リクルートへの転職を考えるなら、選べる領域の数が多く、専門的な知識・経験がなくても挑戦しやすい営業職に狙いを定めるのが良いでしょう。しかし一口に「リクルートの営業」といっても、リクルートが手掛けるサービスの数は膨大です。多彩なサービスと領域の選択肢に悩み、何から手をつけていいのかわからない方も多いはずです。
そこでこの記事では、転職エージェントの目線から、リクルートの採用方法や各領域の特徴をわかりやすく解説します。まずはリクルート営業職の中でも人気が高い「住まい領域」「結婚領域」について紹介します。自分がどの領域に応募すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
リクルートはサービスごとに採用窓口が存在する?
各サービス領域について理解を深める前に、まずはリクルートの採用方法についてポイントを押さえておきましょう。リクルートは組織全体で数百ものサービスを扱う巨大企業なので、各サービスにそれぞれ採用の窓口を設けているのが大きな特徴です。
通常の企業であれば、営業職・開発職といった職種ごとに求人を出し、採用されたのちに配属先の部署や担当サービスが決まりますが、リクルートでは最初からサービス運営元が職種ごとの求人を出します。どの領域を選ぶかによって仕事内容や営業先が変わるので、自身の経験・スキル・興味と照らし合わせたうえで、応募する領域と職種を決めましょう。なお、複数の領域を同時並行で応募することも可能なので、方向性に迷っている方は一度転職エージェントに相談するのがおすすめです。
領域ごとに販売するサービスや営業先が変わる
圧倒的な成長を遂げられると評判のリクルート営業職ですが、選んだ領域によって身につく知識・スキル・経験は大きく異なります。
【領域によって変わる要素】
- 扱う商品・サービス
- 接点をもつ業界
- 営業手法や働き方
- 営業難易度
- キャリアプラン
例えば、住まい領域の営業職であれば、担当するのは「SUUMO」の広告営業。営業先は不動産会社や住宅会社になります。飲食領域であれば「HOT PEPPER」の広告営業を担当するので、営業先は主に飲食店になります。
転職の成功率を上げたいのであれば、これらの特徴を踏まえて自身のスキルや強みを整理し、理想の将来像と紐づけてアピールすることが重要です。
自身の特性・興味に合った領域を選ぼう
どの領域の営業職に応募するか迷っている場合は、「興味」と「スキル」のふたつを軸にして検討してみましょう。サービスに対して興味と情熱を持てなければ、面接時にアピールしにくくなります。また、自身のスキルや特性と領域がマッチしているかも重要な指標となります。仕事に活かせるスキルと応募した領域の色が噛み合わなければ、面接官から合理性に欠けると判断されやすくなります。
挑戦への環境がしっかりと用意されているリクルートであれど、身を置く領域によって得られるスキルや将来のキャリアプランはある程度限定されるもの。自己分析を徹底的に行い、今の自分によりマッチした領域を選べるように行動してください。次の章からは、リクルートの領域の中である「住まい領域」「結婚領域」について紹介していきます。
【住まい領域】 “課題解決”といえばココ!リクルート最強の伴走部隊
最初に紹介する「住まい領域」は、リクルート営業職の中で最も思考力や課題解決力を求められる領域です。一件あたりの広告単価が高く、ハイレベルな提案に携わるチャンスがあります。担当案件のほとんどが既存顧客に対する深耕営業となることから、“リクルート最強の伴走営業部隊”との呼び声も高いです。他領域と比較して入社難易度が高く、面接では思考力を問われる質問が多いため、書類選考の段階から綿密な計画と作戦立てが必要になります。
年間売上は1,000億円規模!不動産マッチングプラットフォーム「SUUMO」
住まい領域の代表的なサービスは、不動産業界で圧倒的な認知度と顧客数を誇るマッチングプラットフォーム「SUUMO」。不動産を買いたい(借りたい)顧客と、不動産を売りたい(貸したい)企業をマッチングさせるサービスです。2020年度決算では年間売上が1,000億円を突破しており、国内トップシェアを誇る巨大サービスへと進化を遂げています。
住まい領域の営業は、SUUMO事業がもつ強力なアセットや影響力を活用しながら、質の高い課題解決営業に携わります。なお、リクルートは不動産会社ではないので、不動産の賃貸・売買などの実務は行っていません。不動産会社からSUUMOが運営するメディアに物件情報を掲載し、広告掲載費用を受け取るビジネスモデルとなっています。
高単価&レガシー産業を動かす「課題解決型伴走営業」に挑戦
住まい領域の営業が高度な課題解決力を求められる理由は、まだまだレガシーな部分が多い不動産業界を、インターネットの力で変革していく必要があるからです。レガシー産業とは、受け継がれた長い歴史をもつ産業の総称であり、不変的で新しい価値観を受け入れにくい特徴があります。
まさにレガシー産業の代表格である不動産業界の会社群を、どのように導き、課題を解決し、動かすのか。型に捉われない発想力と積極性を求められるのが、住まい領域の営業部隊なのです。SUUMOが運営するメディアの集客力を活用し、高単価商材の販促課題を解決するハイレベルな提案の経験を積めるでしょう。
企業が抱える課題は千差万別なので、ときには広告営業の域を超えた業務支援・経営支援にまで踏み込む必要もあります。経営者の気持ちに寄り添ってWin-Winを実現していく、リクルート随一の伴走型営業組織といえます。
新築マンション・賃貸・戸建流通・注文の4部門で提案に携わる
SUUMOの広告営業といっても規模が大きすぎるため、実はリクルートの社内では部門分けが行われています。住まい領域は「新築マンションDiv」「賃貸Div」「戸建・流通Div」「注文Div」と4つの部門に分かれており、各領域で営業手法や提案の進め方が異なるのも特徴のひとつです。
例えば新築マンション部門では、クライアントの広告費の金額は大きいですが、物件が完成するまでに2〜3年を要する場合が多く、複数の関係者を巻き込みながら段階的にプロセスを踏むことが重要になります。逆に賃貸部門は、一社あたりの掲載物件数が多く、物件の回転数も早いため、週単位でスピード感のある振り返りと行動量を求められます。
それぞれの部門によって求められる知識やスキル、行動指標が異なるので、成約までのプロセスとスピード感を意識し、いち早く業務に適応することが重要です。
【結婚領域】ブライダルマーケットの火付け役!新しい価値観を生み出す提案営業へ
続いて紹介する「結婚領域」は、人生に寄り添う提案や課題解決にやりがいを見出したい方におすすめの領域です。主な担当業務は、結婚情報誌およびWebメディア「ゼクシィ」の広告営業です。業界で圧倒的なポジションを確立しているゼクシィだからこそ実現できる、ブライダル企業との距離が近い提案営業に携われるでしょう。
住まい領域と同様に課題解決や伴走営業の要素も多く含みつつ、昨今ではコロナをきっかけに多様化した結婚式文化のあり方を再定義するといった、マーケット自体の変革を担う役割もあります。
結婚式の総合サイト「ゼクシィ」で日本の未来を支える
「ゼクシィ」は、花嫁認知度90%を誇る結婚情報メディア。1993年に情報誌を創刊して以来、結婚式の挙げ方や式場の予約情報、参列マナー、新婚生活のノウハウなど、結婚にまつわる幅広い情報を提供しています。業界トップシェアを誇るメディアの影響力で、定番フェア・キャンドルサービス・ベールダウンなど、時代に合ったサービスで新たなブライダルの価値を創出してきました。昨今ではWebサービスにも事業を拡大。「ゼクシィ縁結び」「ゼクシィBaby」など、婚活・妊娠・出産に関する情報まで扱う“日本の未来を支える媒体”となりつつあります。
顧客に寄り添う提案で経営目線が身に付く
ゼクシィの営業は、既存顧客へのアプローチがメインとなります。結婚式場の運営やジュエリーの企画販売などを行う法人企業に対して、ゼクシィの集客力を活かした課題解決提案を行います。経営状況や現状の課題点を細かくヒアリングしながら、ほかにはないコンセプト設計や商品企画を提案し、顧客利益の追求を目指します。すでに強固な関係を構築している顧客を相手にするので、悩みにより深く寄り添う伴走型営業に携われます。担当者と長期的に仕事をする機会が多く、経営者目線の考え方や提案力が身につきやすいのもポイントです。
育休・産休取得率も高く女性が活躍しやすい領域
ゼクシィの営業職はほかの領域と比べて女性比率が高く、女性がエントリーしやすい環境が整っています。営業においても女性ならではの視点や価値観を活かした親身な提案をしやすく、自身の企画や改善提案を通じて人を幸せにしていく大きなやりがいを得られます。職場の女性比率の多さから育休・産休取得率が高く、結婚・育児と両立しながら働く方が多いのも特徴です。
自分に合った領域を見つけて研究することが適職を見つけるコツ
今回はリクルート採用方法に関する基礎知識と、リクルート営業職における住まい領域・結婚領域の特徴について解説しました。一口に営業職とはいっても、領域によって仕事の実態や得られるスキルは大きく異なります。どの領域を選ぶかは今後のキャリアプランを左右する重要な選択になるため、各領域の特性をしっかりと理解することが重要です。次の記事では、「学び領域」「旅行領域」「飲食・美容領域」について解説していきます。