「プレゼン資料」と聞くと、社外の顧客に対してのアプローチに活用するイメージがあるでしょう。しかし社内でも、プレゼン資料を活用する場面はあります。社内用のプレゼン資料をどう作成すべきかわからず、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は社内用プレゼン資料をスムーズに作成するための基本構成や作成方法、NG例について紹介します。社内プレゼンを成功させるためのコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
社内用プレゼンの基本構成
社外プレゼンが自社製品などに関する「提案」に比重が置かれるのに対し、社内プレゼンでは「報告」の要素がより強くなります。社内プレゼンの基本構成を見てみましょう。問題・解決策・効果の3つで構成されるのが、社内用プレゼン資料の基本です。
問題
社内プレゼン資料を作成する際は、実際に起こった特定の問題や、自社の課題を主題としてピックアップすることが基本です。問題を主題とするのが基本ではあるものの、単に「〜という問題について」とタイトルにするのではなく「〜を実施して〜の問題を解決する」というように、問題に対する回答を合わせて記載する必要があります。
解決策
主題として提示した問題に対し、どのような解決策を実施するのか説明します。解決策を挙げる際は、ひとつだけでなく複数用意しましょう。反対に極端に数が多いと見づらいプレゼン資料になってしまうため、多くても3つ程度と意識してください。解決策をいくつか用意しておけば、プレゼン資料を見た人が解決策を取捨選択できます。複数の解決策をヒントに新たなアイデアが浮かぶ場合もあるでしょう。最初に挙げた問題を適切に解決できる施策を考案し、記載することが大切です。
効果
問題を解決するための施策を実施し、どのような効果が期待できるか記載する部分です。最初の「問題」のときと同様、具体的に見込まれる結果を提示しましょう。また「売上〜%アップ」など、数値化した効果を記載するとわかりやすくなります。効果を記載することで、ひとつ前に挙げた「解決策」の「根拠」を示すことが可能です。解決策がいかに優れていても根拠がなければ実施されないため、根拠をもとにした効果を記載しましょう。
社内用プレゼン資料の作り方
社内用のプレゼン資料は、以下の3つの手順で作成します。
- ストーリー書き出し
- スライド作成
- 微修正
ここからはそれぞれの手順で何をすべきかを、詳しく解説します。
ストーリー書き出し
プレゼンの内容をすべて書き出し、ストーリーとして組み替えましょう。ストーリーを書き出す際は、以下の5つの手順で行うとスムーズです。
- 背景・課題
- 目的
- 結論・成果
- 今後の動き(予定)
- 今後実施する取り組みの具体的な内容
ストーリーの書き出しが不十分だと、プレゼンの作成に行き詰ってしまう場合もあるので必ず準備しましょう。
スライド作成
「ストーリー書き出し」の内容を、実際のスライドに落とし込んでいきます。ひとつのスライドに情報を詰め込みすぎると読みにくいため、書き出したストーリーを細かく分割しながらスライド化していきましょう。ただし細かく分割しすぎて不要なスライドがある状態は好ましくありません。あくまでも、見やすさと必要な情報量を意識してスライドを作成することが大切です。
微修正
作成したスライドを実際に確認しながら、不備を少しずつ修正します。スライド内の画像や文字の配置、文脈などを中心にチェックしてください。もし自分で見るだけで不備がわからない場合は、第三者にチェックを依頼しましょう。
社内用プレゼン資料のNG例
ここまで紹介したポイントを抑えるだけでなく、社内用プレゼン資料のNG例を知っておくことも大切です。NGとされるプレゼン資料には、以下の4つの共通点があります。
- フォントの種類・大きさが不適切
- 過度に色や枠線、アニメーションを使用する
- デフォルトのグラフを使用する
- 表の幅を調整していない
これらのNG例を把握しておかないと、内容が良くても評価されないプレゼン資料になってしまいます。社内プレゼンを成功させるためにも、NG例もしっかり覚えておくことをお勧めします。
フォントの種類・大きさが不適切
社内用とはいえ、プレゼン資料はビジネスシーンで使用する資料であることを忘れてはいけません。丸文字などポップな種類のフォントは使用しないでください。資料全体を通して、タイトル、見出し2、見出し3、本文用のフォントを統一しましょう。また、極端に文字が大きい、あるいは小さいと見づらくなってしまうため、フォントサイズは適切な大きさに整えましょう。
過度に色や枠線、アニメーションを使用する
過度に色や枠線などを取り入れると見づらくなってしまうため、多用はNGです。社内用の資料であっても、アニメーションなどの装飾はしないほうがいいでしょう。プレゼン資料である以上、工夫は必要ですが、社内の雰囲気や資料を閲覧する人の役職、関係性などを加味した塩梅でテキストと図やグラフを使用し、作成することが大切です。
デフォルトのグラフを使用する
スライドを作成するソフトやアプリには、そのまま資料に引用できるグラフがデフォルトで搭載されています。しかしデフォルトのままグラフを引用してしまうと、資料のフォントや色合いにマッチせずかえって不出来な印象になってしまう恐れがあります。グラフを使用するのであれば、ほかのページと雰囲気を合わせることが大切です。
表の幅などを調整していない
グラフと同様、表を入れ込んで見やすくするのもプレゼン資料を作成するコツです。しかしただ表を入れるだけで、幅や余白、フォントや色などに配慮していなければ、結局は見づらくなってしまいます。表を入れ込む際も「見やすさ」を意識し、全体に統一感を持たせましょう。
資料づくりとあわせて覚えておきたい社内プレゼンのコツ
優れた資料を作成できても肝心のプレゼンがうまくいかなければ、意味がありません。以下に挙げる3つのコツを把握することで、作成した資料の良さを活かせるプレゼンを実施できます。
録画して練習する
実際にプレゼン本番を迎える前に、自分のプレゼンを録画して分析しましょう。録画したプレゼンを客観的に分析し、改善できる箇所を事前に直しておくことが大切です。話し方・スピードなど、普段意識できない改善点を把握できるのも録画して練習するメリットです。
参加型のプレゼンを意識する
一対一ではなく、複数人が参加しているプレゼンを意識しておくことも大切です。複数人に伝わりやすい言い回しや資料の内容、声のトーンや大きさを事前に撮影した録画データをもとに調整しましょう。
複数の長さで準備しておく
当初想定していたよりも、プレゼンに使える時間が短くなることが想定されます。一方で長くなることも考えられるため、複数の長さでプレゼンを進められる準備をしておきましょう。基本となるプレゼンの進め方を参考に、削れる部分や追加したい項目など、事前に準備しておくことで、プレゼン当日に臨機応変に対応できます。
まとめ
プレゼンは社外だけでなく、社内の人間に向けて行う場合もあります。社内プレゼンを想定して資料を作成しないと、効果のあるプレゼンは実施できません。基本構成や作成方法を理解し、かつさまざまなパターンを想定しておくことで、優れた社内プレゼン用資料を作成できます。