試用期間中に退職することは可能?メリット・デメリットや具体的な手順を解説

2023年5月27日

2024年4月26日

著者

Izul広報チーム

Izul広報チーム

新しく働くことになった会社で、入社から数ヶ月の期間が「試用期間」という扱いになることは珍しくありません。転職活動を繰り返し、ようやく決まった就職先だったとしても、ミスマッチを感じてすぐ退職したいと考えてしまうケースもあるのではないでしょうか。この記事では、試用期間中における退職の可否や注意点、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

試用期間の定義とは

試用期間とは、企業が採用した社員の適性を判断するために設けている期間のことです。長さについて法律上の定めはありませんが、一般的には1ヶ月から6ヶ月程度が多く、おおむね1年までと考えられています。企業は、試用期間中に適性や能力、態度などを見極めたうえで「継続雇用するのが適当でないと判断される相当な理由」があった場合は解雇できます。

試用期間中に退職はできる?

試用期間中であっても、退職することは可能です。試用期間のうちは本採用ではないものの、企業と従業員との間で雇用契約は成立しています。そのため、本採用後の退職と同じ手続きを踏むことで、自分の意思で退職できます。退職を決意した場合は、できるだけ早めに伝えるようにしましょう。

試用期間中に退職する場合に押さえたいポイント

試用期間中にやむを得ず退職する場合、守るべきポイントがいくつかあります。トラブルを防いで円満に退職するためにも、大事な要点を4つお伝えします。

2週間前までに退職の意思を伝える必要がある

本採用後の退職と同じように、退職日の2週間前までに会社へ退職の意思を伝えることが労働基準法によって義務付けられています。試用期間だからといって、2週間待たずにすぐ退職できると誤解しがちですが、誤りであるため注意してください。

試用期間中でも給与は支払われる

試用期間中の退職でも、勤務した分の給与は全て支払われます。社会保険への加入や福利厚生、残業代の支払いなども正社員と同じように受けられます。万が一企業側から「試用期間中の退職だから給与は払わない」と言われても企業には支払う義務があるため、その場合は労働基準監督署などへ相談してみましょう。

退職理由は具体的かつ明確に説明する

退職の意思を伝えると、退職理由の説明を求められることになるでしょう。退職理由をごまかしてしまうと心象を悪くしたり、強い引き留めをされたりとトラブルの原因にもなりかねません。上司に対して面と向かって言いづらいかもしれませんが、正直にはっきりと伝えましょう。

会社の就業規則で定められた退職のルールを守る

企業にはそれぞれ、就業規則によって定められた退職のルールがあります。トラブルなくスムーズに退職するためにも、「退職日の1ヶ月前までに申し出る」「口頭ではなく退職届を提出する」など、企業によって異なる規則の内容をしっかりと確認しておきましょう。

なお、就業規則よりも法令が優先されるため、就業規則で1ヶ月前の申告が定められていても、労働者が2週間前までに退職を申し出れば退職できることになっています。ただしトラブルや軋轢の原因になる可能性もあるため、できる限り就業規則を守って円満退職を目指しましょう。

試用期間中に退職するための手順

実際に退職する決意が固まったら、次の手順で退職の手続きを進めましょう。正社員の退職にも通じる内容であるため、改めてビジネスマナーとして確認してください。

退職の意思を上司に伝える

退職の意思が固まったら、できるだけ早く上司に伝えましょう。いきなり時間を取らせてしまうのは失礼にあたるため、前もってアポイントを取り、相談する時間を設けてもらうようにしてください。退職の意思は、必ず直属の上司に伝えます。不在だからといって他の上司に伝え、後から直属の上司に知れるとトラブルの元になってしまいます。また、短期間の勤務であっても、マナーとしてお世話になった感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。

退職届を提出する

上司との面談を終えたら、退職届を提出します。試用期間中の退職であっても、退職の意思を伝えた証明として退職届は必ず提出しなければなりません。企業から書式の指定がない場合は、自身で退職届を作成します。提出に伴い、他にも必要な手続きがないか人事担当者に確認しておきましょう。

業務の引き継ぎを行う

数ヶ月の勤務でも、業務を引き継ぐ責任があります。1人で担当している仕事は多くないかもしれませんが、指導を担当した先輩にも相談しながら業務の進捗状況がわかる資料を作成しましょう。資料だけで伝わりにくい部分は、後任者や先輩社員に口頭で伝えるようにしてください。

試用期間中に退職するメリット

試用期間中に見切りをつけて早めに退職することは、複数のメリットにつながります。3つのメリットを具体的に紹介しているので、今まさに退職するか悩んでいるという方はぜひ参考にしてください。

時間を無駄にしない

どうしても仕事や環境が肌に合わず、遅かれ早かれ退職する場合は、すぐに退職することで無駄な時間を過ごす必要がなくなります。「いつか辞めたい」と思いながらダラダラと仕事を続けていても、モチベーションは高まらず、スキルや知識も身につかないでしょう。早いうちに次の転職先を探すことで、熱中できる仕事に巡り会えるかもしれません。

辛さやストレスから解放される

自分に合わない業務や過剰なノルマ、辛い人間関係などの悩みを抱えたまま働き続けると、いつか心身に異常をきたしてしまいます。自分でコントロールできないほどの大きなストレスは無理に我慢せず、退職するのが得策です。

新卒の場合は第二新卒として転職活動できる

新卒で入社した会社を試用期間中に辞める場合、第二新卒として転職活動ができるというメリットがあります。第二新卒とは、新卒で就職後3年以内に退職した人を指します。中途採用者と肩を並べて転職活動を行うと、知識やスキルに大きな差がありハードルが高く感じられるでしょう。しかし第二新卒の場合、新卒よりもビジネススキルが備わった人材としてポテンシャルを含めて評価されるため、転職のハードルが下がり再就職がしやすくなります。

試用期間中に退職するデメリット

ここまで試用期間中の退職におけるメリットを紹介しましたが、一方でデメリットも存在します。試用期間のリスクにもしっかりと目を向けて、正しく判断できるようになりましょう。

転職活動で不利に働く可能性がある

短い期間で退職したことが、転職活動において不利に働くかもしれません。採用を担当する今の管理職世代には「辛い仕事でも3年は勤めるのが当たり前」という考えを持つ人もいるでしょう。数ヶ月で退職したという職歴を見て、根性がない・我慢ができない人という評価が下される可能性も否定できません。また、同業他社への転職を希望したものの、狭い業界であることから「すぐに辞めた社員」として名前を覚えられてしまい、再就職が叶わなくなるというリスクもあるため注意が必要です。

会社の良い点を見逃す可能性もある

入社から数ヶ月では気づけなかった、会社の良い部分を見逃したまま退職してしまう可能性もあります。仕事に慣れると快適に思えたり、部署が変われば人間関係が改善したりといった可能性も考慮しておくべきでしょう。

まとめ

試用期間中でも退職することに問題はありません。早い決断が功を奏する事もあれば、後悔を生む結末になる可能性もあります。一番良い選択を判断するのは難しいものですが、今回紹介したメリット・デメリットを元に冷静に見極めてから行動に移すことを心がけるべきでしょう。

監修者・安藤 優也

安藤 優也

大学院まで英語教育を学び、公益財団法人 日本英語検定協会に入社。
教育委員会・大学へのセールス、アメリカでの教員研修、公開試験実施の企画運営等に従事。

その後株式会社リクルートに入社し、営業経験者へのキャリアアドバイザーとして複数回の表彰もいただきました。
チームリーダー・育成者としての実績が認められ、キャリアアドバイザー育成を行う部署に異動。全社のキャリアアドバイザー向けの研修企画や研修講師を経験しました。

大手人材会社でのサービスを経験したからこそのもどかしさや限界を感じ、現在はIzulでコンサルタントを行っています。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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