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新卒で大手IT企業にサービス企画職として入社するというやや特殊なキャリアのSさんに、PdMへの挑戦となった転職活動のストーリーをお伺いしました。
「あなたにスタートアップ企業のPdM転職は無理」と言われたSさんが、どうやってPdMで5社内定を獲得するに至ったのか。PdM転職に悩まれる方に、一つの参考にしていただければと思います。

PdMとしてのキャリアを描きたい

―今回が始めての転職だと思いますが、転職活動を始めたきっかけについて教えてください。
Sさん:転職活動を始めたきっかけは、今後身につけていきたいと思っていたスキルを現職で学ぶことが難しいと感じていたからですね。
私は元々新卒で入った大手IT企業で、初期配属から今に至るまでいわゆるPM業務(※)を担っていました。仕事は本当に充実していましたが、今後はPdMとしてキャリアを描いてきたいなと思っていたんですよね。
当時私が考えていた「PdMとして必要なスキル」について学べる環境について考えたとき、現職よりもより適した場所があるのではないか、と感じたことが大きなきっかけです。
※ここでのPM業務とは、決められた機能を期日通りリリースするための要件定義や開発含めたステークホルダーとの調整、プロジェクトマネジメント全般のことを指しています。
―Sさんが感じていたPdMとして必要なスキルというのはどんなものだったのでしょうか?
Sさん:PMの仕事の醍醐味として「決められた機能を計画通りに実現するためにさまざまな困難を乗り越える楽しさ」があると思っています。一方で今後のキャリアを考えたときには、課題からきちんと仮説を立てて必要な機能を定義していく、いわば「誰かに決められたものではなく、自分で自由に考えて形にしていく力」が重要になるとも感じていたんです。
―キャリアを広げていくために転職が必要と感じられたんですね。今回Sさんは初めての転職だったと思いますが、他に転職活動を通じて知りたいと思っていたことはありましたか?
Sさん:「”市場の期待感”を正しく理解したい」という思いは強く持っていました。
PMやPdMの業務は企業によって定義がバラバラなんですよね。私自身、先程からPMを担ってきたと言っていますが、実は前職では私は”PdM”と呼ばれていました。このように同じ肩書きを持っていても、プロジェクトマネージャー的な役割を担っているケースがあったり、調整が中心業務となっているケースがあったりさまざまです。そのため、市場に求められているPdMとのギャップをきちんと理解する必要性を感じていました。
―実際に転職活動を通じて市場の期待感は掴めましたか?
Sさん:そうですね、転職エージェントとの面談や企業との面接を通して「ユーザー価値とビジネス価値を紐づけて、きちんとプロダクトに落とし込めるPdM」が市場として求められている姿なのかなと理解しました。
現職では「どう実装するか」「さまざまな制約がある中でプロジェクトをどう動かすか」といったいわゆる”How”の側面に重きを置いていたのですが、ユーザーが抱える複数の課題の中から「どの課題にフォーカスするかを選定できる」つまり、“Why”や”What”から考えられるPdMがより汎用的で市場価値が高いんだと気付かされましたね。
―特に初めての転職の場合、経験も少なく視野も狭いので、市場価値を正しく理解することはとても難しいと思います。市場の期待感を知るにあたり、オススメの方法はありますか?
Sさん:それに関してはやはり詳しい方から話を聞くのが一番だと思いますね。
太田さんからも「戦略やロードマップ策定の経験がないと、PdMとしての採用は難しいかもしれない」「機能開発の優先度付けがどれだけできるかが重要」といった、スキルの相場感などを教えていただきました。
その話を聞いたとき、市場から求められているスキルに対して、自分にはまだ足りないものが多いことを自覚しました。まったくの未経験ではないかもしれませんが、「できる」と明確に言えるレベルではない。求められているレベルと現状のギャップを知る中で、今後のキャリアに必要な経験やスキルも徐々に明確になっていきました。
理想の転職エージェント探し

―太田と話す前から、他の転職エージェントにも話は聞いていたんですか?
Sさん:はい、PMやPdMに特化した転職エージェント数社とお話していました。
実は以前IT業界に強い転職エージェントと話したことがあったのですが、カスタマーサクセス、コンサル、事業企画といったまったく異なる職種ばかり紹介された過去がありました。
これはエージェントの担当者がPMの仕事の理解が浅すぎるせいだなと感じていたので、今回は最初からPMやPdMへの理解が深い転職エージェントを探していたんです。
―PMやPdM特化の転職エージェントの支援はどんな内容でしたか?
Sさん:実はその転職エージェントの方々からのご支援は、すぐに止めてしまったんです。なんというか・・・私に向き合ってくれないんだなと感じてしまって。
例えばとある転職エージェントでは、「PdMとしての転職は無理です。」とハッキリ断られてしまいました。他に年収を上げられるか聞いたときにも、「絶対に上がりません。無理です。」とだけ言われてしまい、その理由について説明はしていただけませんでした。
他のPM特化の転職エージェントに相談したときも、「とりあえず20社応募してみましょう」と言われて、そういう転職の仕方がしたいんじゃないのに・・・と思ってしまったんです。
―そうだったんですね。せっかくその道の専門家に相談したのにそのような対応をされたら悲しいですよね・・・。そんな中で、太田の支援を受けようと思ってくださった理由はなんでしたか?
Sさん:自分の経験ではPdMとして転職するのはやはり難しいのかなと落ち込んでいたタイミングで、スカウトサービスを通じて太田さんからご連絡をいただいたんです。
正直、転職エージェントに対して期待するのはやめようと思っていた時期だったのですが、太田さんからいただいたスカウト文面を見て、「この人なら他の転職エージェントのようにうわべだけの私を見るのではなく、私の可能性を信じてくれるのではないか」と感じて、返信させていただきました。
太田さんの支援を受けようと思った理由を一言で言い表すのは難しいんですが・・・、強いて言うなら「可能性を見出してくれたこと」でしょうか。こういうエージェントさんいるんだ、捨てたもんじゃないなと思えたんですよね。
他社の転職エージェントと決定的に違ったのは、
①否定するのではなく、ギャップを教えてくださった
②情報収集をきちんと行って、フィードバックしていただけた
この2点かなと思っています。
例えば、私が「とある企業のPdMに興味がある」と相談したことがあったんです。そのとき太田さんは「その企業は20代PdM未経験は基本的に採用していないし、掛け合うにもロードマップ策定の経験がないと難しいかもしれない」と仰ったうえで「でも、確認してみますね」と動いてくださったんですよね。
そして実際に企業に確認し、「意外と事例があり、可能性はゼロではないです。ただし、この企業は戦略策定の経験を重視しているのでそこのPRが必要です」と、企業側の採用基準や期待値まで丁寧に共有してくださいました。
―太田の伴走支援の手厚さやPdM転職の知識量、企業とのコネクションに信頼をおいてくださったんですね。元々PM・PdMに詳しい転職エージェントを探していたとのことでしたが、その点についてはいかがでしたか?
Sさん:スカウトメールで「PdMの支援ができます」と書いていただいていた通り、解像度高く仕事を理解してくださっていたと思います。
例えば先ほどの話でいうと「戦略策定の経験ってどんなことですか?」と太田さんに聞いたところ、すごく丁寧に説明してくださったんですよね。「プロダクトマネージャーのしごと」というPdMに従事する人の必読本みたいな本があるんですが、その本まで引用して「こういうことです」と教えてくださって。
PdMの転職支援実績がある方は太田さん以外にも探せばいるかもしれませんが、ここまでPdMの仕事を理解していて、自身でも学習されている転職エージェントの方もいるんだと感銘を受けました。すみません上から目線で(笑)。でも、ホンモノってこういう人のことなんだなと思いました。
太田:本での解説、確かにしましたね(笑)。
どんな職種の方を支援するにしても当然ではありますが、特にPdMのようなやや特殊な職種では、キャッチアップする姿勢や当事者意識は大事だと感じています。解像度高く仕事内容を理解できるように自分で勉強しつづけていますね。
Sさん:ワンステップ上の情報をもらったことで、自分が捉えているギャップの解像度が上がったところはすごくありましたね。そういった太田さん自身のキャッチアップ力もそうですし、太田さんが過去支援したPdMの方から得た知識なども惜しみなく還元いただいてる感もあって、すごく信頼できるなと感じました。
もちろん、PM・PdM特化のエージェントの方が知識で詳しい部分はあるかもしれません。ただその知識を、こちらに寄り添った形で教えていただけるかは全く別のお話ですよね。その点太田さんはすごく寄り添ったコミュニケーションを取っていただいてましたし、壁打ちもたくさんしてくださったので、太田さんに相談して本当に良かったなと思っています。
―他の転職エージェントと比べて良かったと感じられた点があればぜひ教えてください。
Sさん:やはり、仕事の棚卸しの深さは、他の転職エージェントとは圧倒的に違ったと思います。
太田さんは、仕事内容の棚卸しに加えて、一つひとつのエピソードを非常に深く掘り下げてくださいました。「課題・背景・結果」をエピソードごとに丁寧に整理していただき、要点をまとめてくださったことがとても印象的でした。この棚卸しのおかげで書類もより質の高いものを仕上げられたと思います。
また、私は自己PRに対して強い課題意識があったので、そこをしっかりサポートしていただけたことも、本当に良かった点です。他社の転職エージェントと比較しても、そのアプローチは群を抜いていたと感じています。
太田さん個人のスキルとして、コーチング能力がとても高い方だと感じました。自己分析や棚卸しのプロセスの中で、「こういう傾向があるのでは?」といった示唆をいただく場面が何度もあったんです。自分が言語化できなかったことに対しても、「こういうことではないですか?」と補っていただけて、非常に納得感のあるフィードバックをいただけたのが印象的でした。
太田:自己分析や仕事の棚卸しを通じて、Sさんは圧倒的な馬力に強みを持つ方だと思ったんですよね。
さまざまなエピソードをお伺いしていくにつれ、「レベルの高い人たちの中で働く」ことがSさんにとって重要な価値観になっていることに気づき、その方向性で求人のご提案などまで繋げられたので良かったなと思います。
6社中5社でPdM内定。企業が評価をした理由

―他社転職エージェントでは「未経験だから無理」と言われていた中で、Izul経由では6社応募中5社からPdMで内定を獲得されましたね。未経験での内定を実現するために、大事だったなと思うポイントはありますか?
Sさん:太田さんにしていただいた面接対策は本当に必要不可欠でしたね。PdMで転職を考えている人全員にオススメしたい(笑)。冒頭にお話した通りPdMという職種では企業によってかなり定義が異なってくる中で「この企業は戦略策定の経験を大事にしている」という話になっても、正直自分ではきちんとそれをアピール出来ているか確かめられないと思うんです。
それを事前に何度も対策いただいたおかげで、適切な”相手に伝わる”自己PRにできたことは大きかったなと思います。
太田:支援の最終的な目標として、「戦略やロードマップ全体を担当した経験はないものの、将来的には担えるだけの素地があると企業側に納得してもらうこと」を据えていました。
そのために僕の方では
①スキルの素地があることを伝えるための魅せ方
②企業とのリレーション
は特に重点を置いて支援させていただきました。
①については、棚卸しの段階から、プロダクトのあるべき姿や方針、ロードマップに関してどのようなことを考えて動いていたのかを重点的に取り上げました。Sさんがそこにフォーカスして話せるように、伝え方を少しずつ調整していきましたね。
②は「戦略を任せられる人材とはどういうポイントを持っているべきか」ということを、それぞれの企業ごとにかなり細かく確認しに行きました。そしてそれを自分なりに噛み砕いてSさんにもお伝えし、SさんのPRのブラッシュアップに活かしていきました。
棚卸しの段階から細かく整理し、企業の期待値を正確に捉えてそこにアジャストしていく工程がぴったりハマったことが、今回これだけの内定を得られた大きな理由だったなと思います。
―20代のPdM採用は極めて稀だと思いますが、企業側からはどのような点が評価されていたのでしょうか?
太田:企業側から特に評価された点は、物事を構造的に捉え、俯瞰した視点で語れるというところでした。また、「今すぐ戦略を任せる」というレベルではないにしても、「将来的に任せていける可能性がある」と見てもらえたことが、我々が狙っていた通りの評価だったので、とても嬉しかったですね。
さらに、粘り強さや推進力についても高く評価されていました。これまでSさんが取り組まれてきた実行力に加えて、それを体系的に語る力、構造的な理解を持って語れる素地がしっかりと伝わった結果だったと思いますね。
―対策を経て実際に面接を受けてみて、「この準備が効いたな」と感じた場面や、「支援がなかったら難しかったかもしれない」と思われたことはありますか?
Sさん:たくさんありましたが特に印象に残っているのは、模擬面接の段階で準備していた質問がそのまま企業面接で聞かれたことですね。たとえば、「4〜5年後になりたい姿は何ですか」「会社のビジョンに共感している点は何ですか」など。
自分一人ではなかなか思いつかない問いだったので、模擬面接で先回りしていただいていたおかげで、本番で焦らずに自分自身の言葉で伝えることができました。こういった抽象的な問いに自信を持って答えられたことは、自己分析から支援してもらったおかげで自分自身の納得感が高かったことも要因としてあったなと感じています。
また、「面接全体を通じて企業側にどのような印象を与えているのか」という視点も大きかったですね。自分としては戦略やロードマップをアピールしているつもりでも、相手にとっては「コミット力のある人」という印象の方が強く残ってしまっていたり。
そうした“見え方”のズレに気づけたのも、複数回にわたる模擬面接を通じて第三者の視点からフィードバックをもらえたからこそだと思います。
―Izulのご支援について、全体的なご感想をお聞かせください。
Sさん:圧倒的に良かったことは、他の転職エージェントと比べてスタンスがまったく違ったことだと思っています。
先ほどもお伝えした通り、ご自身でしっかりPdMについて学習されて知識のアップデートを欠かさないこともそうですが、PdMという職種そのものと、PdMに従事している人への敬意をすごく感じました。実際にPdMをされているわけではないのに、同じ目線で仕事の話ができる転職エージェントはとても稀有だと思います。
また、PdMの転職支援の実績もさまざまお持ちなので、その観点でいただけるアドバイスも非常に勉強になるものが多かったです。他社のPdMの方のキャリアパスなどを知る機会は中々ないですし、「あなたの強みを踏まえると、実はこういう別の道もあるかもしれませんよ」といった提案をいただけたことは、自身のキャリアに向き合ううえでとても大切なステップだと感じました。
―では最後に、PdMとして転職を考えている方々に向けて、Sさんからメッセージをお願いできますか?
Sさん:私は新卒でPdMという肩書を持ったPM業務を担うポジションに就いたこともあり、最初は「自分が今やっている仕事がPdMの正解なのだろう」と、自然と信じてしまっていた部分がありました。上司の方針や会社の文化に沿ってキャリアを歩んできたことで、疑問を持つ機会が少なかったんです。
でも、だからこそ一度立ち止まって、「市場では今、どんなPdM像が求められているのか?」という視点で自分のキャリアを見つめ直してみることをおすすめしたいです。
その上で、Izulさんは無理に話を盛ったり、根拠のない励ましをしたりするようなことは一切ありません。むしろ、事実を丁寧に見つめ直しながら、可能性を押しつけるのではなく、自分の中にある強みや経験を正しく見つけてくれる。そういう誠実なスタンスで支援してくださるところが本当に良かったと思っています。
自分の立ち位置を客観的に捉え直して、さらにそこから一段上の挑戦をしてみたいと思っている方には、強くおすすめしたいエージェントです。
太田:今回のご支援を通じて、こうした支援の形をもっと広げていきたいと、改めて強く思いました。
PdMとしての転職を体系的に支援できるエージェントというのは、まだ世の中に多くありません。Sさんのように本気でキャリアと向き合う方に対して、正面から向き合い、寄り添える支援のあり方を、これからも磨いていきたいと思っています。