企業のプロダクト開発において、プロダクトマネージャー(PDM)はとくに重要な役割を担う職種です。しかし、プロダクトマネージャーはPMなどと混同されることも多く、具体的な業務内容について把握していない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、プロダクトマネージャーについて詳しく解説しています。この職種に興味のある方や、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
プロダクトマネージャーの概要
ここでは、プロダクトマネージャーの概要や、よく混同されるプロジェクトマネージャーとの違いについて解説します。
プロダクトマネージャーとは
プロダクトマネージャーとは、製品やサービスといったプロダクト開発において、企画から販売まですべての過程を管理する職種です。自社の方針や顧客のニーズ、市場の動向や需要などをふまえて意思決定のうえ戦略を実行し、売上などの目標達成を目指します。
プロジェクトマネージャー(PM)との違い
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトの計画から完了まで一連の流れを統括し、コストや品質、納期などの管理を行う職種です。プロダクトマネージャーは製品やサービスに対して責任を担うのに対し、プロジェクトマネージャーはプロジェクトの遂行や達成に対して責任を担います。
プロダクトマネージャーが注目される理由
近年プロダクトマネージャーが注目されている理由として、ITプロダクトの発展が挙げられます。現代ではIT技術の成長にあわせてさまざまな企業でITプロダクトが開発されていることから、競合に勝つためには顧客のニーズを満たす優れた製品の提供が必要不可欠です。そこでプロダクトの品質を向上させるために、多くの企業でプロダクトマネージャーの導入や強化が期待されています。

プロダクトマネージャーの平均年収
求人サイトindeedによると、プロダクトマネージャーの平均年収は約775万円です。日本全体の平均年収が約460万円であることを考えると、高収入を狙いやすい職種といえます。企業や実績によっては、年収が1,000万円を超える場合もあります。
出典:日本でのプロダクトマネージャーの給与|indeed
令和5年分 民間給与実態統計調査|国税庁
プロダクトマネージャーの仕事内容
プロダクトマネージャーの仕事は大きく分けて4種類に分類されます。ここではそれぞれの仕事内容について詳しく解説します。
プロダクトの企画・戦略立案
プロダクトマネージャーは市場の動向や需要を調査したうえで顧客のニーズを把握し、どのような製品またはサービスを・誰に向けて開発するのか企画を行います。また、開発したプロダクトが顧客にもたらす価値を分析し、目標達成に向けた戦略を定める必要があります。
プロダクトの開発管理
プロダクトの開発が実際に始まったら、プロダクトマネージャーは製品・サービスの具体的な要件定義や仕様設計、ステークホルダーとの調整など、開発全体の管理を担当します。また、デザイナーやエンジニアといったチームメンバーとの協働も必要です。
マーケティング戦略の立案
プロダクトの完成後、リリースにあたってマーケティング戦略の立案・実施を行うのもプロダクトマネージャーの役割です。広報部門やマーケティング部門と連携しながら、価格設定や流通チャネル、販促計画などを決定し、プロダクトの市場展開を目指します。
プロダクトの改善・改良
プロダクトのリリース後、売上などの成果を測定し、必要に応じてマーケティング戦略の改善やプロダクトの改良などに取り組みます。また、プロダクトには導入期・成長期・成熟期・衰退期といった4段階のライフサイクルが存在するため、今どの段階にあるのかを正確に見極め、状況に応じた適切な施策を実施するのもプロダクトマネージャーの役割です。
プロダクトマネージャーに求められるスキル
ここでは、プロダクトマネージャーに求められる主なスキルを4つ紹介します。プロダクトマネージャーを目指す方はぜひ参考にしてください。
マネジメントスキル
プロダクトマネージャーはプロダクト開発全体を管理し、意思決定を行うため、高度なマネジメントスキルが必要不可欠です。開発がどこまで進んでいるのか・重要な問題はないか・品質や納期は担保されているかといったさまざまな要素を常に把握し、状況に応じて適切な対処が求められます。
マーケティングスキル
完成したプロダクトを市場にリリースし、多くの顧客に届けるためには、マーケティングスキルが重要となります。プロダクトマネージャーは市場の動向や顧客のニーズや課題などを分析し、より効果的なプロモーションや販売戦略を立案・実施することが求められます。
リサーチスキル
より多くの顧客に受け入れられるプロダクトを開発するには、リサーチスキルが必要不可欠です。市場・顧客・自社の既存プロダクトの動向など幅広い観点から調査を実施し、意思決定に有効な情報を収集することが求められます。また、ただリサーチを行うだけでなく、集めたデータを適切に分析する能力も重要です。
コミュニケーション能力
プロダクト開発にはエンジニア・デザイナー・営業部門といったさまざまな人材が携わるため、プロダクトマネージャーには高いコミュニケーション能力が求められます。関連部署やステークホルダーとの関係を構築しつつ、時には調整役や橋渡し役を担うことも必要です。

プロダクトマネージャーの将来性
今後、IT技術やAIのさらなる発展に伴って市場の動向が激しくなることが予測されるため、企業は常に顧客のニーズを把握しながら製品・サービスを提供する必要があります。プロダクト開発全体を管理するプロダクトマネージャーは社運を握る存在として、将来的にますます重要なポジションとなるでしょう。
プロダクトマネージャーのキャリアパス
プロダクトマネージャーのキャリアパスとしてもっとも一般的なのが、上級ポジションにあたる「シニアプロダクトマネージャー」「VP of Product」「CPO(Chief Product Officer)」「プロダクトディレクター」といった役職への昇進です。そのほかにも、プロダクト開発を率いた経験を活かし、事業開発やマーケティング職などにキャリアチェンジする選択肢もあります。
プロダクトマネージャーになるには
プロダクトマネージャーの仕事はさまざまな経験やスキルが求められるため、未経験から挑戦するのは難しい傾向にあります。まずはプロジェクトマネージャー・マーケティング職・事業企画といったプロダクトの開発やライフサイクルに携わる職種で実務経験を積み、社内の部署移動や転職を目指すのがおすすめです。
まとめ
この記事では、プロダクトマネージャーの仕事内容や求められるスキルについて解説しました。プロダクトマネージャーは企業の製品やサービスについて一貫して責任を持つ重要なポジションであり、未経験から転職するのは難しい職種です。
プロダクトマネージャーを目指すには、まずはプロダクト開発を行う企業で経験を積む必要があります。Izulの転職エージェントでは、ただ求人を紹介するだけでなく、徹底的にヒアリングしたうえで、求職者のキャリア形成を重視した伴走型のサポートを実施しています。
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