社内メールの書き方がわからず、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。社外メールと比べ、ルールやマナーを気にすることは少ないものの、最低限意識すべきポイントがいくつかあります。
今回は、社内メールの概要に触れながら、書き方や例文、おすすめのフレーズを紹介します。作成した社内メールを送信する前のチェックポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
社内メールとは
社内メールとはその名の通り、社内の人間宛に送信するメールのことです。ここでは、社内メールの必要性や注意点、使用頻度の高いツールについて紹介します。
社内メールの必要性
社内メールは、対面でやり取りがしにくい場面で必要とされます。大人数に同時に連絡したい内容がある際は、メールで連絡する方が効率的です。また新型コロナウイルス感染拡大以降のテレワークの台頭も、社内メールの必要性が注目される理由です。対面でなくオンライン上でやりとりすることが多くなっているため、社内メール(文章)の必要性が再度注目されています。
また、社内・社外かかわらず、メールの送信マナーを覚えておくことは社会人としての基本です。ビジネスマナーを養う意味でも、社内メールが必要とされます。従業員同士がメールのやりとりを通じ、信頼関係を築くことにもつながるため、社内メールはさまざまな理由で必要なものだと言えるでしょう。
社内メールにおける注意点
社内メールを送る際は、一般的なマナーを意識するのが必須です。しかし、マナーを気にしすぎて作成・送信に時間がかかってしまっては意味がありません。宛名や敬語など「相手に失礼のないように」することを意識しすぎると、かえって身動きが取れなくなります。
また、社内メールの文面はどうしてもかしこまったものになるため、従業員間の距離を縮めにくいのも特徴です。
社内メールで活用されることの多いツール
社内メールは確認・返信に手間がかかることも多く、全体連絡の手段をメール以外で行う企業も少なくありません。近年、オンライン上で従業員全員、もしくはグループ単位でやりとりできる以下のツールが注目されています。
- ChatWork
- Slack
- Asana
- Nortion
上記はやり取りがスムーズになるだけでなく、部署やプロジェクトごとにグループを分けて連絡を取り合えるのがメリットです。
社内メールを送るうえでの基礎知識
ここでは、社内メールを送るうえで押さえておきたい基礎知識を紹介します。ビジネスマナーに則した書き方を意識するうえでも重要な知識であるため、ぜひ参考にしてください。
メールソフトの操作法
自社で使用するメールソフトの基本操作を覚えておきましょう。主に利用されるのは、OutlookやGmailなどです。また、先ほど紹介したツールを活用して連絡を取り合う企業もあります。自社がどの手段で連絡を取り合うか把握したうえで、各種ソフト・ツールの操作方法を覚えてください。
件名
件名を書く際は、できるだけ短く、かつ端的に書くことが大切です。情報を的確に伝えようと件名を長く書いてしまうと、かえって読みにくくなります。また、短くしすぎると内容が理解しにくくなります。読みやすくわかりやすい文量で件名を記載してください。
宛名
社内メールの宛名は「様」を使用するのが一般的です。企業によっては「さん」で統一している場合もあるので、自社のルールに従って宛名をつけてください。複数人に送る場合は「各位」を使用します。またChatWorkなどのツールを使用する際は相手名を「@」で引き出し、そのまま「メンション」する場合もあります。
宛先
宛先は、すでに登録されている相手側のメールアドレスを引き出して選択するのが一般的です。登録されていないアドレスの場合は、ミスがないよう慎重に入力してください。宛名が複数人になる場合は「TO(メイン宛先)」「CC(参考送信)」「BCC(宛先を伏せる)」を使用します。ただし社内の連絡では、BCCを使うことはあまりありません。
挨拶
社内メールの挨拶部分は「お疲れ様です」で統一します。社外メールのような「拝啓」や「謹啓」などは不要です。目下の人に使う表現である「ご苦労様」も避けてください。
内容
件名同様、本文の内容もできるだけ簡潔かつわかりやすく書くべきです。結論に辿り着くまでの文章が長いと、肝心の用件が伝わりにくくなります。最初に結論を書いてから「なぜなら〜」という形になるよう意識してください。
社内メールの例文・おすすめフレーズ
ここでは、社内メールの例文とおすすめフレーズをいくつか紹介します。
例文
例えば上司に対して何か質問がある際は、以下のような例文を参考にしてください。
【件名】○○資料作成について お疲れ様です。 営業部の○○です。 先日作成依頼をいただいた資料に関して、以下の質問をさせてください。 ・書式に指定はありますか ・紙媒体での印刷は必要でしょうか ・作成期限はいつまででしょうか お忙しいところ恐れ入りますが、○日の○時までにご回答いただけますと幸いです。 よろしくお願いします。 |
社外メールと比べて、内容が短くまとめられています。また社内メールは、丁寧すぎる言い回しがかえってNGとされる場合があります。NG例と正しい書き方は以下の通りです。
<NG例> 資料をお送りいたします。 ご覧いただき、気になる点などございましたら何なりとご指摘くだされば幸いです。 お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 |
<修正例> 資料をお送りします。 改善点などありましたらご指摘お願いします。 |
あくまで社内の人間に送るものであるため、必要最低限のマナーさえ押さえていればNG例のように畏まった表現を意識しすぎる必要はありません。
おすすめフレーズ
社内メールは、できるだけ短く・わかりやすい内容を意識しながら、最低限のマナーを守って作成すれば問題ありません。また、以下で紹介する「お願い」と「締め」のフレーズを参考にすれば、より簡単に社内メールを作成できます。
<お願い> ・お願いいたします、お願い申し上げます ・いただければと存じます ・いただけると幸いです ・大変恐縮ですが、大変恐れ入りますが ・お手数おかけして申し訳ございませんが ・お忙しいところ恐れ入りますが ・勝手なお願いではありますが | <締め> ・引き続きよろしくお願いいたします ・早急にご対応いただきますよう お願い申し上げます ・ご連絡いただきますようお願いいたします ・ご返信いただければ幸いです ・ご検討いただければ幸いです ・ご対応のほどよろしくお願いします |
社内メール送信前のチェックポイント
社内メールは、作成前・作成中だけでなく、送信前にも注意すべき点がいくつかあります。ここでは、社内メールを送信する前のチェックポイントを紹介します。
誤字脱字がないか
誤字脱字をそのままにするのは、ビジネスマナー違反です。社外に送るものではなくても、最低限のマナーを遵守する意味で誤字脱字がないか、送信前にしっかり確認しておいてください。
ファイルの添付漏れがないか
資料などを確認してもらいたいメールの場合、メール内にファイルが添付されているか確認することが大切です。本文の内容がいかに優れていても、肝心のファイルが添付されていないと社内での印象は良くなりません。
宛先・宛名が誤っていないか
誤字脱字と同様、宛先と宛名にミスがないか確認することも大切です。メールの内容を届けるべき相手に誤りがないか、しっかり確認してください。また宛名に関しても、敬称が漏れたり漢字表記の誤りがないよう、送信前のチェックは欠かせません。
まとめ
今回は、社内メールを作成するうえで押さえておきたい知識を紹介しました。社外メールと比較すると心理的ハードルは下がるものの、最低限のマナーは遵守しなければなりません。宛名や本文の書き方だけでなく、お願いや締めの文章も意識して、マナーに沿った社内メールを作成する必要があります。