介護士は日本の高齢化社会を支える重要な職種ですが、その業務の過酷さから転職を考える方も多くいます。この記事では、介護士が他業種に転職する際のポイントやおすすめの転職先について解説します。介護士からの転職を目指す方はぜひご参考にしてください。
介護士から転職する主な理由
介護士からの転職理由として多いのが、業務が過酷になりやすいことです。介護士は夜勤や残業が多く、肉体労働が伴うため、疲労やストレスが溜まりやすい傾向にあります。また、労働量に対して給与が低いことも、転職を検討する一因となっています。
介護士から転職する際の主な選択肢
介護士から転職する際の主な選択肢は3つあります。それぞれを詳しく解説します。
介護士として他施設に転職する
介護士の転職でまず考えられる選択肢は、同職種での他施設への転職です。これまでの経験やスキルを活かせるため、業務内容よりも職場環境に不満がある場合に有効です。ただしこの場合、労働量や待遇の大幅な改善は期待しにくいので注意が必要です。
介護士の経験を活かせる職種に転職する
福祉の仕事は続けたいものの、介護士の仕事が合わないと感じる場合は、関連する業界へ転職する選択肢もあります。例えば、福祉・医療業界であれば、仕事を通して人々の健康や暮らしをサポートでき、介護士の経験も活かしやすいでしょう。
未経験の職種に挑戦する
介護や福祉業界自体が合わない場合や、新しいことに挑戦したい場合は、未経験職種への挑戦も可能です。これまでの業務経験は活かしづらいかもしれませんが、スキルアップや新たなやりがいを見つけられる可能性があります。ただし、介護士の経験が評価されにくいため、転職活動が難航することが懸念されます。
介護士が転職で活かせるスキル
介護士からの異業種転職でも、身につけたスキルは活かせます。ここでは、介護士が転職で活かしやすいスキルを4つ紹介します。
コミュニケーション能力
介護士は利用者やその家族、医師や看護師など、人と接する機会が多い仕事です。そのため、業務を通じて自然にコミュニケーション能力が身につきます。相手の気持ちを汲み、意思疎通するスキルは組織で働くうえで重要なため、どの職種でも十分に活かせるでしょう。
協調性
介護士の業務はほかの職員や医師・看護師などと連携して行うチームワークです。業務を通じて身につけた協調性は、転職先の会社でも十分な強みになるでしょう。転職活動でアピールする際は、協働の重要性を具体的なエピソードとともに伝えることが大切です。
傾聴力
介護士は利用者やその家族から丁寧に話を聞き、要望を汲み取りながら業務を進める必要があります。業務で身につけた傾聴力はほかの職種でも重要なため、転職先でも十分に活かせるでしょう。特に営業やコンサルなど、顧客と接する仕事で重宝されます。
体力・精神力
介護士は業務のなかで利用者の体重を支える機会が多く、自然に体力がつく仕事です。また、ハードワーク傾向や利用者の命を預かる責任から、精神力も求められます。体力や精神力はほかの職種でも必要なため、転職先でも重宝されるでしょう。
介護士からの転職におすすめの他業種
ここでは、介護士からの転職におすすめの業種を8つ紹介します。介護士以外の仕事に就きたい方はぜひ参考にしてください。
保育士
保育士は利用者の年齢に違いがあるものの、人の世話をする点で介護士と共通しています。そのため、生活の援助にやりがいを感じる方向きといえます。ちなみに、介護福祉士の資格保有者は保育士試験科目の一部が免除されます。
看護師
看護師は医師の診断に従って、傷病人の看護やサポートを行う仕事です。介護士と共通する点も多く、業務経験を活かしやすいでしょう。また、介護士と比べて給与が高めな点も魅力です。ただし、看護師の資格取得には時間がかかるため、計画的に行動しましょう。
医療事務
福祉領域を希望するものの介護職から離れたい場合は、医療事務もおすすめです。医療事務の主な業務内容として、受付・会計・レセプト業務が挙げられます。レセプト業務には専門的な知識が必要ですが、医師や看護師と接する機会が多い介護士経験者にとっては比較的理解しやすいでしょう。
心理カウンセラー
心理カウンセラーは、カウンセリングなどを通じて心の問題を持つ方のサポートを行う仕事です。患者の問題解決には傾聴力やコミュニケーション能力が求められるため、介護士の経験を活かしやすいでしょう。介護職のなかでも、利用者の精神的なケアにやりがいを感じている方におすすめです。
介護タクシー
介護タクシーとは、1人での外出時に公共交通機関の利用が困難な方を対象としたタクシーです。乗降車の補助や車椅子のサポートなどの身体援助が必要なため、介護職で培ったスキルを活かせます。介護施設や病院との連携が多いですが、介護士経験があれば円滑に取り組めるでしょう。
営業職
介護士とはまったく異なる職種に挑戦したい場合は、営業職がおすすめです。営業職はコミュニケーション能力があれば特別な資格やスキルは必要ないため、未経験でも転職しやすい傾向にあります。特に介護士として利用者と積極的にコミュニケーションを取り、適切な対応を行った経験は転職先でも評価されやすいでしょう。
接客業
営業職と近い職種のなかでは、接客業もおすすめです。接客業では顧客と直接やりとりするため、介護士として利用者やその家族の話に耳を傾け、ニーズや要望を汲み取った経験が活かせます。ただし、介護士と同様に勤務が不規則になりやすい点は事前の理解が必要です。
IT関連職
専門的なスキルを身につけたい場合は、IT関連職を目指すのも選択肢のひとつです。IT業界は年々需要が拡大する一方、慢性的な人材不足が続いています。そのため、基本的なパソコンスキルがあれば未経験でも比較的挑戦しやすい傾向があります。ただし、IT技術は日々進歩し続けるため、転職後も学び続ける必要があります。
介護士からの転職を成功させるポイント
ここでは、介護士からの転職を成功させるためのポイントを4つ紹介します。転職活動を始める前にぜひチェックしてください。
転職理由を明確にしておく
転職活動の前に「なぜ介護士から転職したいのか」を明確にしましょう。現状への漠然とした不満でなんとなく転職を決めると、入社後にミスマッチを引き起こすおそれがあります。転職理由をあらかじめ整理しておけば、自分に合った選択肢を選びやすくなるでしょう。
希望条件に優先順位をつける
転職先を選ぶ際は、希望条件に優先順位をつけるとスムーズです。特に未経験職種に挑戦する際は、条件にこだわりすぎると難易度が上がるため注意しましょう。譲れない条件だけ2〜3つピックアップして、そのほかはある程度許容するのがおすすめです。
資格を取得する
未経験職種への転職では、資格取得も有効です。例えばIT職種を目指す場合は、プログラミングや情報系の資格があると未経験でも採用されやすくなるでしょう。ただし、職種によっては資格のみでは評価されない場合があるため、事前のリサーチをおすすめします。
転職エージェントを活用する
仕事が忙しくて転職活動にあまり時間を割けない場合は、転職エージェントを活用するとよいでしょう。転職エージェントでは、求人紹介だけでなく、応募書類の添削や面接練習、企業との交渉など転職活動を一貫してサポートしてもらえます。ほとんどのサービスが無料で利用できるので、一度相談してみるのもおすすめです。
まとめ
この記事では、介護士からの転職を成功させるポイントを解説しました。介護士から他業種に転職する場合、似た業界であれば経験を活かせるためスムーズな転職が見込めます。一方、未経験の職種は転職の難易度が上がるため、自信がない場合は転職エージェントに相談してみるとよいでしょう。Izulの転職エージェントでは、徹底的にヒアリングしたうえで、求職者のキャリア形成を重視した伴走型のサポートを実施しています。まずは相談からでもお気軽にご利用ください。