ゲームの企画を担当するゲームプランナーは、ゲームが好きな方にとって憧れの職業のひとつです。この記事ではゲームプランナーの仕事内容や平均年収、就職するための方法について解説します。ゲームに携わる仕事に就きたい方はぜひ参考にしてください。
ゲームプランナーとは
ゲームプランナーとは、ゲームの企画を行う仕事です。具体的にはゲームのルール、シナリオ、キャラクター、画面のレイアウトなどのアイデアを仕様書にまとめます。ゲームプランナーの企画が新作ゲームの面白さを左右するため、発想力や表現力だけでなく、考えた内容をプロジェクトメンバーへ共有するコミュニケーション能力も求められます。
ゲームプランナーの仕事内容
ゲームプランナーの仕事は、大きく分けて以下の4つです。ここでは、それぞれの具体的な内容について解説します。
- 企画立案
- 仕様書作成
- ゲーム制作
- 分析・運用
企画立案
ゲーム制作で最初に行う業務が、企画立案です。ゲーム市場の動向や自社の強み、想定するターゲットなどを考慮しながら、ゲームの世界観・キャラクター設定・課金プランなどを企画書に落としていきます。企画内容によってゲームの売れ行きが左右されるため、非常に重要な作業といえるでしょう。
仕様書作成
企画書が採用されたら、次は仕様書の作成に移ります。仕様書とはゲーム中のシステム・各パラメーター・デザイン・画面レイアウトなどの詳細な情報をまとめた資料です。プログラマーやグラフィックデザイナーは仕様書を参考にゲームの開発を行うため、わかりやすく綿密に記載する必要があります。
ゲーム制作
ゲーム制作の段階に入ると、ゲームプランナーはプロジェクトの全体のさまざまな管理を行います。具体的にはプログラマーやデザイナーの制作状況のチェック・企画書や仕様書との整合性確認・質問への回答といったサポートが中心です。開発が完了したら、ゲームのクオリティを確認するためにテストプレイを実施します。
分析・運用
ゲームを市場にリリースしたあとは、ユーザーの反響や売上状況などを分析し、次回作に活かすための分析を行います。また適宜アップデートを行うなど、ユーザーが快適にプレイするための継続的な運用も重要な仕事です。ちなみにヒット作の場合、運用期間は3〜4年と長期にわたることがあります。
ゲームプランナーの平均年収
ゲームプランナーの平均年収は、約530万円です。日本の平均年収が約437万円であることを考えると、100万円近く高い傾向にあります。ただしゲームプランナー全体の給与幅は広く、勤務先や経験値によっては平均より200万円近く低くなるケースがあることは認識しておきましょう。
参考:Ⅱ 各種世帯の所得等の状況、ゲームプランナーの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
ゲームプランナーに必要な能力は?
ここではゲームプランナーとして活躍するために必要な以下の6つの能力を紹介します。どれも重要なスキルですので、ゲームプランナーを目指す方はぜひチェックしてください。
- 論理的思考
- 調査・分析能力
- 企画・発想力
- マネジメントスキル
- コミュニケーションスキル
- プログラミング知識
論理的思考
ゲームプランナーには、相手に自分の意見を筋道立てて伝える「論理的思考」が必要不可欠です。自分が考えた企画を採用してもらうには、社内に向けてプレゼンテーションを行う必要があります。プレゼンテーションの際には論理的思考に基づいて、ゲームの魅力や市場ニーズを満たしている理由などを相手にわかりやすく伝えられれば、納得したうえで企画を受け入れてもらいやすくなるでしょう。
調査・分析能力
ゲームプランナーがヒットするゲームを作るには「調査・分析能力」が大切です。ゲームプランナーは「自分が作りたいゲーム」ではなく、市場のニーズを調査・分析して「ユーザーが求めるゲーム」を作る必要があります。さらにユーザーから長期間支持を得られるゲームを企画するには、流行に対して敏感にアンテナを張るだけでなく、次のトレンドを読む力が求められます。
企画・発想力
新作ゲームを作るゲームプランナーにとって、もっとも重要なスキルが「企画・発想力」です。これまでにない新しいアイデアを提案するだけでなく、既存のゲームを組み合わせて新たな価値を生み出すなど、柔軟で枠にとらわれない発想が求められます。また自由な発想を「企画」として落とし込む能力も大切です。
マネジメントスキル
一見ゲームとは関係ないように見える「マネジメントスキル」も、ゲームプランナーとして活躍するためには欠かせない要素です。ゲームプランナーはゲーム制作のプロジェクト管理を担うことが多く、進捗や品質などを適切にマネジメントする必要があります。またプロジェクトには多くの人が関わるため、関係者のスケジュールを適切に調整するスキルも必要です。
コミュニケーションスキル
ゲームに関する直接的なスキルだけでなく「コミュニケーションスキル」もゲームプランナーにとって大切な要素です。ゲームプランナーは、プログラマーやデザイナーなどさまざまな職種と関わる機会が多い仕事といえます。ゲーム制作を予定通り進めるためには、部署や年齢を問わず幅広い人々と円滑なコミュニケーションを取ることが重要です。
プログラミング知識
直接業務に関係はないものの、身についていると活躍しやすくなるのが「プログラミング知識」です。実際の業務においてゲームプランナーが開発作業を行うことは、基本的にありません。しかしプログラミングの知識を有することで、プログラマーが作業しやすい仕様書を作成できるといったメリットが生まれます。その結果、よりクオリティの高いゲームの制作につながるでしょう。
ゲームプランナーに必要な資格は?
ゲームプランナーとして就職する場合、必ず取得しなければいけない資格はありません。しかしプログラミングやデザインに関する知識はゲーム制作の進行管理に役立ちます。また、読みやすい企画書・仕様書を作成するために、Excel・PowerPoint・Wordといった最低限のPCスキルを身につけておくとよいでしょう。具体的な資格名については以下の通りです。
プログラミングの基礎知識
・ITパスポート
・基本情報処理技術者試験
デザインの基礎知識
・Illustratorクリエイター能力認定試験
・Photoshopクリエイター能力認定試験
・CGクリエイター検定
パソコン操作の基礎知識
・マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
ゲームプランナーのやりがいは?
ゲームプランナーのやりがいは、自分が企画したゲームを大勢の人に楽しんでもらえることです。手がけた作品がユーザーから高く評価された時には、特に大きな達成感を味わえます。またゲームが好きな方にとっては、自分の手で1からゲームを生み出せる喜びを強く感じられるでしょう。
ゲームプランナーの厳しさは?
ゲームプランナーの厳しさは、市場のニーズや先々のトレンドを的確に読み取らなければいけない点です。トレンド予測を立てるのは容易ではないため、慣れないうちは行き詰まりを感じることもあるでしょう。また「自分が作りたいゲーム」と「ヒットするゲーム」が異なる場合には、思うような企画を立てられないこともあります。
未経験からゲームプランナーになるには?
ゲームプランナーには豊富な知識や経験が求められるため、未経験から就職するのは困難です。まずはゲーム制作会社で働き、ゲーム制作に関するスキルや経験を得て、将来的なキャリアとしてゲームプランナーとなることが近道となります。そのほかゲームプランナーを目指すための専門学校に通う方法もあります。専門的な知識を学べるうえに就職サポートを受けられることもあるため、時間とお金はかかるものの確実にゲームプランナーになりたい方におすすめです。
まとめ
この記事では、ゲームプランナーの仕事内容や必要なスキルについて解説しました。ゲームプランナーは決して楽な仕事ではありませんが、多くの人を笑顔にできる夢のある仕事です。ゲームプランナーを目指している方は、まずは関連資格や専門知識の習得からスタートすることをおすすめします。