近年注目されているタイムマネジメントとは何かご存じでしょうか。時間の使い方を分析・改善することで、業務を効率化させる施策のことです。働き方改革や労働人口の減少により、多くの企業でタイムマネジメントが注目されています。
今回は、ウィズコロナにも関係するタイムマネジメントにより、企業にどのようなメリットがあるのか解説します。タイムマネジメントのコツや注意点についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
タイムマネジメントとは
タイムマネジメントとは、時間の使い方に関する課題を分析・改善することで、業務効率化や生産性の向上につなげることです。昨今注目されている働き方改革の影響もあり、耳にする機会も増えました。
タイムマネジメントには、従業員の時間に関する課題を解消しつつ、企業全体の業績を向上させる効果があります。限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮するための、意識づけとしての役割も果たすでしょう。
ただ与えられた業務を「こなす」だけではなく、より効率的に遂行することを目標に実施されます。
タイムマネジメントが注目される背景
多くの企業でタイムマネジメントに関する意識が高まった背景には、労働人口の減少が大きく影響しているでしょう。総務省統計局のデータを見てみると、2021年の平均就業者数は6,667万人で、2020年から約9万人減少しています。対して65歳以上の就業者数は前年より6万人増加しています。
いわゆる「働き盛り」の労働人口が減少しているのに対し、既存の従業員に求められる過程・成果のハードルは上がっているといえるでしょう。従業員一人ひとりの生産性を向上することによって、労働人口の減少による課題の解決が、タイムマネジメントを求められる背景にあります。
また、市場競争が激しくなったことにより、業務効率化を通じた生産性の向上が求められています。企業全体で生産性を向上させるうえで、より短い時間で最大限の結果を導き出すタイムマネジメントが注目されています。
ウィズコロナ時代のタイムマネジメント
新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワーク・テレワークを導入する企業の数が急増しました。働き方が大きく変わり、従業員の業務を上司が間近で見られなくなったため、従業員が自分自身をマネジメントする必要性が生まれました。進捗管理や目標設定などを、タイムマネジメントを意識したうえで判断・実行する必要があります。
上司や同僚と同じ時間を共有しながらではなく、セルフマネジメントの傾向が強いタイムマネジメントを意識しなければなりません。ウィズコロナのビジネスを「勝てる」ものにするには、コロナ禍による影響を加味した自分自身への意識向上が必要不可欠です。企業には、従業員がタイムマネジメントに対して前向きな姿勢になりやすい環境の整備が求められるでしょう。
タイムマネジメントのメリット
タイムマネジメントには、業務効率化だけではなく、従業員のプライベートや企業の経営に好影響を与えるメリットがあります。ここでは、タイムマネジメントの実施によるメリットについて詳しく解説します。
業務の効率化につながる
タイムマネジメントの意識を根付かせることで、従業員一人ひとりが持つ業務完遂までにかかる時間への意識が高まります。時間内に業務を終わらせるだけではなく、与えられた時間で最大限のパフォーマンスを全員が発揮できれば、企業全体の生産性や業績アップにつながるでしょう。
コロナ禍でのリモートワークでは、従業員が自ら時間の管理を行う必要があります。タイムマネジメントを取り入れることで、わかりづらくなりがちな時間の指標が明確になることは、従業員にとってもメリットになります。
プライベートな時間を確保しやすい
効果的にタイムマネジメントを実施できれば、残業時間や業務過多を防止できるでしょう。従業員一人ひとりがプライベートな時間を確保できれば、リフレッシュできてモチベーションのアップにもつながります。また、勤務時間内に最高のパフォーマンスを目指す風土作りにも効果的です。企業全体でタイムマネジメントへの意識を高く持つことにより、プライベートの時間も意識した仕事の効率化が実現できるでしょう。
経営にも好影響を与える
従来かかっていた時間よりも短く、かつ高品質に業務を遂行できるようになれば、業績の向上に直結します。業務効率化が実現することで、これまで生み出せなかった新たな商材やサービスのアイデアが生まれることもあるでしょう。
また、タイムマネジメントの浸透によるプライベートを含めた充実は、離職率の低下にもつながります。離職率の低下は採用コストの削減や労働人口の減少対策にもなるため、経営に直結するメリットといえるでしょう。
効率的なタイムマネジメントのコツ
タイムマネジメントは、どのように効率を上げるかを意識して取り入れることが大切です。ここでは、タイムマネジメントを効率的に進めるためのコツを5つ紹介します。
タスクの優先順位を明確にする
業務の優先順位を把握したうえで、優先度の高いものから進めていきましょう。優先順位の高い業務ほど長い時間をかけることで、より品質の高い成果を生み出せるでしょう。反対に、優先順位が低いと判断された業務は、できるだけ時間をかけずに完遂させることを意識しましょう。ただし、優先順位が低いからといって別日に先送りしてしまうと、自分の首を絞めることになります。
具体的な目標を設定する
優先順位を定めたあとは、各業務の目標設定を行いましょう。いつまでに終わらせるのか、何時までにどこまで進めるのかなど、細かく設定することが大切です。目標設定を具体化しておかないと、時間をかけた割には結果につながらないといった状況が発生します。
目標を細分化する
目標設定を明確にしたら、さらに細かく目標を立てましょう。
- 来月までにどこまで進めるか
- 週末段階の着地はどこか
- デイリー進捗はどうすべきか
上記のように、月・週・日の単位で細かく設定することで、目標達成までの道筋がより明確になります。
反省・振り返りの時間を設ける
タイムマネジメントを意識した目標を設定したうえで、どのような結果が出たかを振り返り、次回の業務に活かしましょう。自身が設定した目標達成のプロセスに関する反省や振り返りを実施することで、業務や意識レベルのブラッシュアップが期待できます。
周囲の力を借りる
タイムマネジメントを意識した目標設定のうえで、どうしても自身で対応しきれない業務が発生する可能性があります。優先度の低い業務を同僚に任せ、最優先事項に力を注ぐことが懸命と判断されるケースもあるでしょう。自社内で任せられない業務は、アウトソーシングの活用がおすすめです。
タイムマネジメントを取り入れるときの注意点
最後に、タイムマネジメントを実施するうえで意識しておきたい注意点を紹介します。
- あくまで実現可能な範囲内で実施する
- タスク管理に関するタイムマネジメントを忘れない
- エビデンスをもとに業務優先度や重要度を設定する
- 目標設定だけで満足しない
- 従業員の適性や性格を理解したうえで取り組みやすい方法を立案する
- タイムマネジメントの観点に該当する項目を事前にチェックしておく
上記を意識することで、より効率的かつ確実性のあるタイムマネジメントを実施できるでしょう。
まとめ
時間の使い方や配分への意識を高めることで、業務効率化や経営への好影響が期待できるタイムマネジメント。新型コロナウイルスの感染拡大により浸透した、新しい働き方においても重要な要素といえるでしょう。
タイムマネジメントを実施するうえでは、効率性を意識したコツや注意点を事前に把握しておかなければいけません。従業員一人ひとりの適性も判断したうえで、業務効率化や生産性向上につながるタイムマネジメントを実施しましょう。