キャリア形成で悩んだ際に、自分の適性や適職についてアドバイスを受けられるキャリアカウンセリング。転職や再就職を機に、利用を検討している方も多いのではないでしょうか。この記事では、キャリアカウンセリングの効果や受けられる場所について解説します。キャリアカウンセリングを利用すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
キャリアカウンセリングとは?
キャリアカウンセリングとは、個人のキャリア形成支援を目的とした1対1の面談のことです。キャリアカウンセラーは相談者の話を聞きながら、適正の高い仕事や企業にアピールすべきポイントについてアドバイスを行います。仕事に関することだけでなく、職場の人間関係や家庭環境といったさまざまな悩みも相談できるため、人生を前向きに捉えながら今後のキャリアを構築していくことが可能です。
キャリアカウンセリングが注目される背景
キャリアカウンセリングが注目されるようになった背景として、雇用のあり方やキャリアの選択肢が多様化したことが挙げられます。ここでは、キャリアカウンセリングが注目される背景について解説します。
雇用のあり方の変化
日本の雇用環境は、ここ30年ほどで従来の年功序列型から大きく変化しています。これまでは新卒で入社した会社に定年まで勤め続けることが当たり前とされ、その企業の中でキャリアを考えるケースが一般的でした。しかし、バブル景気の崩壊やリーマンショックなどによる経済不況をきっかけに終身雇用制度が崩れ、ひとつの環境にとらわれないキャリア形成が求められています。
キャリアの選択肢の多様化
雇用のあり方が変化すると同時に、キャリアの選択肢も大幅に増加しました。多くの企業で在宅勤務やフレックス制度などの柔軟な働き方が導入され「家事と仕事を両立させたい」「地方に移住したい」と、仕事の価値観も多様化しています。自分に合った選択肢を見つけるために、キャリアの専門家であるキャリアカウンセラーに相談するケースが増えてきています。
キャリアカウンセリングの効果
キャリアカウンセリングの存在を知っていても、どのような効果を得られるのかまでは把握していないという方も多いでしょう。ここでは、キャリアカウンセリングの効果を5つ紹介します。
キャリアに対する不安の解消
キャリアカウンセリングでは仕事から家庭環境までさまざまな内容を相談できるため、精神的な不安を和らげることが可能です。たとえば、現職の不満や転職活動への焦りをキャリアカウンセラーに伝え、適切な助言を受けることで、転職に対して前向きに考えられるようになります。具体的な悩みがなくても、今後のキャリアについて漠然と不安を抱えている方にもおすすめです。
自己理解が深まる
キャリアカウンセリングを通して自分の適性・適職や強みとなるスキルがわかるため、自分自身に関する理解を深められます。専門家であるキャリアカウンセラーから客観的な指摘を受けることで、自分で認識していなかったポイントに気づける点も嬉しいポイントです。結果、より自分に合った理想のキャリアプランを描きやすくなります。
業界・職種の理解が深まる
さまざまな職種や業界に関する知識を持つキャリアカウンセラーに相談することで、自分が興味のある分野の理解が深まる点もキャリアカウンセリングの魅力です。職種に就くために必要なスキルやキャリアパスを知ることで、転職活動に活かしやすくなるだけでなく、自分に合う仕事を見つける際にも役立ちます。
転職活動の対策ができる
キャリアカウンセリングの多くは、就職・転職に向けた支援も行っています。企業の視点から履歴書の作成や面接対策についてアドバイスをもらえるため、自信を持って転職活動に挑みやすくなるでしょう。また、面接の模擬練習やロールプレイングなど、実践に近い形式で練習することも可能です。
キャリアプランを立てられる
キャリアカウンセラーにこれまでのキャリアや仕事・家庭などの悩みなどをざっくばらんに話すことで、自分の価値観が整理され「これから自分がどのようなキャリアを積み上げていきたいのか」を見つめ直す機会が生まれます。将来の方向性が決まることで、自分に合ったキャリアプランを作成できる点もキャリアカウンセリングの強みといえるでしょう。
キャリアカウンセリングをおすすめする人
キャリアカウンセリングはキャリアへの不安を解消し、自分に合った選択肢を見つけやすくなる点がメリットです。そのため、下記に当てはまる人はキャリアカウンセリングの利用をおすすめします。
- 自分の適職がわからない
- 転職しようかどうか迷っている
- 今の仕事を続けていいのかわからない
- キャリア設計についてプロの意見を聞きたい
キャリアカウンセラーの客観的なアドバイスを通して、自分の強みや思考の癖に気づけます。
キャリアカウンセリングを受けられる場所
ここでは、キャリアカウンセリングを受けられる代表的な場所を4つ紹介します。
転職の支援会社
転職の支援会社では、転職の成功に向けてキャリアカウンセリングを実施しています。カウンセリングによって仕事における強みやアピールポイントが明確になるため、よりマッチ度の高い求人を紹介してもらうことが可能です。転職活動を検討している方はぜひ最初に利用してみましょう。
社内のキャリア相談窓口
企業によっては、会社内にキャリア相談窓口を設置してキャリアカウンセリングを行っています。人材配置の適正化や個々の能力向上を目的としていますが、社内のトラブルや悩みを相談することも可能です。また、在職中の企業で明確なキャリア像を持っている方にも役立つでしょう。
国・自治体の職業紹介所
キャリアカウンセリングは、国や自治体が運営している公的な職業紹介所で受けることも可能です。有名な場所としては、ハローワーク・東京しごとセンターなどが挙げられます。転職活動中の方だけでなく、中高年層や障がいのある方に向けた支援も行っている点が特徴です。多くの場合、カウンセリングと職業訓練がセットになっているため、スキルを身につけてキャリアアップを図りたい人にも適しています。
民間のキャリアカウンセラー
民間の企業や団体などでキャリアカウンセリングを行っている場合もあります。公的な支援は受けられないものの、中立的な立場でアドバイスを受けられる点が魅力的です。また、家庭や人間関係についての悩みなど、キャリアに関わらず人生全般の相談に乗ってもらえます。
キャリアカウンセリングの料金相場
キャリアカウンセリングの料金は企業や団体によって振れ幅が大きく、1回あたり数千円〜1万円程度が相場とされています。ハローワークなどの公的機関では、キャリアカウンセリングを無料で受けられます。ただし、民間企業の場合は料金が発生するのが一般的です。ただし、民間企業のなかには無料でキャリアカウンセリングを受けられるところもあるため、事前に公式サイトなどを確認しておくとよいでしょう。
参考:キャリアカウンセリング料金の一般的な相場
キャリアカウンセリングを受ける際の注意点
ここでは、キャリアカウンセリングを受ける際の注意点について解説します。キャリアカウンセリングの効果を十分に発揮するためにも、下記の内容を意識して面談に臨みましょう。
自分でもキャリアプランを考えておく
キャリアカウンセリングを利用する前に、自分でも今後のキャリアプランをある程度考えておくとよいでしょう。将来どのような仕事・生活をしたいのか具体的に説明することで、キャリアカウンセラー側もより的確なアドバイスを行いやすくなります。なかなかイメージが沸かない場合は、上司や先輩など身近な人のキャリアプランを参考にするのもおすすめです。
履歴書や職務経歴書を用意しておく
転職活動についてアドバイスをもらいたい場合は、事前に履歴書や職務経歴書を用意しておくと効率よくサポートを受けられます。キャリアカウンセリングの時間は決められていることが多いため、先に相談内容をまとめておくとより有益な機会にすることが可能です。
合わない場合は変更する
キャリアカウンセリングでは「カウンセラーと合わない」と感じた場合は遠慮せずに変更することが大切です。キャリアカウンセラーとの相性が悪いと、キャリアプランの形成に支障をきたす可能性があります。特に、思うように話が噛み合わない場合や、自分のことを理解してもらえている実感がない場合は注意が必要です。
まとめ
この記事では、キャリアカウンセリングの特徴や効果について解説しました。キャリアカウンセリングは公的機関・民間企業ともにさまざまな種類があるため、自分の悩みや目指す将来像に合わせて利用することが求められます。キャリアカウンセリングを効果的に活用し、理想的な働き方・生き方を見つけましょう。