うつ病になったら転職すべき?判断のポイントや注意点を解説

2023年11月4日

2023年10月4日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

うつ病になると、会社を辞めたい・転職したいなど、現在とは異なる環境に身を置きたくなる場合があります。その場の勢いで転職することは、おすすめできません。心身の状態や経済的な事情などを踏まえ、転職すべきかどうかや転職のタイミングなどを判断することが大切です。この記事では、うつ病を発症した際の転職の判断ポイントや注意点について解説します。

うつ病で転職を考えるときの注意点

うつ病を発症すると冷静な判断ができなくなり、突発的に行動してしまう場合があります。うつ病を発症して転職を考えるようになった際は、次の注意点を押さえて行動しましょう。

まずは休職する

転職よりも前に休職を検討しましょう。ただし、労働基準法や労働契約法といった労働に関わる法律には休職の規定がなく、休職制度を設けるかどうかは企業側に委ねられています。休職制度があるかどうかを人事担当者や上司に確認し、利用可能であれば休職することを検討しましょう。

休職して仕事から離れると、気持ちが落ち着いて冷静に判断できるようになる場合があります。

その場の勢いで退職しない

うつ病の症状が強いときは「心理的な視野狭窄」と呼ばれる状態となり、判断力や思考力が低下しています。心理的な視野狭窄状態で退職や転職を決断すると、後悔する結果になりかねません。

また、気力が低下していることで転職先を十分に見極められず、転職後も厳しい職場環境にさらされて症状が悪化する恐れもあります。

身近な人に相談する

うつ病を発症したときは、身近な人に相談することが大切です。アドバイスを得ることで視野が広がりやすくなるでしょう。ただし、人によってアドバイスの内容は異なるため、多くの人に相談した結果、結局どうすればいいかがわからなくなる可能性もあります。

このような懸念がある場合は、うつ病患者が利用できる支援機関を頼るのも1つの方法です。

転職が決まってから退職する

少しでも早く現在の職場から離れたいと思っても、転職先が決まってから退職する方がよいでしょう。転職先が決まっていないということは、有給休暇がなければ無収入の状態です。会社都合退職であれば雇用保険から早い段階で失業手当を受け取れるため、貯蓄があれば生活に困る心配は少ないでしょう。

しかし、自己都合退職の場合は失業手当を受け取れるまでに数ヶ月かかるため、生活に困窮するだけでなく、せっかくの貯蓄もなくなってしまいます。そのような状態では転職活動もままならないため、転職先が決まってから退職することが大切です。

うつ病で転職するかどうかの判断のポイント

うつ病で転職するかどうかは、会社がうつ病に対して理解があるか、異動は可能かなど、さまざまな要素を踏まえて判断しましょう。判断のポイントについて詳しく解説します。

会社の理解を得られるかどうか

うつ病に対して会社の理解があるかどうか確認しましょう。理解がない場合、辛そうにしていると「甘え」と言われるかもしれません。また、早退を申し出て嫌な顔をされ、うつ病が悪化する恐れもあります。

部署・業務の変更が可能かどうか

部署や業務が原因でうつ病になった場合は、異動や業務の変更が可能かどうか確認しましょう。原因となっている部署や業務から離れることで、うつ病の症状が軽快する可能性があります。部署や業務の中でも、具体的にどの部分がうつ病に影響を及ぼしたのかを考え、上司や人事担当者から理解を得られるように具体的に話すことがポイントです。

会社の存在がうつ病の原因になっているかどうか

会社の存在そのものがうつ病の原因になっている場合は、転職することで症状が軽快する可能性があります。この場合は、部署や業務を変更しても状況が改善しないと考えられます。会社にいるだけで気分が憂うつになるような場合は、早めに転職するのがおすすめです。

うつ病を隠して転職活動をするメリット・デメリット

うつ病であることを採用担当者に伝えると、選考で不利になる場合があります。ただし、うつ病を隠すのがよい選択とは限りません。うつ病を隠して転職活動をするメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。

メリット

うつ病を隠して転職活動する場合は、「うつ病だからすぐに退職しそう」といったイメージを持たれる心配がなくなります。ただし、うつ病を隠していても、症状が強いときに採用面接を受けるとマイナスイメージを与える恐れがあります。

デメリット

うつ病であることが入社後に発覚すると、良い印象は持たれないでしょう。今後のキャリアにも影響を及ぼす可能性があるため、長く勤めたい、キャリアアップを目指したいといった場合は、うつ病に理解のある会社を探すことが大切です。

うつ病を隠さずに転職活動をするメリット・デメリット

うつ病を隠さずに転職活動をすると、どうしても採用される可能性は低くなるでしょう。メリット・デメリットについて詳しく解説します。

メリット

うつ病を隠さなければ、採用後にバレて評価が下がるような心配がなくなります。また、症状が落ち着くまでは、そのときの自分に合った業務を与えてくれるケースもあります。うつ病に理解がない会社に転職しても、再び症状が強くなったときに再度転職したくなるかもしれません。将来のことを考えるのであれば、うつ病を隠さずに転職活動をした方がよいでしょう。

デメリット

うつ病を隠さない場合「うつ病だからすぐに休みそう・退職しそう」といった偏見を持たれる恐れがあります。素晴らしいスキルを持っていても、偏見を持たれると採用に不利になるでしょう。ただし、うつ病に理解のある会社であれば、大きなマイナス評価にはなりません。

うつ病での転職活動のポイント

うつ病を理由に転職活動をするのであれば、次の2点を押さえましょう。

うつ病を改善してから転職活動をする

転職活動を開始するタイミングは、うつ病を改善してからです。ただ、会社の存在そのものがうつ病の原因になっている場合は、退職を優先した方がよいかもしれません。その際は、経済的な問題を抱えることにならないか十分に考えたうえで、最も被害が少ない方法を選ぶことが大切です。

例えば、いったん実家に帰って療養するのも1つの方法です。緊張から解放されることで、うつ病が改善しやすくなる可能性があります。

うつ病に理解がある会社への転職を検討する

うつ病に理解のない会社に転職すると、再びうつ病になったときに退職を迫られることになりかねません。そうなれば、再び立て直しを図ることになりますが、1回目よりも2回目の方が精神的な負担が大きくなるのではないでしょうか。

なるべくうつ病に理解がある会社に転職して、悪化のリスクに備えましょう。

まとめ

うつ病を理由に転職を検討する際は、休職を視野に入れることをおすすめします。休職することで精神状態が落ち着いて、以前のように働けるようになる可能性もあります。うつ病が寛解(ほとんど)症状が現れなくなること)するまでにかかる期間には個人差があるため、なるべくうつ病に理解がある会社を選ぶとよいでしょう。

監修者・江部 臨太郎

江部 臨太郎

新卒からアパレルショップ「FREAK'S STORE」に4年勤務。顧客売上全国1位を達成し副店長に昇格後、うなぎ屋「のだや」に転職。ホール責任者として2年勤務し、1年間の無職期間を挟み、リクルートに入社。広告メディア「SUUMO」を取り扱う一気通貫型の法人営業に2年間従事し、在籍期間で合計6回の社内表彰を獲得。その後、転職サイトdodaなどを取り扱うパーソルキャリアの新規事業開発室「Innovation Lab.」に転職。サービス業向けのDXを行うバーティカルSaaS「Sync Up」の新規事業立ち上げにBizサイド1人目としてジョイン。SaaS型パイプラインセールスの基盤構築と事業拡大に貢献。その後、パーソルイノベーションに転籍し、同事業部で計2年間、社内スタートアップの "0→1" フェーズに携わり、現職へ。執行役員として人材紹介サービス「Izul」の立ち上げに参画。現在はIzulの事業全体の戦略推進担当を担いながら、キャリアアドバイザーチームのマネジメント、及び自身もプレイヤーとして活動中。同時に個人事業主として、住宅メーカーやインテリアショップなどtoC事業者に向けたコンサルティング業務に従事している。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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