営業活動を行ううえでクライアントと良好な関係性を構築するには、訪問後にお礼メールを送信することが非常に重要といえます。しかし、訪問後のメールがなぜ重要なのか理解しきれないまま、ただ作成するだけになっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、訪問後のメールがなぜ重要なのか、その理由について解説します。訪問後のメールを実際に作成するうえでのポイントや例文も紹介しているので、営業活動を円滑に進めるための情報源としてお役立てください。
なぜ訪問後のメールが重要なのか
そもそも、訪問後にお礼メールを送ることはビジネスマナーとして常識です。時間を割いて商談に応じてくれたクライアントに対し、お礼のメールを送らないことはビジネスマナー違反に当たります。たとえ商談前・商談中の対応が良くても、訪問後にお礼がないだけで成約に結びつかない場合もあります。
新規顧客はもちろん、既存顧客との関わりにおいても訪問後のメールは重要です。いつもお世話になっているクライアントに「今回もありがとうございます」と都度お礼を伝えることで、円滑な関係を保てます。
昨今はオンラインでの商談も多くなっているため、訪問後にメールを送る機会が減少傾向にあります。しかし、たとえオンラインでの商談でも、お礼のメールを送ることを忘れないようにしましょう。新しいコミュニケーション手段においても、お礼の気持ちをしっかりとクライアントに伝えることが大切です。
訪問後のお礼メールに関するポイント
訪問後のお礼メールを作成・送信する際は、以下に挙げるポイントを把握しておくことが大切です。
- 訪問当日に送信する
- 件名に本文の内容を簡潔に記載する
- 定型文は避ける
- 誤字脱字・宛先のミスに注意する
- 「取り急ぎ」は記載しない
ビジネスマナー違反にならないメールを作成するうえで重要なポイントなので、ぜひ参考にしてください。
訪問当日に送信する
訪問後のお礼メールは、訪問当日に送信するのが一般的なマナーです。仮に当日中に時間が取れない場合は、遅くても翌日の営業時間開始直後には送信するようにしてください。訪問後すぐにメールが来ないと、クライアントに不信感を抱かせることになります。商談の時間を割いてくれたことに対し、すぐにお礼を伝えることが大切です。
件名に本文の内容を簡潔に記載する
件名には、訪問後のお礼メールであることがわかる文面を記載します。「ご面談のお礼」などの文言と「〇〇の山田です」のように、用件と名前をセットで送るとよいでしょう。「誰が何のメールを送ってきているか」一目でわかるような件名を意識してください。
定型文は避ける
メールの本文は、明らかに定型文だとわかるような文面は避けましょう。かえって印象が悪くなってしまいます。商談の内容や今後に関する展望など、クライアントが「今回の訪問のことをいっている」とわかるような文面を都度作成することが大切です。
誤字脱字・宛先のミスに注意する
お礼メールに限った話ではありませんが、クライアントにメールを送信する際は誤字脱字と宛先ミスに注意しなければなりません。たとえ訪問後すぐにメールを送信しても、内容にミスがあってはかえって信頼感を失うきっかけになってしまいます。誤字脱字や宛先のミスを防止するために、ダブルチェックや上司など第三者の確認を経てから送信してください。
「取り急ぎ」は記載しない
クライアントにお礼メールを送る際は、「取り急ぎ」の表現は使用してはいけません。一見正しい表現に思えますが「取り急ぎ」には「差し当たって」の意味があり「今は適切な報告ができない」ことを意味します。そのため「取り急ぎ」ではなく、「まずはお礼申し上げます」と記載するのがマナーです。
【パターン別】訪問後のお礼メールの例文
ここでは、訪問後のお礼メールを作成するうえで活用したい例文を、パターン別に紹介します。はじめてお礼メールを作成する際や、自身が普段使用している文面に自信がない人は、ここで紹介する例文をぜひ参考にしてください。
<h3>基本的なお礼メール</h3>
【件名】本日訪問の御礼【自社名】【担当者名】 株式会社○○ ○○様 本日【商材名】のご提案をさせていただきました、 【自社名】の【署名】と申します。 本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました。 ご提案させていただきました【商材名】について、ご不明点などございましたらお気軽に○○までご連絡ください。 今後とも何卒よろしくお願いします。 署名 |
以下で紹介するパターンにおいても、こちらの例文は流用可能です。
飛び込み訪問の場合
飛び込み訪問の場合は、上記の基本パターンの例文に以下の文を添えることで、失礼のないお礼メールを作成できます。
・本日は突然の訪問にもかかわらず、お時間をとっていただきありがとうございました。 ・突然訪問したにもかかわらず、当社の提案をお受けくださりありがとうございました。 |
商談が成立した場合
商談が成立した場合は、基本形の文に以下の例文を交えたメールを作成・送信しましょう。
・ご契約いただきましたことに感謝申し上げます。 ・弊社のサービスをご利用いただくことで、御社の【課題】を解決できると確信しております。 ・弊社サービスを選んでよかったと感じていただけるよう、私も全力でお力添えさせていただきま す。 |
商談が保留となった場合
商談が保留になった場合は、以下に挙げる例文を基本形に組み込んでお礼メールを作成してください。
・ご提案させていただきました【商材名】の導入にあたってご要望・ご不明点などございましたら、 お気軽にご連絡ください。 ・御社の課題解決にお力添えできるよう、努力させていただきます。 |
お礼メールではなく「お礼状」を送る方がいい場合もある
訪問時に対応してくれたクライアントの担当者が、管理職や役員など立場が高い方だった場合は、メールではなくお礼状を送る方がいいとされています。お礼状を送る方が、メールよりも丁寧な印象を与えられるためです。ただし、メールと比べて到着に時間がかかるので、先んじてメールでお礼を伝えたのちにお礼状を送る場合もあります。
お礼状を作成する際はパソコンではなく、直筆のお礼状を作成するのが一般的なマナーです。役職の高い人が貴重な時間を割いてくれたことに対してお礼するのであれば、打ち込みではなく直筆の方が相手に誠意が伝わりやすいためです。
直筆によるお礼状の作成は、仕事の合間の時間を割くことになります。そのため、訪問後からお礼を伝えるまでの期間が極端に空いてしまわないよう、作成・送付のスケジュールを調整することが大切です。
まとめ
今回は、営業活動における重要なマナーである、訪問後のお礼メールについて解説しました。営業活動に伴う訪問は、クライアントの貴重な時間をいただくことと同義です。そのため、訪問当日のお礼だけでなく、訪問後にメールで改めてお礼を伝えることが非常に重要です。お礼メールがないだけで、今後のやりとりや取引の可否に影響を与えることになります。今回紹介したお礼メールの例文なども活用し、営業活動や取引を円滑に進めましょう。