技術職のバックグラウンドや専門知識を活かして営業活動を行うのが、技術営業の仕事です。技術営業の仕事内容や求められるスキルがわからず、転職活動にまで踏み込めない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、技術営業の仕事内容の詳細や求められるスキルについて詳しく解説しています。技術営業の適性や転職に関する知識も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
技術営業とは
技術営業とは、技術職のバックグラウンドや専門知識を活かして営業活動する職業です。別名、セールスエンジニアと呼ばれることもあります。主にIT業界や医療器具メーカー、機器メーカーなどの専門性の高い業種で活躍しています。
一般的な営業職との違いは、技術営業はクライアントに対して専門的な知識・経験に基づいた対応が求められる点です。そのため、クライアントから高い信頼を得られやすい特徴があります。
技術営業の仕事内容
技術営業の仕事内容は主に以下の4つです。
- ヒアリング
- 解決策の提案
- 自社サービスの説明
- 導入・アフターサポート
ヒアリング
まずは顧客からヒアリングを行い、ヒアリングの中で顧客が抱えている課題を見つけます。目的としては自社製品によって、顧客の課題が解決できるかを探るためです。大事なことは顧客に寄り添い、顧客の課題を洗い出すことです。
解決策の提案
次に解決策の提案をします。顧客の売上データなどを分析したうえで立案した解決策を提案することにより、顧客に自社商品によって課題を解決できることを示せます。注意点としては、非現実な方法を提案してしまうとクライアントからの信頼損失につながり、自社のエンジニアにも負担がかかるというデメリットがあります。
自社サービスの説明
ヒアリング・解決策の提案を終えた上で、次に自社のサービス説明を行います。いきなり自社のサービス説明をすると、押し売り営業と思われてしまいます。自社サービスの説明ポイントは、競合他社との違い、技術的にどのように優れているかをアピールすることです。
自社サービスの説明中に質問されることはよくあるため、正しい返答ができないと営業としての信頼を失うことになります。そのため、自社サービスに関する最新の知識を身につけたうえで、常にアップデートする姿勢を持つことが大事です。
導入・アフターサポート
契約成立した後は導入・アフターサポートを行います。技術営業は顧客が自社製品を導入した後のアフターサポートも担当することが多いです。
例えば自社サービスの使い方やサービスを導入する手順などについて説明する必要があります。顧客からの質問に対してきちんと答えられないと信頼が一気に下がるため、自社サービスの知識をきちんと身につけ、丁寧な対応を心がけましょう。アフターサポートまでしっかりと行うことで、顧客との信頼関係を築くことができ、自社との関係性を長期で構築できます。
技術営業の適性
ここでは、技術営業の適性を紹介します。ここで紹介する適性を参考に、自身が技術営業職に向いている人材か客観的に判断してください。
向いている人の特徴
技術営業に向いている人の特徴は以下の3つです。
- 論理的に思考できる人
- 何事にも興味をもてる人
- 会社で活躍したいと思う人
論理的に思考できる人
どんなことでも論理的に思考できる人は、技術営業に向いています。論理的思考とは、さまざまな課題に対して、推論や結論を導き出していくことです。特に技術営業は顧客の課題を解決に導く際に、論理的思考が必要になります。一方営業職は「自社サービスを売り込む」イメージがありますが、技術営業では顧客が抱えるさまざまな課題を紐解き、根拠が明確な提案をすることが求められます。顧客に対して、魅力的な提案をするときに論理的思考を活用し伝えると役に立ちます。
何事にも興味をもてる人
技術営業は、さまざまなジャンルのエンジニアと関わりながら業務を進めていくのが特徴です。そのため、幅広い分野に興味を持ち、専門分野のエンジニアと対等にやりとりできる知識を得ておかなければ、顧客が納得する説得力のある提案はできません。何事にも興味をもちやすい傾向にある方はストレスなく情報・知識をアップデートできるので、仕事の成果に直結しやすいでしょう。
会社で活躍したいと思う人
技術営業は会社で十分に活躍したいと思う方に向いている仕事です。技術営業は幅広い専門知識を必要とします。どのよう接客をしたらよいか、どうしたら会社の売り上げがあがるかを常に考えられる人が技術営業に向いています。
向いていない人の特徴
技術営業に向いていない人の特徴は以下の3つです。
- メンタルが弱い
- コミュニケーション能力が低い
- 専門知識がない
技術営業も一般営業職と同じでノルマがあります。そのため、ノルマ達成へのプレッシャーに負けない強いメンタルがなければ務まらない仕事です。
また、コミュニケーション能力が低い人も、技術営業には向いていません。どれだけ専門知識を有していても、それを発揮できるコミュニケーション能力がなければ、顧客と良好な関係性を構築するのは不可能です。どれだけ優れた自社のサービスも、顧客に魅力を伝えられなければ成約にはつながらないでしょう。
技術営業には、最低限の専門知識が必要です。ただし、入社前に専門知識がなくても専門知識をつける意欲がある方は、技術営業担当になれる場合もあります。新しい専門知識はどんどん出てくるので、常に最新情報をインプットする必要があります。
技術営業への転職に有利なスキル
技術営業への転職に有利なスキルは以下の3つです。
- コミュニケーション能力
- リーダーシップ
- 理工・工学の知識
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力が優れていると技術営業への転職は有利です。技術営業は商談の場でいかに顧客とうまく会話するかが大事になります。人との対話が好き、人が好きという人は技術営業で活躍できます。
また技術営業はより専門的な知識や経験をもとにした提案が求められるため、コミュニケーションの中で自身の知識・経験を発揮できるかどうかも重要です。
リーダーシップ
リーダーシップがある人は技術営業への転職に有利です。成約後にプロジェクトを推進する際、技術営業担当が責任者になる場合があります。そのため、技術営業職としてのスキルとあわせて、チームをまとめられるリーダーシップが必要になることもあるでしょう。また、エンジニアや営業事務など他部署の人間と関わるプロジェクトの場合も、チームを牽引するリーダーシップが求められます。
理系・工学の知識
そもそも理系・工学の知識がないと転職は難しいでしょう。営業スキルはあっても専門知識がなければ自社サービスをアピールできません。そのためPCスキルや数学に基づいた論理的思考力など理系・工学の知識を身につけるとよいでしょう。
技術営業の転職に関する知識
技術営業の転職に関する知識をつける必要があります。技術営業で必要な知識は専門知識になります。面接を受ける前に、就業を志望する企業が取り扱う商材・技術にまつわる情報を調べ、知識として身につけておくとよいでしょう。
技術営業を目指す方法
技術営業を目指す方法としては、一般営業からキャリアチェンジするのがおすすめです。営業で培った知識は技術営業でも役に立ちます。あとは専門知識を身につければ、仕事ができます。
技術営業に就くメリット・デメリット
技術営業に就くメリットは、専門知識を活かした営業力が身に付くことです。自社の取り扱う分野や、取引先の企業が専門とする分野の最新情報と知識を集められるのは大きなメリットでしょう。自身を成長させるうえで役立つのはもちろん、自社の業績向上につながる成果を挙げやすくなります。
対して技術営業に就くデメリットは、専門知識・技術を大量にインプットしなければならないことです。常に新しい技術や知識を身につけることが求められるため、自身の知識・スキルをアップデートする意識を常に持ち続けなければ技術営業は務まりません。
年収・将来性
DODAが発表したデータによると、技術営業の平均年収は501.9万円です。需要のある仕事であるため、将来性も高いといえます。
参考:DODA|技術営業とはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説
キャリアパス
技術営業はエンジニアと営業のどちらも携わるので、両方のキャリアパスが描けます。そのため、技術営業として働きながら新たな選択肢を見つけることも可能です。
未経験でも就業可能?
結論、可能です。しかし覚えることが多いため、仕事に慣れるまでは大変な毎日を過ごすことになるでしょう。慣れていけば仕事が楽しくなり、やりがいが生まれます。
まとめ
今回は技術営業の仕事内容や求められるスキルについて紹介しました。技術営業には、向き不向きがあります。事前に把握することで本当に仕事に合っているかがわかります。この記事をきっかけに、技術営業への転職を検討してみてください。