営業スキルを高めることに役立つ営業ロープレ。実際に多くの企業で研修の項目として取り入れられています。営業ロープレは業界・職種によって多岐にわたる手法が存在するため、効果的に実行できているか不安な方も多いでしょう。この記事では、営業ロープレのメリットや実行手順、効果を高めるポイントについて解説します。営業担当の方はもちろん、営業職への転職を検討している方もぜひ参考にしてください。
営業ロープレとは
営業ロープレとは、実際の営業シーンを想定して行う「ロールプレイング」のことです。営業担当役と顧客役に分かれ、テレアポや商談などさまざまなケースを想定して行われます。営業としての適切な振る舞い方や問題への対処法が身に付きやすいとして、多くの企業で教育手法として採用されています。
営業ロープレの目的
営業ロープレの目的は、営業の流れを理解し、顧客と質の高いコミュニケーションを取れるようにすることです。ロープレを実施した結果、受注率や商談の成功率の上昇が期待できます。はじめて営業ロープレを行う際は、会社説明や自社商品に関するトークの練習からスタートするのがおすすめです。
営業ロープレのメリット
営業ロープレは、正しく実践することでさまざまな効果を得られる手法です。ここでは、営業ロープレを行うことによる主なメリットを3つ紹介します。
営業スキルの向上につながる
営業ロープレの大きなメリットは、営業スキルの向上につながりやすい点です。営業活動で想定できるシーンを事前に訓練することで、実践の場でもスムーズに対応できるようになります。また、営業手法に関するフィードバックも受けられるため、自分の強みや課題を把握しやすいのもポイントです。
新人研修に役立つ
営業の経験がない人の場合、座学などで知識だけを学んでも、いざ顧客を前にするとうまく対応できないことも少なくありません。営業ロープレによって本番を意識して練習することで、自信を持って営業に臨めるようになります。営業ロープレは、新人研修にも役立つといったメリットがあります。
自社商品・サービスの理解が深まる
営業ロープレでは、顧客対応スキルが上がるだけでなく、自社商品やサービスに関する理解が深まる点もメリットのひとつです。相手に伝わりやすい会話の練習は知識のアウトプットにつながるため、座学よりも頭に残りやすくなるでしょう。
営業ロープレの種類
営業ロープレにはいくつかの手法があるため、目的に応じて選択することが大切です。ここでは、営業ロープレの中でも代表的な4種類を紹介します。
ケース型ロールプレイング
ケース型ロールプレイングは、実際の営業シーンを想定して本番に近い状況で行う方法です。顧客の属性・業種・立場・課題などの条件を細かく設定するといった特徴があります。新人の営業担当でも、実践と同等レベルの経験を積み重ねられる点が強みです。
グループ型ロールプレイング
グループ型ロールプレイングは、少人数でグループを組んで役割を入れ替えながら行う方法です。営業役だけでなく顧客役も演じることになるため、お客様目線で営業について考えられるメリットがあります。
問題解決型ロールプレイング
問題解決型ロールプレイングとは、過去に実際に起きた事例や現在抱えている問題をテーマにロープレを行う方法です。現実的な課題に対して解決方法を考えるため、営業スキルの向上が期待できます。新人だけでなく、ある程度経験を積んだ営業担当にも推奨されます。
モデリング型ロールプレイング
モデリング型ロールプレイングとは、特定の人物を真似てロープレを行う方法です。成績の良い営業担当の営業スタイルを参考にするため、実践を通してノウハウを身に付けられるメリットがあります。
営業ロープレの実行手順
ここでは、営業ロープレの実行手順を解説します。状況によって若干の変化はあるものの、営業ロープレを実施する際は以下の流れに沿って行うとよいでしょう。
顧客やテーマを設定する
営業ロープレを始める前に、想定する顧客やテーマを設定しておきましょう。営業段階や目指すゴール、顧客の年齢層・職業・生活環境など、できるだけ細かい部分まで決めておくことでより充実したロープレができるようになります。
それぞれの役割を設定する
想定する営業シーンが決まったら、自分と相手の役割を設定しましょう。通常、研修を受ける側が営業役・教育担当者が顧客役を演じるケースが一般的です。ただし、顧客目線で考える力を身に付けるために、役割を変えて実施するのもよいでしょう。
事前準備を行う
営業役になったら、顧客役に対して適切な提案を行えるように事前準備を行います。準備段階からロープレを意識することで、より実践に近い経験を積みやすくなります。顧客役を担当する場合は、営業担当に対する質問をあらかじめ決めておきましょう。
フィードバックを行う
営業ロープレが終了したら、顧客役は営業役に対してフィードバックを行いましょう。良かった点や改善点を具体的に伝えることで、営業スキルの向上につながります。わかりやすくフィードバックするためには、事前に評価ポイントをまとめたチェックシートを用意しておくのも効果的です。
営業ロープレの効果を高めるポイント
ここでは、営業ロープレを実施する際のポイントについて解説します。以下の項目を参考にして、より効果の高い営業ロープレの実施を目指しましょう。
営業ロープレを撮影・録音しておく
営業ロープレの内容を撮影・録音しておくことで自分の営業スタイルを客観的にチェックできるため、強みや課題点を明確に捉えやすくなります。また、身振り手振り・会話のスピード・トーンなど、自分では気づきにくいクセをチェックしたい時にも役立つでしょう。
さまざまなパターンを想定する
営業ロープレにおいては、考えうるさまざまなパターンを想定して取り組むことが大切です。顧客の人物像やシチュエーションを細かく設定し、どのような状況でも落ち着いて対応できるように日頃から準備しておきましょう。
オブザーバー役を導入する
営業ロープレを実施する際は、第三者であるオブザーバー役を導入するのも良いでしょう。ロープレ中はそれぞれの役割に集中するため、指導者側も主観的なアドバイスしかできなくなる場合があります。ロープレを客観的に見る立場を用意することで、より正確なフィードバックを受けやすくなるでしょう。
まとめ
この記事では、営業ロープレのやり方や注意点について解説しました。営業ロープレの効果をより上げるためには、さまざまなシチュエーションを想定して実践したり、具体的なフィードバックをふまえて改善に取り組むといった行動が重要です。営業目的に沿ったテーマ選びや事前準備をしっかり考えて、ロープレを習慣化しましょう。営業スキルを磨きたい方は、今回紹介した内容をぜひ参考にしてください。