年末調整の前後で転職した場合の対応は?注意点も解説

2024年5月26日

2024年5月7日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

年末調整の前と後のどちらで転職したかによって、年末調整を受けられるかどうかが異なります。多くの場合、会社側から案内がありますが、手続きや税金の支払いで不備が起きないようにあらかじめ確認しておくことが大切です。本記事では、年末調整の前後で転職した場合の対応方法や注意点などについて詳しく解説します。

年末調整の基礎知識

年末調整は、給与所得を確定させることで、払いすぎたり不足していたりする所得税を調整する手続きです。内容や目的、流れについて詳しく見ていきましょう。

内容・目的

年末調整は、主に会社員が毎月の給与から天引きされる源泉徴収税を正確に調整するための手続きです。生命保険料控除や住宅ローン控除などの特定の経費を考慮し、再度税額を計算し直します。その結果、追加の税金を徴収したり、過剰に徴収された税金を還付したりします。

また、転職や退職した場合も、当該年の給与所得があれば年末調整が必要です。

還付までの流れ

年末調整を始める前に、11月中旬から下旬頃に下記のような書類が配布されます。

  • 給与所得者の扶養控除(異動)申告書(当年分)
  • 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書(当年分)
  • 給与所得者の保険料控除申告書

上記の書類に記入して会社に提出すると、その内容に基づいて税金が再計算されます。その結果、払い過ぎた所得税が発覚すれば、12月か1月の給与支給とともに還付されるのが通例です。

なお、必ず還付されるわけではなく、源泉徴収した所得税が不足している場合は追加納税を求められます。

確定申告との違い

年末調整と確定申告は、どちらも所得税に関する手続きですが、目的や時期、手続き内容が異なります。

年末調整は、会社が従業員の給与から源泉徴収した所得税を調整し、年間の所得税を正確に計算するための手続きです。一方、確定申告は本人が前年の所得や支出を税務署に申告し、年間の所得税や住民税を計算して税金を支払うための手続きです。

年末調整は年度内に行われ、雇用主が直接手続きを行いますが、確定申告は例年2月16日~3月15日までに本人が行います。全員に確定申告が必要なわけではなく、年末調整しなかった場合や追加で控除が必要になった場合などに行うため、確定申告の要・不要について確認が必要です。

年末調整前に転職した場合の税金はどうなる?

年末調整の前に転職した場合、税金はどのように扱われるのか、自分で確定申告が必要なのかなど、対応方法について詳しく見ていきましょう。

年度途中で転職した場合

年度途中で転職した場合は、転職先の会社が年末調整を行います。その際は、前の会社から発行される源泉徴収票を転職先の会社に提出しなければなりません。

また、確定申告については、給与以外の所得がない、あるいは副業収入があっても20万円以下であれば年末調整のみで所得税の調整は完了します。

12月中に転職した場合

12月に転職した場合、転職前に12月中に給与が支給されていた場合は、前職の会社が年末調整を行います。ただし、年末調整を行うには事前準備が必要なことから、スケジュールの都合により断られる場合があります。

一方、転職先の会社から12月に給与を支給された場合は、転職先の会社が年末調整を行います。しかしながら、12月入社で12月中に給与を支給されることは通常はありません。

2回転職した場合

1年の間に2回以上転職した場合、複数の会社から給与を受け取ることになるため、転職先で年末調整をする際には、その年度内で給与を受け取った全ての会社から源泉徴収票を受け取り、転職先に提出する必要があります。たとえば、A社とB社で働いてC社に転職し、C社が年末調整を行う場合は、A社とB社から受け取った源泉徴収票をC社に提出します。

年末調整後に転職した場合の税金はどうなる?

年末調整によって所得税や住民税の額は決定しているため、別で控除の申請が必要な場合を除き、確定申告の必要はありません。年末調整と確定申告は、どちらも1月1日~12月31日に得た所得を確定・調整する手続きです。そのため、年末調整で税金の調整が完了しているのであれば、確定申告は不要です。

年末調整前に退職して年を越した場合は?

年末調整を行われていない場合、所得税の払いすぎや不足などの調整ができていません。そのため、自分で確定申告を行い、所得税や住民税を確定させる必要があります。

年末調整の対象とならない人

年末調整の対象外となる人や確定申告が必要なケースは以下のとおりです。

  • 年間の給与収入が2,000万円を超える
  • 2つ以上の収入源がある
  • 副収入が年間で20万円を超える
  • 医療費控除や住宅ローン控除(初年度のみ)など、特定の控除を受ける

確定申告は、通例として毎年3月15日までに行う必要があります。控除証明書や源泉徴収票の準備、所得計算には時間がかかる場合があるため、早めに準備を始めましょう。

年末調整前後の転職における注意点

年末調整前後に転職する際は、円滑に年末調整が行われるように次の注意点を押さえましょう。

源泉徴収票を紛失しないようにする

源泉徴収票がなければ年末調整ができないため、紛失しないように注意が必要です。万一紛失した場合は、前職の会社に再発行を依頼する必要があります。

源泉徴収票の発行は法律で義務づけられており、通常は退職日から1ヶ月以内に発行されます。しかし、企業の中には発行を先延ばしにしたり、事務手続きが増えるからといって発行しなかったりするケースもあるため、期限を過ぎても発行されない場合は早めに連絡しましょう。

それでも源泉徴収票が発行されない場合は、税務署に相談してください。

離職期間がある場合は控除証明書の提出が必要

離職期間中は国民年金や国民健康保険に加入し、保険料を支払います。この保険料は社会保険料控除の対象のため、所得税の還付を受けられる可能性があります。

離職期間中に支払った国民年金や国民健康保険の保険料を控除するためには、日本年金機構から送付される国民年金の控除証明書の提出が必要です。提出期限は会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。なお、国民健康保険については控除証明書は不要で、支払額のみの申告で控除が可能です。

なお、失業給付金は所得税の課税対象ではないため、転職先の会社に申告する必要はありません。

まとめ

年末調整の前後で転職した場合、そのタイミングや給与支払いの有無などに応じて、年末調整を行う会社や手続きが異なります。転職先で年末調整を受ける際には、前職の源泉徴収票が必要なため、紛失しないように注意が必要です。

また、離職期間がある場合は国民年金の控除証明書も提出しなければなりません。今回、解説した内容を参考に、年末調整や確定申告などをスムーズに進めましょう。

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監修者・水口 香央里

水口 香央里

WEBマーケ ベンチャー⇒LINE株式会社⇒株式会社ユーザベース⇒株式会社Izul
新卒でWEBマーケ ベンチャー企業へ入社。入社後4ヶ月の最短記録でサブマネージャーへ昇格、新人賞を受賞。 退社後はWEB制作・運用業にてフリーで活動。 その後、LINE株式会社へ転職。LINE@サービスの九州拠点立ち上げの第一メンバーとして福岡に拠点を移し、アカウントエグゼクティブとしてLINE法人サービス全般に従事。 2021年にizulの支援を受けてUZABASE、スタートアップ情報プラットフォームINITIAL事業に参画。投資家・大手事業会社向けに導入提案を担当。 ベンチャー・スタートアップの採用支援をより強化すべく、株式会社Izulへ。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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