エンジニアは、年々市場規模を拡大しているWeb業界の中でもニーズが高い傾向にあり、副業での働き方に相性が良いと言われています。副業で収入をアップさせる方法が定着した昨今において、より働きやすいエンジニアの副業案件を探している人も多いのではないでしょうか。
今回は、エンジニアが獲得できる副業案件や、案件を獲得する方法について紹介します。エンジニアが副業に取り組むメリット・デメリットや、案件を獲得する際の注意点にも触れているので、今後エンジニアの仕事で新たな働き方を実現するうえでの参考にしてください。
エンジニアの副業事情
令和2年に実施された厚生労働省の調査によると、副業をしている人の全体的な割合は約9.7%と決して高くはありません。
参考:厚生労働省|副業・兼業に係る実態把握の内容等について
しかし「TECH Street」の調査によると、エンジニア職の副業経験者は約40%と、全体のおよそ4倍以上であることがわかりました。
参考:TECH Street|ITエンジニアの「副業のリアル」調査レポート
このことから、エンジニアの副業におけるニーズは非常に高く、多くの人が副業案件を探していると判断できます。では実際、どのような案件であれば獲得できるのでしょうか。次の項目で、副業として獲得できるエンジニア案件をいくつか紹介します。
副業として獲得できるエンジニア案件
エンジニアが獲得しやすい副業案件には、以下が挙げられます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
- フロントエンド開発
- バックエンド開発
- マークアップ開発
- アプリ開発
- Webデザイン
フロントエンド開発
Webアプリケーションなどの、ユーザーの目に直接触れる部分を開発する案件のことです。Webデザイナーが設計したデザインをベースに、実装を担当します。WordPressを使用したサイト修正・運用を行う案件もあります。
フロントエンドエンジニアを目指す方必見!仕事内容や必要なスキル、適性について解説
バックエンド開発
フロントエンド開発とは反対に、ユーザーの目に触れない部分の開発を担当するのがバックエンドエンジニアの仕事です。各種プログラミング言語を活用し、サーバサイド側の開発を行います。リモートワークがメインですが、週に1回程度出社する案件もあります。
マークアップ開発
HTML・CSS・JavaScriptなどを活用してWebサイトを制作するのがマークアップ開発です。Webデザイナーの考案したデザインを踏襲しつつ、SEO・ユーザビリティに配慮したマークアップが求められます。
アプリ開発
新規アプリだけでなく、既存アプリを含めた開発を行う案件です。副業案件としては、既存アプリの開発が多い傾向にあります。フルリモート対応可能な案件が多いものの、チーム開発を行うことから長時間の稼働が求められる場合も多いでしょう。
Webデザイン
Webサイト・Webサービスにおけるデザインを担当する案件です。Webページ・ECサイト・バナー・LPなど、さまざまな案件があります。単発の案件が多いため、中でも継続性のある案件を探すか、複数の案件を獲得しておくことがおすすめです。
エンジニアが副業案件を獲得する方法
ここでは、エンジニアが副業案件を獲得する方法として挙げられる、以下3つについて紹介します。
エージェントの活用
副業案件を獲得するのであれば、フリーランスエージェントを活用するのがおすすめです。プロの視点で案件を探してくれるのはもちろん、報酬や期間など、クライアントに直接聞きにくいことも代わりに確認してくれます。エージェントごとに抱えている案件数・種類は異なるため、いくつかのエージェントに登録して利用するのがおすすめです。
SNS・クラウドソーシングの活用
SNSを活用し、エンジニアを募集している人に対してアプローチする方法もあります。もしくは「エンジニア案件を探している」旨の内容を投稿し、スカウトを待つ方法も選択肢に挙げられます。また単価が低い傾向にはあるものの、各種クラウドソーシングを活用するのもおすすめです。クラウドソーシングは案件獲得のハードルが低めであるため、初めて副業する人でも案件を獲得できます。
既存クライアントや知人からの紹介
既にエンジニアの案件を獲得している場合、既存クライアントから新たな案件を依頼されることがあります。クライアントとの関係性や、案件を通じた「成果」が関わってくるため、一つひとつの案件・クライアントを大切にすることが必須です。また、同じようにエンジニアとして活動している知人から案件を紹介してもらえる場合もあります。
エンジニアが副業案件に取り組むメリット・デメリット
エンジニアが副業案件に取り組むうえでは、メリット・デメリットがそれぞれ存在することも覚えておくべきです。メリット・デメリットを把握したうえで、副業エンジニアとして活動することが現実的かどうか検討しましょう。
メリット
副業案件を獲得し、エンジニアとして活動するメリットは以下の通りです。
- 収入がアップする
- 未経験でも獲得できる案件も多い
- 幅広いスキル・知識が身につく
- 人脈を作れる
- 本業の成果にも直結する
- 在宅で取り組める
- 独立に向けた経験を得られる
デメリット
一方で、エンジニアが副業案件に取り組むうえでは以下のデメリットがあることも覚えておきましょう。
- 自由な時間が少なくなる
- 肉体的・精神的な負担が大きくなる
- 確定申告の手間がかかる
- 本業の時間を圧迫してしまう
- 成果報酬型が多い
エンジニアが副業案件を獲得する際の注意点
エンジニアの副業案件を獲得する際には、以下の注意点を意識しておくべきです。注意点をしっかり押さえ、エンジニアの副業案件を通じた安定と充実を実現しましょう。
所属する企業が副業禁止ではないか
本業を行う企業が、そもそも副業禁止だった場合は案件を獲得できません。隠れて案件を獲得しても、何らかの理由でバレてしまうリスクがあるので注意してください。もし副業禁止の企業に所属しながらでも収入を上げたい場合は、まずその旨を上司に相談すべきです。契約形態の変更など、何らかの措置をとってくれる可能性があります。
本業が疎かになっていないか
副業案件を獲得できたからといって、本業を疎かにしては意味がありません。あくまでも「副業」であり、本業で足りない部分を補うものとイメージしておくべきです。例えば複数の副業案件を抱えていることで本業が疎かになるのであれば、いっそフリーランスに転向したほうがいいかもしれません。
確定申告が必要になるか
副業で収入を得た場合は、確定申告が必要になります。年間20万円を超える副収入がある場合は、次の年の2月〜3月頃に自分で確定申告をしなければなりません。もし確定申告を避けたいのであれば、年間で20万円以上の収入を得ないようコントロールしてください。ちなみに、副業で1円でも稼いだ場合は、住民税の申告も必要になります。
まとめ
今回は、エンジニアの副業事情を見ながら、案件の種類や獲得方法、副業に取り組むメリット・デメリットや注意点を紹介しました。エンジニアは副業との相性も良く、本業を行いながら案件を獲得する人も増加傾向にあります。市場ニーズも高い職種であるため、今後も副業案件が増えていくと予想できます。副業案件に取り組むことで、エンジニアとしてのスキルアップや新たなキャリア形成も可能です。今回紹介した内容を参考に、エンジニアの副業案件獲得を視野に入れてみてはいかがでしょうか。