所 ●日本総合研究所 |
中小・ベンチャーコンサルティングファームと大手の違い
中小コンサルティングファームと大手コンサルティングファームとでは、クライアントとの関わり方に大きな違いがあります。中小コンサルティングファームがコンサルタント1名当たり、数社のクライアントを担当するのに対し、大手コンサルティングファームは1社に対して複数名のコンサルタントがつきます。そもそものクライアント規模や経営課題の広さが異なるのも、中小と大手の違いです。
大手の方が専門的かつ高レベルのコンサルに関われるイメージがあることから、中小コンサルティングファームを「下位互換」だと感じる場合もあるでしょう。しかし中小コンサルティングファームには、大手と比べて結果をダイレクトに感じやすいメリットがあります。クライアントの経営課題の大きさを優先するか、クライアントとより密接に関わるかで、中小と大手どちらを目指すかが変化するのです。
大手コンサルティングファームに転職する際のポイント
大手コンサルティングファームに転職するときは、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- ある程度の語学力が必要
- 転職適齢期がある
- コンサルタントとしての適性を知る
- 転職エージェントを活用する
大手コンサルティングファームへのキャリアチェンジをより確実に成功させ、転職後の日々を円滑にするためにも、ここで紹介するポイントを転職前にしっかり押さえておいてください。
ある程度の語学力が必要
大手コンサルティングファームは世界規模で拠点を抱えていることもあるため、ある程度の英語力を身につけておく方が有利です。大手コンサルティングファームが求める英語力は、TOEIC700点〜800点以上が基準です。
英語力は必須ではないものの、応募した大手コンサルティングファームが英語圏での募集しか行っていない場合、英語力がないだけで道が閉ざされてしまいます。英語力を身につけておくか、国内企業に特化した大手コンサル企業に絞ってアプローチすることをおすすめします。
転職適齢期がある
コンサルティングファームへの転職を考える際は、転職適齢期が30代までといわれていることを把握しておく必要があります。特に未経験での転職の場合、34歳までといった基準を設定しているコンサルティングファームがあるため、注意が必要です。
35歳以上になると、コンサルティングファームへの転職難易度が一気に上がると考えておきましょう。しかし前職でコンサルタントとしての経験を積んでいれば、適齢期を過ぎていても採用されるチャンスがあります。
コンサルタントとしての適性を知る
コンサルタントには業界知識はもちろん、クライアント企業にまつわる知識も含めた膨大な量の知識を整理する能力が求められます。クライアントの希望を聞き出すためのヒアリング能力やコミュニケーション能力、課題解決策を提案するプレゼン能力も必須です。大手コンサルティングファームへの転職を目指すのであれば、自身にコンサルタントとしての適性があるかの分析が必要になります。
転職エージェントを活用する
大手コンサル企業への転職は、求人情報が見つからない、あるいは思うようなアプローチができないこともあります。自身の力のみで転職を成功させることが難しいことも考慮し、転職エージェントの活用も視野に入れておきましょう。転職エージェントであれば、自身のスキルや適性を客観的に分析し、最適な求人を紹介してくれます。一般公開されていない求人を紹介してもらえる場合もあるため、自力で求人を探すより効率的です。
大手コンサル企業へ転職するメリット
ここでは、大手コンサル企業へ転職する以下3つのメリットについて解説します。
- 仕事の規模が大きくなる
- キャリアの幅が広がる
- 収入が上がる
仕事の規模が大きくなる
大手コンサル企業の多くは世界各国に拠点を抱えており、従業員数も多い傾向にあります。組織としても規模が大きいため、与えられる仕事の規模も自然に大きくなるでしょう。規模の大きい仕事に関わると、責任の重さや新たな知識の会得といったプレッシャーがかかります。プレッシャーを前向きに受け止め、チャレンジ精神を持って仕事を達成できれば、自信や評価につながるでしょう。
キャリアの幅が広がる
大手コンサル企業で積み重ねた経験や実績は、将来のキャリア形成にも好影響を与えます。コンサルタントとしてのレベルが高いと判断されると、他のコンサルティングファームに移る際も転職活動がスムーズです。PE(プライベートエクイティ)ファンドや総合商社など、コンサルタントとしての経験を活かした新たなキャリアに進みやすいのもメリットです。
収入が上がる
大手コンサル企業は関わる企業も大きくなる傾向にあるため、責任や求められる仕事のレベルも高くなります。仕事としてのハードルが高いこともあり、給与も高くなるのが一般的です。転職までの道のりや転職後の業務がハードである分、収入面での安定を実現しやすいのが大手コンサル企業のメリットです。
大手コンサル企業に転職するデメリットは?
大手コンサル企業に転職するデメリットとは、裁量権が限られており、昇給・昇格が難しいことです。デメリットとされるポイントを、より詳しく見てみましょう。
裁量権が限られている
大手コンサル企業は一社のクライアントに対して複数人でチームを組み、仕事を行います。そのため、一人ひとりに与えられる裁量権は限られているのです。個人としての裁量権を重視したいのであれば、中小コンサル企業への就職を目指しましょう。
昇給・昇格が難しい
大手コンサル企業は上級ポストの人材が退任しにくいため、ポジションの変化による給与のアップが難しいといえます。いわゆる「組織の硬直化」によるデメリットで、昇給・昇格だけでなく時代や市場の変化に企業そのものが対応しにくくなる側面もあります。
まとめ
今回は大手コンサルティングファーム一覧と、転職に向けた知識を紹介しました。大手コンサルティングファームに転職する際は、中小との違いや転職にまつわるポイント、メリット・デメリットを把握しておくことが大切です。本記事では、今後大手コンサル企業での活躍を目指す人へ向けた知識をまとめています。コンサルタントとしてより上位の領域に関わりたいと考えている人は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。