履歴書には、住所や学歴、志望動機などの情報以外に、保有している資格について記載する欄があります。資格欄を記入する際、どのように書くことが正しいのか知りたい方も多いのではないでしょうか。
今回は、履歴書の資格欄を正しく記載するために把握しておくべき知識をまとめて紹介します。資格を書くうえでのポイントや注意点を、履歴書に書ける資格とあわせて紹介しているので、転職活動にお役立てください。
履歴書に資格を書くときに押さえたい3つのポイント
履歴書に保有している資格について書く際は、以下に挙げる3つのポイントを理解しておくことが大切です。
- 募集要項を確認する
- 順番を意識する
- 正しい書き方を理解する
募集要項を確認する
資格について書く際は、応募する企業の掲示している募集要項に沿った資格を保有しているかどうか確認しておかなければいけません。例えば、就職を希望する企業が募集要項に簿記検定1級と記載しているのに、2級までしか持っていなければ募集条件を満たしていないことになります。もし募集要項に該当する資格を持っていない場合は、その資格を今後どういったスケジュールで取得するのか履歴書に記載しましょう。
順番を意識する
保有している資格がいくつかある際は、面接を受ける企業に関連する資格から順番に書くよう意識してください。パソコンを使った情報処理をメインに実施する仕事にもかかわらず、建築士の資格を最初に記載することは避けるといったイメージです。少し例が極端かもしれませんが、あくまで「御社で活かせる自身の資格です」とアピールする意味合いも込めて、関連する資格から書くようにしましょう。
正しい書き方を理解する
履歴書に資格を書く際は、募集要項とのマッチングと順番を意識しつつ、書き方について理解しておかなければなりません。資格の名称を略さず記載したり、民間資格について書く場合は資格の実施団体も書いておくといった配慮が必要です。また、保有している資格の取得・合格時期を書く際は和暦と西暦のいずれかで統一することにも注意しましょう。
履歴書に資格を書く際の注意点
履歴書に自身が保有している資格を書くうえでは、以下の点に注意しておく必要があります。
正式名称で書く
履歴書に書く場合は、資格の名称は略称ではなく正式名称で記載しましょう。主な資格の正式名称は以下を参考にしてください。
略称 | 正式名称 |
---|---|
簿記 | 日本商工会議所簿記検定 〇級 |
漢検 | 日本漢字能力検定 〇級 |
英検 | 実用英語技能検定 〇級 |
TOEIC | TOEIC公開テスト 〇点 |
宅建 | 宅地建物取引士試験 |
MOS | Microsoft Office Specialist 科目名 |
FP | 〇級 ファイナンシャル・プランニング技能士試験 |
秘書検 | 秘書技能検定〇級 |
ちなみに、合格証が付与されるものは「合格」で、免許証が交付されるものは「取得」と記載しましょう。
嘘は書かない
当然ですが、嘘は書かないようにしてください。もし嘘を書いていたことが発覚してしまうと、採用されていても取り消される可能性があります。万が一就職できたとしても、スキル・技術面の不足で遅かれ早かればれてしまうかもしれません。もし就職したい企業に必要な資格を持っていない際は、まず募集条件に自身がマッチするよう努力するところからスタートしましょう。
求人内容に沿った内容を書く
企業がどのような資格保有者を求めているか、理解したうえで資格を書くという意識が大切です。求人内容と全く関係ないような資格を、優先的に書いてしまうことは避けましょう。順番を意識しつつ、先ほども紹介した正式名称で書くことも大切です。
履歴書に書ける資格には何がある?
履歴書に資格を書く際は、書くべき資格とそうでない資格の違いを理解しておくことが大切です。
正式名称の項目で触れたような、いわゆる「一般的な資格」とイメージされているものについては、書くべき資格の種類に入るでしょう。正確には「何の資格か」よりも「どのような資格か」が重要です。
例えば国家試験や語学系の資格などは、過去の実績やスキルを証明する情報となるため必ず記載しておきましょう。また近年ではパソコンを使用する職種も急増していることから、MOSなどの資格についても積極的に書くことが推奨されます。
企業が求める人材であるかどうか伝えるだけでなく、自身がどのようなレベルの人材かをアピールする意味でも資格欄が活用できるでしょう。
履歴書に書かなくてもいい資格
応募する企業の業務内容によって、書かなくていい資格は変わってきます。
例えば漢字検定など、直接業務に関連することのない資格は、履歴書にあえて書く必要はないでしょう。ただし、日本語能力を重視する企業の場合は、漢字検定の有無も書いておく必要があります。
日本酒検定や世界遺産検定など、趣味の領域に近い資格も、あえて書く必要はないでしょう。ただし、話のネタになることもあるため、面接対策として書いておいてもよいかもしれません。話のネタとして入れておきたいもの・少し目を引く資格などは、「趣味・特技」の欄に記入するとよいでしょう。
また、剣道や空手、スキーなど、スポーツ関連の資格も業務に関係なければ書かないことを推奨します。趣味関連の資格同様、話のネタになりそうでない場合は、業務との関連性を鑑みて書くことを避けてください。
履歴書に資格を書く際によくある疑問を解消
最後に、履歴書の資格欄に関するよくある疑問に回答します。自身の状況と当てはめつつ、参考にしてください。
書ける資格がない場合は?
履歴書に書ける資格がなければ、資格欄に「特になし」と記載しましょう。資格欄はあくまで自己PRの欄であるため、書ける資格がないからといってマイナスイメージにはつながらないでしょう。ただし、空欄のままで提出するのはマナー違反です。
勉強中の資格は書いてもいい?
応募する企業に関連する資格であれば、勉強中の資格について書くことで自己PRにつながるでしょう。その場合は資格名の横に「取得に向けて勉強中」と記載してください。すでに受験を終え、結果待ちの場合は「○月取得予定」と記載し、面接時に詳細を口頭で補填しましょう。勉強中の資格について書くことで、仕事に対する前向きさを感じ取ってもらえるきっかけになるかもしれません。
運転免許証は資格に該当する?
運転免許証の有無も、資格欄に記載できる項目です。ただし「資格」と「免許」がそれぞれ混在しないように配慮しなければなりません。履歴書に免許証について書く際は、以下を参考にしてください。資格と同様、正式名称で書くようにしましょう。
免許証の種類 | 履歴書への書き方 |
---|---|
普通 | 普通自動車免許 |
中型 | 中型自動車免許 |
準中型 | 準中型自動車免許 |
大型 | 大型自動車免許 |
大特 | 大型特殊自動車免許 |
大自二 | 大型自動二輪車免許 |
普自二 | 普通自動二輪車免許 |
小特 | 小型特殊自動車免許 |
原付 | 原動機付自転車免許 |
大二 | 大型自動車第二種免許 |
中二 | 中型自動車第二種免許 |
普二 | 普通自動車第二種免許 |
大特二 | 大型特殊自動車第二種免許 |
引 | 牽引免許 |
引二 | 牽引第二種免許 |
まとめ
自身が保有している資格を履歴書に書く際は、募集要項との合致や書く順番、正式名称や取得状況などを書かなければなりません。企業に対して効果的に自己PRができるよう、正確かつ嘘のない情報を書くようにしましょう。また、書くべき資格とそうでない資格を取捨選択することも大切です。書ける資格がない場合も含めて、今回紹介した内容を履歴書作成の参考にしてください。