取引先や上司に迷惑をかけた際に送る、謝罪メールの書き方がわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。自身のミスや非に対して書くことになるため、通常のメールよりも気を遣って書く場合がほとんどです。
今回は、謝罪メールの基本構成に触れながら、作成のポイントや使用頻度の高いフレーズを紹介します。実際に謝罪メールを作成するうえで参考にできる例文や、メールでの謝罪が不適切な場合についても解説しているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
謝罪メールの基本構成
謝罪メールは、以下の項目で構成されるのが一般的です。
- 件名
- 挨拶
- お詫びの言葉
- 謝罪に至るまでの経緯
- 今後について
- 締めの言葉
それぞれの項目にどのようなことを書くべきなのか、ここでは詳しく紹介します。
件名
メールを受信した方が最初に見る件名には、メールの内容が一目でわかるような文言を記載してください。謝罪の意を伝えたいことはもちろん、何に対する謝罪なのかがわかるようにしなければいけません。「●●についてのお詫び」といったように、見てすぐわかるような件名がよいでしょう。件名がわかりづらいと、相手に謝罪の意思が伝わらない危険性があります。件名を空欄で送信することも厳禁です。
挨拶
謝罪メールの冒頭文には、通常のメールと同様に「平素よりお世話になっております」と挨拶の文を記載しましょう。挨拶もなしにいきなり謝罪内容を書いてしまうことは、かえってマナー違反となる場合があります。まずは挨拶の文をしっかり記載したうえで、本題に入るような構成を意識してください。
お詫びの言葉
件名・挨拶は一般的なビジネスマナーとして記載する内容ですが、その次から書く文はいわゆる「本題」となる謝罪の言葉です。お詫びの言葉を書く際は「この度は○○のお詫びでご連絡させていただきました」と、お詫びの意思と謝罪の概要がわかるように書きましょう。
謝罪に至るまでの経緯
ただ謝罪するだけではなく、なぜ謝罪に至るような問題が発生したのか、相手が理解できるよう経緯にも触れてください。問題が発生した経緯が相手に伝わらないと、なぜ謝罪しているのかが明確になりません。また同じことを繰り返すのでは?とかえってマイナスの印象を与えてしまう可能性もあります。
今後について
謝罪内容や経緯まで触れたら、ここまでの内容を踏まえたうえで「今後どうしていくべきか」という回答を記載しましょう。問題に対して謝罪するだけでは、信用度の回復や今後の関係性維持につながりません。反省を活かし、今後同じことを発生させないためにどうしていくかを明確にすることで、相手に誠意が伝わります。
締めの言葉
メールの最後には、改めて謝罪の言葉を添えておきましょう。一般的な締めの言葉である「何卒よろしくお願いします」などは、謝罪メールの場合は不適切です。「繰り返しになりますが」と前置きしたうえで、冒頭で記載したような謝罪文を多少文面も変えて記載してください。
謝罪メールを書く際のポイント
謝罪メールの基本構成を理解したうえで、以下に挙げるポイントを押さえておくことも大切です。
自身の非を認める
たとえ自身に100%非がなくても、メールにはその旨を記載してはいけません。一旦自分の非を認めたうえで、相手に「言い訳している」という印象を与えないようなメールを作成してください。
早急に送る
問題が発生した段階でメールを作成し、早急に送ることが大切です。謝罪メールの作成と送信を後回しにしてしまうと、謝罪の意思が伝わりにくくなってしまいます。早急に謝罪メールを送ることで、相手にこちらの謝罪の気持ちを理解してもらいやすくなるでしょう。
簡潔な文章を意識する
謝罪メールに記載する本文は、できるだけ簡潔に書かないと「結局何が言いたいのか」と疑問を与えてしまいます。ただし、あまりに簡潔な文章だと謝罪の気持ちが伝わらないため、要点を押さえつつ読みやすい長さや内容を意識しましょう。
名称・日付などは省略しない
謝罪相手の企業名、個人名などの名称や問題が発生した日付などは、必ず省略せずに記載しましょう。省略していることを相手に気づかれてしまうと、かえってネガティブな印象につながりかねません。できるだけ簡潔な文章を心がける必要はあるものの、省略してはいけない部分があることも踏まえて作成しましょう。
誤字脱字がないかチェックする
謝罪メールに誤字脱字があると、それだけで相手に謝罪の意思が伝わりにくくなります。そもそもビジネスマナーとして、誤字脱字のあるメールを送ることは厳禁です。謝罪メールの場合はこちらに非があることも多いため、誤字脱字には特に注意しましょう。
謝罪メールでよく使うフレーズ
ここでは、謝罪メールで使うことの多い主なフレーズを、謝罪のレベルにあわせてまとめています。
簡単な謝罪 | 中程度の謝罪 | 重要度の高い謝罪 |
・失礼いたしました ・申し訳ございません ・お詫び申し上げます ・反省しております ・〜の不注意で | ・大変失礼いたしました ・ご迷惑をおかけいたしました ・申し訳ございませんでした ・お詫びの言葉もございません | ・謹んでお詫び申し上げます ・猛省しております ・心より謝罪いたします ・弁解のしようもございません |
どのレベルの謝罪文が適しているのか、判断に迷った場合は上長に相談しましょう。自分だけの判断で作成してしまうと、かえって失礼なメールを送ってしまう可能性があります。
謝罪メールの例文集
ここでは、謝罪メールを作成するうえで参考になる例文を、社外向けと社内向けのパターンに分けて紹介します。社外向けと社内向けでは、内容はもちろん書き方も異なることを理解しておきましょう。なお今回は、いずれの文章もできるだけ簡潔に書きつつ、内容をしっかり伝えられるものという形で掲載しています。
社外向け
件名:○○のトラブル発生に関するお詫び 以下本文 株式会社○○ 部署名・○○様 平素はお世話になっております。株式会社○○の○○と申します。 ○月○日にサービスが一時的に停止してしまう状況が発生しました。 ○○様には多大なるご迷惑をお掛けしましたことを、心よりお詫び申し上げます。 今回は、○○が原因でこのような不手際が発生してしまいました。 現在は通常どおりサービスを利用できる状態となっているため、ご安心ください。 今後は同様のトラブルが発生しないよう、再発防止策を立案・実施することをお約束させていただきます。 繰り返しになりますが、この度はサービスの一時的な停止によりご迷惑をお掛けしましたことを、心よりお詫び申し上げます。 今後とも、ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。 |
社内向け
件名:○○の件に関する報告とお詫び 以下本文 ○○さん いつもお世話になっております。 先日の旅費精算に関して、計算ミスがあったまま請求書を作成・申請してしまっておりました。 指摘いただいた金額面の修正は実施済みです。 今後は、ご迷惑をおかけしたことを深く反省し、再発を防止するために計算方法や結果の確認を徹底して参ります。 まずはメールにてお詫びいたします。 大変申し訳ございませんでした。 |
電話もしくは対面で謝罪する必要があるケースも
ここまで謝罪メールの書き方に関するポイントを紹介してきましたが、そもそもメールでの謝罪が不適切な場面もあります。
- 相手が激しく怒っており、電話もしくは対面でクレームを伝えてきた
- なぜ相手が怒っているかを理解しきれない(意図のズレた謝罪メールの送信を避けるため)
- 謝罪メールだけでは相手が納得しなかった
- 今後の関係性に亀裂を生じさせたくない(メールはあくまで略式であるため)
上記に挙げたケースに該当する場合は、メールではなく電話や対面で謝罪の気持ちを伝えましょう。
まとめ
今回は、謝罪メールの書き方やポイント、例文などを紹介しました。謝罪メールを送るうえでは、できるだけ簡潔かつ正しく伝わるようなメールを書くことが大切です。
誤った対応をしてしまうと、かえってマイナスの印象につながることがあるため注意してください。
ビジネスにおいては、何らかの謝罪の機会を避けて通れない場合もあるでしょう。今回紹介した内容を参考に、正しいマナーで謝罪メールを作成・送信してください。