ある程度キャリアや年齢を重ねると、管理職を目指す人は多くなっていきます。しかし、管理職として転職するのは一般的に難しいとされています。そこでこの記事では、管理職の転職を成功させるポイントや注意点について解説しています。管理職での転職を目指す方はぜひ参考にしてください。
管理職の定義
管理職とは、企業のなかで一定の権限を持ち、組織のマネジメントを担うポジションです。日本の企業では、「部長」「課長」「係長」などの役職が該当します。部下を管理して組織を指揮統括する立場にあたるため、一般社員と比べて責任が重くなる点が特徴的です。その対価として、管理職には大きな裁量や高い給与が与えられます。
管理職の転職が難しいといわれる理由
一般的に、管理職の転職は難しいといわれています。ここでは、その主な理由を4つ紹介します。
転職サイトでの求人数が少ない
管理職は社内でも限られた人しか就けない役職のため、一般社員と比べて転職サイトに掲載される求人数が少ない傾向にあります。また、そもそも一般公開されていないことも多く、非公開やヘッドハンティングで採用が決定するケースも多く見られます。そのため自分に合う求人がなかなか見つからず、応募先を探す段階で苦労しやすいでしょう。
現職より条件を上げづらい
ある程度の年齢やキャリアを積んでいると、現職でもそれなりの好待遇を受けていることがあります。そのため、転職して年収アップを狙おうとしても、今以上によい条件の求人を見つけるのは難しいでしょう。また、管理職にキャリアアップした場合、残業代が支給されなくなるため結果的に年収が下がる場合もあります。
選考基準が厳しい
管理職は企業にとって重要なポジションとなるうえに、一般社員に比べて年収が高くなる傾向にあります。また、万が一採用に失敗すると、従業員や組織全体に大きなダメージを与えます。そのため、企業は応募者に対して厳しい選考基準を設けるケースがほとんどです。もし求人に応募できたとしても、選考を突破するのは容易ではないでしょう。
企業によって管理職の役割が異なる
ひとくちに管理職といっても業務内容は多岐にわたるうえに、企業によって求められる役割は異なります。そのため、現職で管理職やマネジメント業務の経験があったとしても、実績を定量的にアピールするのは容易ではありません。応募書類や面接で自己アピールする際は、伝え方を工夫する必要があるでしょう。
管理職で転職するメリット
管理職で転職する最大のメリットは、現職より年収やキャリアがアップすることです。管理職は裁量権と大きな責任を与えられる代わりに、ヘッドハンティングなどによる好条件の転職が期待できます。また、今の職場や人間関係に不満がある場合、転職によって環境を変えられるといった利点もあります。
管理職で転職するデメリット
管理職は企業にとって重要なポジションにあたるため、転職によってプレッシャーを感じることが考えられます。新しい職場環境や社風に早く馴染みながら、業務をこなさなければいけないことから、大きなストレスを受けやすいでしょう。また、企業によって管理職に求められる要素が異なるため、前職の経験を活かせないこともあります。
企業が管理職の中途採用を行うタイミング
管理職の中途採用は、一般社員より機会が少ない傾向にあります。ここでは、企業が中途採用を行う主なタイミングを3つ紹介します。
現任の管理職が退職する
現任の管理職が退職した際、企業規模によっては社外から補充されることがあります。大手企業では社内の異動や昇格によって管理職を任命するのが一般的ですが、中小企業では適切な人材が育っていないケースも多く見られます。この場合、管理職には同業界・同職種での豊富な実務経験やマネジメントスキルが必要とされ、求人数も限定される点が特徴的です。
新規事業部門を立ち上げる
社内で今までにない新規事業部門を立ち上げる際、その事業を推進していくために外部から管理職を採用することがあります。この場合、管理職となる人材には実務経験やマネジメントスキルだけでなく、事業を展開していく推進力やマーケティング力などが求められます。
従業員の育成に力を入れる
管理職の中途採用で最も多いのは、従業員の育成に力を入れるために、外部から人材を取り入れるケースです。たとえば成長中のベンチャー企業では若手社員を大量に採用することがありますが、その人材を育てるための牽引役が必要になります。この場合、ただ部下を管理するだけでなく、自分も現場に出て実務に取り組むことが求められます。
管理職に求められるもの
管理職への転職を実現するためには、求められる要素を理解しておくことが大切です。ここでは、その中でも特に重要な要素を3つ解説します。
マネジメント経験
管理職は部下を管理し組織を統括する立場にあるため、中途採用の場合はマネジメント経験が重視されます。とくに課長クラス以上の実務経験があると、転職活動で有利に働きやすくなるでしょう。一方、プロジェクトなどで部下のマネジメントを行った経験はあるものの、管理職に就いたことはない人材については、管理職候補として採用される場合があります。
即戦力として活躍できるか
中途採用の場合、管理職にも即戦力としての実力やスキルが求められます。とくにベンチャー企業の場合、管理職も現場に出て実務を行うことがあります。企業にとっては、自らが率先して活躍し、組織を牽引できる人材であるかどうかが重要な評価項目の一つです。
自社の社風や経営理念と合っているか
管理職は経営陣と近いポジションにあたるため、企業にとっては「自社の社風や経営理念とマッチしているか」どうかも重要なポイントです。優れた実績やマネジメント経験があっても、自社と価値観が合わなければ組織を適切にマネジメントすることはできません。企業の管理職に応募する際は、事前に社風や経営理念をチェックしておきましょう。
管理職の転職を成功させるポイント
ここでは、管理職の転職を成功させるポイントを4つ紹介します。転職活動を始める前にぜひ参考にしてください。
企業研究を徹底的に行う
転職活動においては企業研究は必須の対策ですが、管理職を目指す場合は特に重要です。管理職は経営陣と部下の架け橋となり、組織を牽引していく必要があるため、企業に対する深い理解と共感が求められます。
定量的な実績をアピールする
企業から管理職としてより高い評価を得るためには、転職活動において定量的な実績をアピールすることが大切です。これまでマネジメントしてきた組織はどの程度の規模だったのか、どのような成果へ導いたのかを具体的な数値をもとに伝えることを意識しましょう。また、結果だけでなく詳細なプロセスもアピールできるとより好印象です。
今までの経験を活かせる企業を狙う
管理職は高いスキルや実績が求められるため、今までの経験を活かせる企業を狙うと転職活動で高評価を受けやすくなります。さらに現職でマネジメント経験がある場合、現場での実務経験とあわせてアピールできるとよいでしょう。一方、現職とは関連性のない業界を志望すると転職の難易度は非常に上がるため注意してください。
ハイクラス向けの転職エージェントを活用する
転職活動をスムーズに進めるためには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。とくにハイクラス向けの転職エージェントでは、一般の転職サイトでは閲覧できない管理職の非公開求人を多数保有しています。求人紹介だけでなく面接対策や企業との交渉も一貫して引き受けてくれるため、転職活動に時間を割きづらい方にも適しています。
管理職の経験がなくても転職できる？
管理職の中途採用では、課長クラス以上の経験者が求められるのが一般的です。しかし、プロジェクトなどでマネジメント経験があり、高度なスキルを有している場合は管理職の経験がなくても採用されることがあります。ただし、最初から管理職として採用されるケースは少なく、将来性を期待された「候補者」として、まずは実務経験を積むことになります。
まとめ
この記事では、管理職への転職について解説しました。管理職はそもそも求人数が少ないうえに、企業によって求められる要素が異なるため、自力で転職活動を行うと難易度が高くなります。管理職への転職を成功させたい方は、転職エージェントを利用してサポートを受けるのがおすすめです。Izulの転職エージェントでは、徹底的にヒアリングしたうえで、求職者のキャリア形成を重視した伴走型のサポートを実施しています。まずは相談からでもお気軽にご利用ください。
