転職市場において有力な採用手法である中途採用。即戦力人材の採用に効果的な手法の一つですが、詳細までは把握しきれていない方も多いでしょう。本記事では、中途採用の概要や新卒採用などとの違い、中途採用が注目される背景について解説します。
また、中途採用を実施する企業にどのようなメリットがあるのかを理解し、転職を成功させるためのポイントもあわせて掲載しています。中途採用募集を行っている企業へアプローチする際は、ぜひ本記事を参考にしてください。
中途採用とは
中途採用とは、就業経験を有する人材を対象にした採用手法のことです。前職の経験や社会人経験を活かせる、いわゆる「即戦力」を求める企業が実施する手法を指します。新卒・第二新卒・既卒などに該当しない採用手法を、すべて中途採用とする企業もあるようです。ここでは、中途採用が実施される理由やその他の採用手法と異なる点をいくつか紹介します。
企業が中途採用を実施する理由
中途採用が実施される理由は、企業ごとに異なります。例えば欠員の補充や増員などの人員数の拡大や、新卒採用で十分に人材を確保できなかったといった理由が考えられます。他にも、特定の部門における知識を有した人材の採用や、自社にないノウハウを有した人材の採用なども、企業が中途採用を実施する理由です。
新卒・第二新卒・既卒との相違点
新卒・第二新卒・既卒の特徴は、以下の通りです。以下に挙げる内容に当てはまらない場合は、中途採用に該当します。
採用手法 | 特徴 |
新卒 | 3月末に学校を卒業して就職する人新規卒業・新規卒業者の略称 |
第二新卒 | 卒業後に就職し、3年以内に離職した人厳密な定義はない |
既卒 | 学校卒業後に就業経験のない人社会人経験がある「第二新卒」とは異なり、社会人経験がない人を指す |
中途採用が注目される背景
中途採用のニーズは、ビジネス環境や就労意識の変化を理由に高まっています。ここからは、中途採用市場の現状と合わせて、なぜ中途採用が注目されているのかを見ていきましょう。
ビジネス環境
中途採用は、ビジネス環境の変化にともなって、注目されています。企業活動のグローバル化に伴い、多くの企業はビジネスにおいて常にしのぎを削っている状況です。厳しいビジネスの状況下においては、専門性を保有した人材の育成にかかるコスト・時間の削減が企業にとって大きな課題となります。また新たな企業価値を産むために、自社にないノウハウを有した人材の獲得も急務です。ビジネス環境の劇的な変化とともに、社会人経験と専門的なノウハウを有した人材が必要となったことで、中途採用が注目されているのです。
労働者の就労意識の変化
労働者が持つ就労意識の変化も、中途採用が注目される理由のひとつです。ワークライフバランスを重視し、自分らしく就業したいと考える労働者が増えています。またキャリアアップの手段として「別の企業へ移る」と考える労働者も増えていることも、中途採用市場が活性化した理由といえます。中途採用は社会人経験のある人材を対象としているため、労働者の就労意識の変化にマッチした採用手法なのです。
中途採用市場の現状
リクルートワークス研究所が実施した「中途採用実態調査」のデータでは、2023年度通期の中途採用見通しが「増える」と回答している企業は全体の20%でした。新型コロナウイルス感染症の影響により「減る」と回答した企業の多かった2021年から、2022年度にかけて「増える」の割合が増えています。さらに2023年にかけて、採用意欲がより回復する傾向にあることが「中途採用実態調査」からわかります。
引用:リクルートワークス研究所|中途採用実態調査
中途採用を実施する企業側のメリット
中途採用は、新卒採用と比べて一括採用ができません。しかし中途採用の実施は、企業に多くのメリットをもたらします。ここでは、中途採用を実施することによる企業側のメリットを、4つ紹介します。企業側のメリットを把握することで、自身が企業に対してどのようなことをアピールできるかが明確になるでしょう。
即戦力の確保
中途採用は社会人経験を有した人材を確保する手法であるため、即戦力を確保できる点がメリットです。入社後すぐ活躍できる人材を確保できるため、積極的に中途採用を実施する企業もあるでしょう。
自社にないノウハウの吸収
自社にないノウハウを保有した人材を、効率的に採用できるのも中途採用を実施する企業側のメリットです。既存の事業だけで市場競争に勝ち抜けないと考えている企業にとって、自社にないノウハウを保有している人材は貴重な存在です。事業におけるイノベーションのきっかけとして、中途採用を取り入れている企業もあるでしょう。
育成コストの削減
「ポテンシャル採用」と呼ばれる新卒採用とは反対に、中途採用は基本的なビジネスマナーや社会人経験を有した人材を採用します。そのため、育成コストを削減できるのが企業側のメリットです。さらに自社にないノウハウを有した人材であれば、新規事業を考案する時間・コストも削減できます。
入社時期の調整が容易
新卒採用の採用時期が4月で共通しているのに対し、中途採用は通年採用が可能な採用手法です。急な欠員や新規プロジェクトによる増員など、イレギュラーな場面での人員補充を実施しやすいメリットが企業側にあります。
中途採用での転職活動を成功させるポイント
中途採用による転職活動を成功に導くためには、転職時期の見極めや自己分析の徹底が不可欠です。ここでは、中途採用で募集をかけている企業への転職成功につながるポイントを3つ紹介します。
転職時期の見極め
中途採用の転職を成功させるには、転職時期を見極める必要があります。求人情報が増える一般的なタイミングは、3〜4月か9〜10月ごろです。しかし、中途採用の場合は企業が人員を募集したい時期に求人が出ることが一般的です。そのため、あらかじめ入社したい企業が決まっている場合は、公式ホームページや求人サイトの情報を逐一チェックしておくことが大切です。
徹底した自己分析
中途採用での転職を成功させるには、徹底した自己分析が大切です。たとえ自身のスキルや経験を活かせる募集内容だったとしても、自己分析を怠っていては企業側に十分なアピールができません。これまでの就業経験や実績、保有資格などを整理したうえで自己分析を進め、応募先企業にマッチした人材であることをアピールできる内容に仕上げましょう。
実践力のアピール
面接や書類選考において、自身の実践力をアピールできなければ中途採用での選考に漏れてしまいます。中途採用は「即戦力」を採用する手法であるため、入社後に「自分が何を提供できるか」アピールすることが大切です。自己分析を進めつつ、企業に与えられる価値を抽出しておきましょう。
まとめ
中途採用は新卒採用とは大きく異なる手法であり、即戦力を採用することが特徴です。通年採用であることも多いため、自身のスキルや経験を活かせる環境で働けるメリットがあります。とはいえ、転職時期の見極めや自己分析を怠ると、採用にはつながりません。中途採用を実施する企業側のメリットも把握しつつ、自身を効果的にアピールして中途採用で募集を行っている企業への転職活動を成功させてください。