ウェビナーはコロナ禍以降のビジネスシーンで、多くの企業が利用するツールになりました。従来時間をかけて対面で行っていた打ち合わせや商談を、どこにいてもオンライン上でやり取りできるようになったことが需要拡大の要因です。この記事では、ウェビナーの概要や活用するメリット、おすすめツールの紹介をしていきます。
ウェビナーとは
ウェビナーとはウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を合わせた造語で、オンラインで行うセミナーツールやセミナーを指す言葉です。以前より注目度の高かったウェビナーですが、新型コロナウイルスの影響により需要が急速に高まり、2022年時点では企業の採用面接や各種セミナー、相談会などあらゆる場面で利用されています。
従来の面接やセミナーは、参加予定人数に合わせた会場を手配して行っていたため、開催場所によっては参加者が集まらないこともありました。しかし、オンライン上で手軽に行えるウェビナーは、インターネットとデバイス(PC・スマートフォン・タブレットなど)があればどこにいても参加できます。こういった背景もウェビナーの需要が高まった要因のひとつといえます。
Webミーティングとの違い
ウェビナーと似ている言葉にWebミーティングがありますが、2つの違いは利用目的です。
Webミーティングはすべての参加者が画面や音声を共有して、お互いにコミュニケーションを取ります。顔を見ながら話ができて、温度感や感情なども伝わりやすいため顧客との打ち合わせや社内ミーティングなどに向いています。
一方のウェビナーは一言で言えば、一方通行のコミュニケーションです。ホストと呼ばれる主催者が、パネリストと呼ばれる参加者に対して画面や音声を共有します。主催者側は誰がウェビナーを視聴しているのかを確認でき、質疑応答や投票、アンケートなどを取ることも可能です。
上記の点からWebミーティングは少人数、ウェビナーは大人数向けといえます。
ウェビナーを活用するメリット
ウェビナーを活用するメリットはいくつもありますが、本記事では4つに絞ってお伝えします。
場所を選ばずに使える
ウェビナーは場所を選ばずに利用できる点が最大のメリットといえるでしょう。これまで距離的な問題で参加ができなかった人にとって、どこにいてもセミナーや研修に参加ができる点は非常に大きなメリットです。
対応デバイスが多様
ウェビナーは対応しているデバイスが多様で、パソコンをはじめスマートフォンやタブレットでの視聴が可能です。アプリをダウンロードして参加することが一般的ではありますが、ダウンロードせずブラウザから直接参加することも可能です。多くの場合は事前に主催者側から参加用のURLが事前に送られ、ウェビナー当日は開催時間15分前から入場できます。
視認性が高い
ウェビナーではさまざまな資料が、主催者から画面共有されます。資料が画面共有される際は、主催者や参加者の画面が自動的に切り替わりサイズが自動調整されます。視認性が高く、情報を的確に共有できるため、対面でのセミナーと遜色ない情報を得ることができます。また、ウェビナー終了後はウェビナーツールのチャット機能などを使って資料の共有もできるため、大変便利です。
コストを抑えられる
ウェビナーは施設費や交通費が発生しないため、コストを大幅に削減できます。また、ウェビナーではライブ配信だけでなくオンデマンド配信も可能であるため、同じ内容のセミナーを複数回実施すればコストを削減できます。
ウェビナーを活用する際の注意点
ウェビナーは多くのメリットがありますが、オンラインならではの注意点も複数あります。本項目ではウェビナーを活用する際の注意点を紹介します。
通信環境・システムの構築が大変
ウェビナーを活用する際は、通信環境やシステムの構築が必要です。普段私たちが使っているインターネット回線にはアップロード(上り)とダウンロード(下り)があります。ウェビナーで大切なのはアップロード速度です。ウェビナー配信時のアップロード速度の目安は1.5Mbps以上とされている場合が多いですが、10Mbps出せる回線を使うと安心です。
コミュニケーションをとりづらい
ウェビナーはウェブミーティングと違い、主催者から参加者への一方通行のコミュニケーションの側面が強いです。ウェビナー開催中のチャット形式の質問やアンケートによるコミュニケーションはありますが、直接顔を見て話せないので、対面よりもコミュニケーションが取りづらいです。
離脱されやすい
ウェビナーは途中で離脱されてしまう場合もあります。 離脱されやすい要因としては、通信環境や機材トラブルなどが挙げられます。
ウェビナーの配信方法
ウェビナーの配信方法は、リアルタイム配信と録画配信の2種類があります。
リアルタイム配信
リアルタイム配信はライブ配信とも呼ばれていて、名称の通りリアルタイムで双方向のやり取りができる配信形式です。ウェビナーは主催者側からの一方通行のコミュニケーションの側面が強いですが、チャットでのやり取り頻度を高めるなど、工夫次第で臨場感を持たせることができます。またリアルタイムでやりとりできるため、参加者のモチベーションも高く積極的な参加が見込めます。
録画配信
録画配信はオンデマンド配信とも呼ばれています。録画配信は繰り返し視聴できるため、動画を制作するコストを大きく削減できます。録画動画は一時停止や巻き戻し、早送りが可能であるため、参加者も任意の箇所を重点的に視聴といったメリットがあります。
ウェビナーツール7種類の特徴
本項目ではウェビナーツール7種類の紹介と、それぞれの特徴について紹介をしていきます。
ZOOM Webinar
ZOOM Webinarは、1対N型のオンラインイベントやウェビナーに向いているツールです。最大100名の視聴者に向けてライブ配信が可能で、YouTubeやFacebook Liveなどのソーシャルチャンネルにも配信できます。またCRMやMAツールとの連動し、どの視聴者が興味を示しているのかといった分析も可能です。
コクリポ
コクリポ(Cocripo)は低価格で手軽にウェビナーを開始できるツールです。無料のフリープランは最大3名の接続が可能で、少人数での打ち合わせやウェビナーにおすすめです。最大100名接続可能なビジネスプランは1時間換算にすると3,000円、最大300名接続可能なエンタープライズプランでも1時間換算3,500円と、使いやすい価格設定が魅力的です。視聴者の滞在時間記録や予約状況の管理機能なども充実しています。
V-CUBE
V-CUBEは、Web会議システムの開発などを手掛ける株式会社ブイキューブが運営・提供するウェビナー用ツールです。高品質なウェビナーを最大10,000台のパソコンに対して、生中継・同時配信できるだけでなくチャット機能、アンケート機能も充実しています。また、専門スタッフが配信をサポートしてくれるため、ウェビナー開催に慣れていない方でも安心して利用できます。
EventIn
Event Inは、前段で紹介をした株式会社ブイキューブが提供している、オンラインイベントのプラットフォームです。主催者・出展者による進行管理と誘導が可能であるため、Web上で出展ブース間の移動〜商談までを行えます。実際に行われる展示会の状況をWeb上に構築して、双方向のコミュニケーションや展示ブースの作成・展示、プレゼンテーションを行うことが可能です。
ネクプロ
ネクプロは、数千人〜数万人規模でのウェビナー開催が可能なツールです。ウェビナー当日の録画を配信することもできるため、参加者の熱が冷めないうちに配信すれば、より効果的に見込顧客にアプローチできます。また、事前アンケートやウェビナー開催中のアンケート配信ができるため、ウェビナー終了後の営業活動にも繋げることができます。
Eventos
Eventosはイベントの構築から公開までの作業が、他社よりも優れていて感覚的にWebページが作成できるツールです。また、ZoomやYouTubeなど複数のプラットフォームへの配信も、Eventosで一括管理できます。また顧客管理、ユーザー管理も可能で、ウェビナーだけでなく合同展示会などの形態にも対応する幅の広さが魅力です。
E-VE
E-VEはイベントの告知、拡散、決済、アフターフォローを一元管理できるツールです。操作が直感的であるため、主催者・参加者どちらも使いやすいです。またE-VEは、イベントに特化したウェビナーツールであるため、管理機能、リマインドメールなどをスムーズに行える点も魅力です。このようにイベント参加率の向上に繋がる機能が充実しているため、開催者の工数削減・負担を軽くしてくれるサービスがE-VEです。
まとめ
この記事では、ウェビナーの概要やメリット、有名ツール7種類の特徴などを解説しました。新型コロナウイルスの影響で需要が拡大したウェビナーは、今後も高い需要があるでしょう。本記事で紹介をしたツール以外にも、さまざまなウェビナーツールがあります。用途や使いやすさ、料金などを総合的に判断して適切なツールを選定しましょう。