360度評価とは?メリット・デメリットや評価コメント例を紹介

2023年1月11日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

昨今、新しい評価制度として注目を集めている「360度評価」を導入する企業が増えています。自分が入社した会社が360度評価を取り入れていた場合、制度の概要を知っておくと今後の成長に役立つでしょう。この記事では、360度評価のメリットやデメリット、運用方法について紹介します。

360度評価とは

360度評価とは、さまざまな立場の関係者が1人の社員を評価する制度です。一般的な人事評価は、上司がするものとされています。しかし360度評価は、上司以外にも同僚や部下、異なる部署の人が多面的に評価する制度です。評価制度の内容によっては、取引先顧客の声も抽出して評価対象とする場合もあります。まずは、360度評価をする目的や注目を集める理由について理解を深めましょう。

360度評価を行う目的

360度評価の目的は、評価者と被評価者のギャップを埋めて、効果的に評価することです。360度評価は、さまざまな立場の人からの評価を受けるため「客観的な評価を得るための手段」として有効です。多面的に評価されることで、被評価者の納得感を得やすい特徴もあります。そのことにより、会社へのエンゲージメントを高める効果も期待できます。
また、人事としても多くの視点から評価できるため、対象者について深く理解する機会になります。社員ごとの特性も洗い出しやすいため、改善すべき点や指導方法も考えやすくなるでしょう。

360度評価が注目される理由

360度評価は、より適切な評価が求められるようになった昨今において特に注目されはじめました。コロナ禍の影響でテレワークが推進され、上司が直接部下を指導する機会が減少しています。そのため、人事や上司が社員を一人ひとり適切に評価することが難しくなりました。このような状況下でも正当な評価を下せるように、多くの社員を巻き込んだ360度評価を導入する企業が増えており、注目を集めています。

360度評価のメリット

360度評価のメリットを上手く導入できている企業では、組織に属する多くの人が評価に対する納得感を抱いています。つまり、良い組織を醸成する下地ができているのです。ここでは、360度評価のメリットについて解説します。

評価に対する納得感が高まる

従来の評価方法では、上司が別のプロジェクトにかかりきりとなることも少なくありません。結果、対象者との関わりが少ない状況で評価する場面も生じるでしょう。そうなってしまうと「何を見て自分を評価しているのだろう?」と、被評価者に不信感を抱かせてしまう恐れがあります。しかし、あらゆる立場の人から評価される360度評価を取り入れることで、納得感を高めることにつながります。

自分の強み・弱みに気付きやすい

従来の評価制度では、上司が対象者を一方向から見て評価してきました。そのため、見落としてしまっていた点も多いでしょう。360度評価であれば、上司や部下、同僚といった複数の人間から評価されることによって、評価対象者が強み・弱みに気付きやすくなります。上司からは弱みと感じていた部分も、部下から見たら頼れる強みだったという考えの転換に気付けるかもしれません。

自己評価とのギャップが明らかになる

従来の評価制度の場合、上司は部下を評価するだけで、部下に評価される機会はありませんでした。そのため、お互いの間で認識のズレが生じることもあります。360度評価は他者だけではなく自己評価も行うため、両者とのギャップが明らかになります。
例えば、自分では調整役として立ち回っているつもりでも、同じチームメンバーには伝わっていないこともあるでしょう。この場合、評価のギャップが生じている理由を探ることによって、本人の意識・行動変革を促すことが可能です。

管理職の育成につながる

管理職が評価されることは自身の成長にもつながります。部下や同僚からの率直な評価を得ることで、現状の課題を認識できるでしょう。360度評価は、自己・他者評価の違いや関係者ごとに異なる評価から自己の強み・弱みを多面的に把握できます。そのため、一人ひとりが自己理解を深めることにつながるでしょう。また、上司においては指導・育成すべきポイントが明確になり、効果的な育成を期待できます。

360度評価のデメリット

360度評価には、いくつかデメリットがあるのも事実です。ただし、ルール整備や評価項目のわかりやすさ、コミュニケーションの取り方でデメリットを抑制できます。

不正が発生する可能性がある

360度評価では、示し合わせたうえでお互いに良い評価を付け合う約束をしたり、誰かを貶めるためにわざと低い評価をつけたりする可能性が考えられます。その結果、相互に信頼を失い、人間関係が悪化するリスクにつながるでしょう。このような事態を回避するには、普段から信頼関係を構築し、風通しのよい企業文化を醸成する必要があります。また、不正が起こらないルール作りも重要です。

不信感が生まれる場合がある

360度評価は、誰もが評価する側・される側となります。お互いに評価することで、周囲の人に対して不信感が生まれることも考えられるでしょう。評価を落とさないように、無難なコミュニケーションばかりになってしまう可能性もあります。評価ばかりを気にしてコミュニケーションがおろそかにならないような風土を、企業全体でつくることが大切です。また、文章で評価項目を記入する場合は、避ける言葉や表現などを定めておくことをおすすめします。

全体の業務負担が増える

360度評価は、他人を評価したことがない人も参加しなければなりません。評価内容の一貫性を担保するために、仕組みを新しく構築することにより業務負担が増えてしまいます。
例えば、評価項目が抽象的な項目ばかりだと、評価者によっては質問の意図を汲めず、バラバラな意見になりがちです。誤った評価を避けるには、すべての評価者が意図を理解できるように明確な項目設定が重要です。

評価を気にした指導や育成に陥りやすい

部下が上司を評価するようになると、部下からの評価を気にして中途半端な指導・育成になる可能性もあります。「仕事は仕事」と厳しく指導できる上司が減ってしまうと、組織力の低下にもつながるでしょう。ルール作りや適切なコミュニケーションを意識することで、厳しい指導でも納得して取り組めるようになります。

【パターン別】360度評価のコメント例

360度評価は対象ごとに、見るべきポイントや配慮したい点が異なります。ここでは、具体的なコメント例と注意したい点をそれぞれに分けて解説しているので、チェックしてみましょう。

同僚を評価するパターン

【例】
日常業務から、こちらが行動する前に仕事の準備をしてくれて助かっている。そのように動いてもらえると、こちらも〇〇さんの助けになりたいと、周囲を見る習慣がついた。これからも互いに助け合える関係を築きたいと思う。

同僚を評価する場合は、以下の点に注意しましょう。

  • 好き・嫌いの個人的感情は抑える
  • コメントで同僚を傷けないように配慮する
  • 同僚だからこそ気付ける面を記載する

部下を評価するパターン

【例】
自分の力よりも少しストレッチした目標を掲げて、実際に達成した点を評価したい。忙しい中、後輩の指導にも積極的に取り組んでいるところが印象的。今後も部を牽引する存在として期待している。

部下を評価する場合は、以下の点に注意しましょう。

  • スキルや意欲、成果を見る
  • 成果が不十分でも、ポジティブな面を考慮する
  • 改善点を押し付けないように意識する

上司を評価するパターン

【例】
良い成果が出なくても、積極的な姿勢を見て意欲面を高く評価してくれるので、根気強く仕事に励める。また、話しやすい雰囲気づくりを意識してくれるおかげで、自分の意見を提案しやすい。意見を出せなくて後悔したことはなく、納得いく状態で業務に取り組めている。
実績ばかりでなく普段の行動をよく見て、声をかけてくださるので、仕事をするうえで励みになっている。部内を明るい雰囲気にするようにしてくれているので、周囲に意見を言いやすい。忙しいときでも前向きに業務に取り組めている。

上司を評価する場合は、以下の点に注意しましょう。

  • マネジメント力を中心に評価する
  • 好き・嫌いで判断しない
  • 建設的な意見を述べるように意識する

360度評価の評価項目と運用方法

評価項目は具体的に設定する必要があります。以下の一例を参考に、適切な項目を作成しましょう。

  • 課題思考力:難しい課題でも情報収集をして自分で考えて打開できる
  • 判断力:現状を冷静に分析、責任を持って合理的な意思決定できる
  • リーダーシップ:他者と仕事に取り組むうえで、前向きな姿勢で周りの人を牽引できる
  • 人材育成:適切な指導や指示をして、他者のスキル・意識向上できる
  • 経営理念の理解:適切な業務目標の設定、経営理念に沿った方針を立てられる

また、評価項目を設定する際、項目数や回答時間にも配慮が必要です。目安としては項目全体で30問、回答時間は15分以内に収まるように設定しましょう。質問数や回答時間が適切でなければ、集中力や判断能力が下がります。結果、正しい評価を得られないため、注意しましょう。また、360度評価を運用する際は、以下6つのフローに従って進めるとスムーズです。

  1. 実施目的の明確化
  2. 評価者と被批評家者の選定
  3. 評価項目の設定
  4. 社員への周知
  5. 360度評価の実施
  6. 被評価者へのフィードバック

いずれも当事者の理解がなければ、上手に運用できない可能性があります。特に、フィードバックを除いてしまうと、360度評価を導入した意味を為しません。

まとめ

今回は360度評価について、メリットやデメリット、運用の観点で解説しました。360度評価は従来の評価方法と異なり、あらゆる立場の人から1人を評価します。そのため、納得感につながりやすい手法といえます。しかし、注意点を押さえて運用しなければ、導入効果を得ることが難しい側面もある制度です。記事の内容を参考にして、360度評価の概要を理解しておきましょう。

監修者・中田 潤一

中田 潤一

株式会社キーエンス株入社後、サントリー株式会社→アリババ株式会社→株式会社リクルート住まいカンパニー リクルート在籍時に株式会社Izulを立ち上げ、現在に至る。株式会社Izulを含め4社の代表取締役を勤める。スキルシェアサービス「タイムチケット」では就職・転職カテゴリーで46ヶ月連続1位獲得、年間アワードを3年連続受賞。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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