華やかなイメージの航空業界は、転職市場でも常に高い人気があります。しかし、航空業界は専門性が高く、ほかにはないスキルが必要です。そこでこの記事では、航空業界の主な業務内容や転職を成功させるポイントについて解説しています。航空業界への転職を目指す方はぜひ参考にしてください。
航空業界の概要
航空業界に転職するためには、業界の仕組みや特徴などを把握しておく必要があります。ここでは、それぞれの項目について詳しく解説します。
航空業界の仕組み
航空業界の主なビジネスモデルは、航空券を販売して収入を得る旅客輸送と、荷物を運ぶことで手数料を得る貨物輸送の2種類です。そのほかにも、ラウンジサービスやマイレージプログラムといった付加的なサービスの提供も行っています。航空業界は外的要因に影響されやすいうえに競争が激しいため、各社で収益構造を工夫しています。
メガキャリアの特徴
メガキャリアとは、JALやANAといった大規模空港事業者を指します。運行路線や本数が多いうえに、サービスも高品質なため、旅客にとって利便性が高く快適に利用できる点が強みです。ただし、その分価格もLCCと比べて高価に設定されています。
LCCの特徴
LCCとは「Low Cost Carrier」の略称で、格安航空会社を指す言葉です。メガキャリアと比べて価格設定が低い点が強みで、航空運賃を抑えたい旅客から多くの支持を得ています。ただし、サービスの内容や品質はメガキャリアに劣り、運行路線や本数も限定される傾向にあります。
航空業界の展望
航空業界はコロナ禍で大きな打撃を受けたものの、空輸の必要性やインバウンド需要などによって今後も安定した業績が予想されています。実際、メガキャリアであるJALやANAでは、2024年3月期の決算で増収増益を発表しました。今後は人口減少に対応するDX化の推進や、環境への配慮などが求められています。
未経験から航空業界に転職できる？
航空業界は専門性が高く特殊なスキルが求められるため、未経験からの転職は難易度が高いといえます。しかし、人手不足が近年深刻化していることもあり、これまでの実績や希望職種によっては未経験でも十分に転職が可能です。次の項目で航空業界の主な職種を紹介するので、自分の経験を活かせるかどうかチェックしてみてください。
航空業界の主な職種
航空業界にはパイロットや客室乗務員といった知名度の高い職種のほかにも、さまざまな職種が存在します。ここでは、それぞれの職種について詳しく解説します。
パイロット
パイロットは、乗客や貨物を目的地まで運ぶために航空機を操縦する仕事です。人の命を預かる業務のため、パイロットになるには高い操縦スキルや判断能力だけでなく、身体検査と養成訓練に合格する必要があります。ただし、近年はパイロットの高齢化が進んでおり、人手不足が課題になっています。
客室乗務員
客室乗務員とは、航空機に搭乗して機内サービスの提供や機内環境の整備を行う仕事です。また、緊急時に乗客の安全を確保する保安要員としての役割も求められます。客室乗務員には特別な資格はいりませんが、高いコミュニケーション能力・ホスピタリティ・語学力といったさまざまなスキルが必要です。
グランドスタッフ
グランドスタッフとは、飛行機を定刻通り安全に出発させるためのサポートを行う仕事です。具体的には、カウンターのチェックインや出発前・到着時の確認作業、ラウンジでの対応などが挙げられます。グランドスタッフも特別な資格は必要ないものの、適正と高いホスピタリティが求められ、転職は狭き門といえるでしょう。
整備士
整備士とは、航空機の整備・点検を行う仕事です。業務範囲はエンジン・機体・電気系統など多岐にわたるうえに、整備不良が大事故につながるおそれがあるため、整備士には航空機に関する専門知識や高度な技術力が求められます。また、航空整備士の資格が必要になるため、専門学校で学んでからの転職が一般的です。
航空管制官
航空管制官とは、空港の管制塔から航空機を目視し、安全に運行するための指示を出す仕事です。具体的には、離着陸や飛行中の管制・走行経路の指示・緊急時の対応といった業務を担当します。航空管制官は国家公務員に該当するため、国土交通省による航空管制官採用試験に合格する必要があります。
税関職員
税関職員とは、空港などで輸出入される貨物を検査し、違法な物品の出入りを防ぐ仕事です。輸入された貨物に対して、法律で決められた税金をかける役割も担っています。なお、税関職員も国家公務員に該当するため、人事院が主催する一般職試験に合格する必要があります。
入国審査官
入国審査官とは、日本を訪れる外国人や出国する日本人の入出国に関する管理を行う仕事です。空港でパスポートやビザを審査するほかに、在留審査・難民認定といった審査・調査業務も担当します。また、入国審査官も国家公務員に該当するため、一般職試験に合格する必要があります。
運行管理
運行管理とは、航空機の飛行ルート・プランを作成する仕事です。当日の天候情報や機体の状態、総重量だけでなく、別の飛行機のルートなども参考にしながら、最適な飛行計画を作成します。なお、運行管理の仕事に就くには、2年間の実務経験を積んだうえで、運航管理者技能検定に合格する必要があります。
グランドハンドリング
グランドハンドリングとは、航空機が空港に到着したあと、次のフライトに向けてサポートを行う仕事です。具体的には、航空機の誘導・搭載貨物の積み下ろし・給油・機内清掃といった幅広い業務を担当します。グランドハンドリングになるために特別な資格はいりませんが、フォークリフトなどの運転免許があると転職で有利に働く場合があります。
事務職
航空会社にも、一般の企業と同じように事務業務を担う部署が存在しています。事務職は航空機やフライトに直接関わることは少ないものの、人事労務管理・新商品の企画・マーケティングなど、航空会社の売上や品質向上に関わる重要な仕事です。航空会社や部署によって求められるスキルや資格は異なるため、応募する前に求人を確認しておきましょう。
航空業界の転職で求められるスキル
航空業界に転職するためには、さまざまなスキルが求められます。ここでは、主なスキルを6つ紹介します。
コミュニケーション能力
航空業界ではさまざまな旅客と接する機会が多いため、コミュニケーション能力は特に重要です。相手の要望を汲み取り、気持ちを理解したうえで、自分の意見や必要な情報を伝えるスキルが求められます。また、お客様対応だけでなく、社内でもさまざまな部署や立場の人との関わりが多い業界といえるでしょう。
課題解決力
航空業界では、航空機の遅延や欠航・機材トラブル・クレームなどさまざまなトラブルが発生します。どのような状況でも適切に対処するためには、優れた課題解決力が必要です。また、職種によっては乗客の安全を左右する事態に立ち会う場合もあるため、適切な対処法を迅速に判断するスキルが求められます。
協調性
航空業界では社内外のさまざまな人と連携することが多いため、協調性の高さが重視されます。異なる立場の人と連携を取りながら、意見や考え方の違いを受け入れる柔軟さが必要です。チームプレーが苦手だと、航空業界は合わない可能性があります。
ホスピタリティ
接客の機会が多い航空業界では、高いホスピタリティが求められます。特に旅客と直接接する客室乗務員やグランドスタッフは、思いやりや相手を尊重する姿勢が必要不可欠です。旅客を第一に考えられる人が適任でしょう。
責任感
航空業界の業務は旅客の安全に関わるため、採用においては責任感の強さも重視されます。中途半端な気持ちで業務に取り組むと、重大事故につながる可能性もあります。責任の大きさを十分理解したうえで、真摯に業務を遂行できる人材が評価されやすいでしょう。
語学力
空港には国内外からさまざまな人が訪れることから、英語をはじめとした語学力が必要です。実際、ほとんどの求人では英検やTOEICが必須条件として提示されています。ただし、部署や職種によって具体的な基準が異なるため、応募前に必ず確認しておきましょう。
航空業界への転職を成功させるポイント
ここでは、航空業界への転職を成功させるポイントを4つ紹介します。転職活動をスタートさせる前にぜひチェックしてみてください。
業界研究を徹底的に行う
航空業界の求人に応募する前に、必ず業界研究を徹底的に行いましょう。業界の特色やビジネスモデル、今後の展望などを理解しておくことで、転職活動をスムーズに進めやすくなります。また、説得力のある志望動機を作成する際にも役立ちます。
その航空会社を選ぶ理由を明確にする
航空業界は大きくメガキャリアとLCCに分かれており、それぞれ多くの会社が存在します。面接では志望理由を必ず問われるので、明確に答えられるよう準備が必要です。どの企業にも当てはまる内容を答えてしまうと、かえってネガティブな印象を与えてしまうため注意してください。
航空業界に必要なスキルや資格を取得する
航空業界は基本的に高いスキルが求められるうえに、職種によっては特定の資格や試験が必要となる場合があります。要件を満たしていないと応募すらできないため、事前に必ず確認するようにしましょう。場合によっては、専門学校での勉強が必要になることもあります。
転職エージェントに相談する
航空業界への転職を確実に成功させたい方は、転職エージェントの利用もおすすめです。転職エージェントは業界の内部事情に精通していることが多く、転職活動において有意義なアドバイスを受けられます。原則すべてのサービスを無料で利用できるため、まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。
まとめ
この記事では、航空業界に転職するためのポイントについて解説しました。航空業界は転職市場で高い人気があり、どの職種も競争率が高い傾向にあります。未経験から転職するのは特に難しいため、転職活動の際は転職エージェントを利用するのがおすすめです。Izulの転職エージェントでは、徹底的にヒアリングしたうえで、求職者のキャリア形成を重視した伴走型のサポートを実施しています。まずは相談からでもお気軽にご利用ください。
