学校卒業後、一度は就職したものの数年以内に退職した求職者を第二新卒といいます。新卒よりも就職難易度が上がるといったデメリットが注目されがちです。しかし、若さやポテンシャルが武器になるため、異業種への転職も可能といったメリットもあります。
今回は第二新卒の概要やメリット・デメリット、転職に最適な時期を含めて解説します。また記事後半では、第二新卒の転職を成功させるための4つのポイントも紹介します。是非参考にしてください。
第二新卒とは
第二新卒とは学校を卒業したあと、一度は就職したものの数年のうちに退職し再度就職先を探している求職者のことです。ただし明確な定義はないため、退職から何年以内の求職者を第二新卒とするかは企業によって異なります。
なお、第二新卒と似た言葉に「新卒」があります。新卒とは、学校を卒業したその年に就職する人のことです。また既卒ではあるが学校卒業後、一度も正社員として就職したことのない方も該当します。
既卒と第二新卒は定義が混同しやすいため、注意しましょう。
第二新卒として転職するメリット
第二新卒として転職する際はする際は、ポテンシャルが武器になる他、異業種に転職しやすいといったメリットがあります。
若さやポテンシャルが武器になる
第二新卒は学校を卒業してから数年しか経っていないため、基本的には20代前半の方がほとんどです。そのため、若さやポテンシャルが武器になります。
また新卒で入社した会社で数年働いた第二新卒の方であれば、ポテンシャルと同時に社会経験も持ち合わせています。同業種への転職であればこれまでの経験を活かせるため、新卒よりも有利に仕事探しを進められる場合もあるでしょう。
異業種に転職しやすい
第二新卒はまだ年齢が若いため、異業種に転職しやすいといわれています。中途採用の場合は、ポテンシャル採用ではなく即戦力採用であるため、異業種への転職は難易度が高めです。
しかし第二新卒は即戦力よりも、仕事への熱意やポテンシャルが重視される傾向にあります。企業側も第二新卒のこれまでの経験や知識に大きな期待をしているわけではないため、異業種への転職ハードルは高くありません。特にIT・Web業界や金融業界、インフラ業界は第二新卒の求人情報が多数用意されているため、たとえ異業種であったとしても中途採用と比べて転職しやすいでしょう。
第二新卒として転職するデメリット
先述したように第二新卒はポテンシャルや若さが武器になるため、異業種に転職しやすいといったメリットがあります。しかしデメリットが存在することも事実です。デメリットを把握した上で転職活動を進めましょう。
「すぐに退職するのでは?」と警戒される
第二新卒の方には数年以内の転職歴があります。そのため「またすぐに退職してしまうのでは?」と警戒される恐れがあります。特に数ヵ月で退職しているとなると、マイナスな印象を抱く採用担当者も多いでしょう。担当者の不安を払拭するためにも、事前に新卒で入社した会社をやめた理由と応募先の企業が自分とマッチしている理由を明確にしてください。
具体的に「前職では〇〇が自分にはあっていませんでした。しかし私の中でも△△を改善したとともに、御社には××があるため、自分には御社がマッチしていると考えています。」と述べると、長く勤続できることをアピールできるでしょう。
希望の企業が第二新卒を募集していない可能性がある
新卒採用を実施している企業全てが第二新卒を募集しているわけではありません。そのため、希望の企業に応募すらできない可能性もあります。近年新卒採用だけでは人材を確保できないことを理由に、第二新卒の募集を開始した企業も少なくありません。しかし、それでも新卒採用により力を入れている企業が多い傾向にあるでしょう。
第二新卒に最適な転職時期はいつ?
一般的に第二新卒に最適な転職時期は、1〜3月、7〜9月といわれています。
その理由としては、以下の3つが挙げられます。
- 新卒の入社者と入社タイミングを合わせるため
- 新卒の内定辞退者の欠員を補充するため
- 異動や転勤、退職などで欠員が生じるため
なお4〜6月・10〜12月は新卒採用の準備や研修で人事が多忙であるため、求人情報が出回りづらい時期といわれています。
たしかに上記のように転職に最適・不適切な時期はありますが、他の時期に一切求人を募集していないわけではありません。時期にはあまりこだわらず、転職を進めると良いでしょう。
第二新卒で転職を成功させるには?
第二新卒の方はほとんどの場合、初めての転職となるため転職のコツが掴めていない方は多いはずです。本章では、第二新卒で転職を成功させるためのポイントを4つ紹介します。新卒とは異なる成功ポイントも解説するため、転職できるか不安な方はぜひ参考にしてください。
転職したい理由を明確にする
第二新卒の面接で必ずといっていいほど聞かれるのが「転職理由」です。転職に至った経緯や、転職したいと感じた理由を事前に明確にしておきましょう。
転職したいと感じた理由を考える際、多くの方は前職の待遇や人間関係、仕事内容などのネガティブな要素に目をつけがちです。しかし実際に面接で転職理由を聞かれた際、ネガティブな理由だけを並べるとマイナスな印象を与えてしまいます。ネガティブな理由を整理することも重要です。同時に「自分はこんな仕事がしたかったのでは?」とポジティブな理由を示すことができるように、前職での経験を振り返ってみましょう。
面接でも「前職での経験を通して自分は〇〇ではなく、△△がしたかったのだと実感しました」と述べると、プラスの印象を与えられるでしょう。
自分のアピールポイントを明らかにする
新卒や中途にも共通しますが、第二新卒においても自分のアピールポイントを明確にすることは重要です。新卒で入社した企業に数年勤めた第二新卒の方であれば、その業界のスキルはある程度持っているはずです。そのためその会社で培ったスキルや経験を、アピールポイントにすることが効果的でしょう。
しかし入社から数ヵ月で退職した場合は、スキルが身についていないまま転職活動を始めることになるでしょう。こういった場合は、ポテンシャルが武器になります。たとえ数ヵ月で退職したとしても、新卒の時点よりはさまざまな経験をしているはずです。その経験を踏まえて「〇〇だから自分にはこれが向いていなかった」「前職を通じて〇〇という業務は自分に向いていると思った」とポテンシャルを訴求できれば、新卒時点よりも説得力のあるアピールになるでしょう。
転職の際に譲れない条件を決めておく
新卒の時点ではまだ社会を経験していない方が多いため、働く上で重要な条件を明確にできなかったことでしょう。しかし第二新卒の場合は実際に働いた経験を持っているため、より実体験に即した譲れない条件が明らかになるはずです。この譲れない条件を明確にした上で、転職活動を進めましょう。
しかし条件が多すぎると、マッチする企業を探すハードルが高くなります。自分の中における譲れない条件が多い場合は、3つ程度に絞った上で求人を探してみましょう。
譲れない条件に沿って転職活動を進めることで、企業とのミスマッチが減ります。
転職エージェントを利用する
転職エージェントの利用も、第二新卒の転職を成功させる有効手段のひとつです。転職エージェントは、アドバイザーによる最適な求人の紹介や、面接練習や履歴書添削などを受けられるサービスを指します。
この他にも転職の軸を整理してくれたり、転職に対する不安を解消してくれたりと転職活動の強い味方になってくれます。豊富な求人から自分にあった求人を紹介してくれるため、登録しておくと良いでしょう。
まとめ
「すぐに退職するのでは?」と警戒されることもある第二新卒ですが、異業種への転職が可能であったり、若さやポテンシャルが武器になったりといったメリットも持ち合わせています。第二新卒で転職する際は、転職理由とアピールポイント、働く上で譲れない条件を明確にしましょう。また転職エージェントは無料で登録できるため、活用することをおすすめします。