スポーツビジネスとは?業界の特徴や種類、転職に必要なスキルを解説

2022年9月11日

2023年6月1日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

近年スポーツ競技の強化対策として、プロ化の動きが年々広がっています。2000年代にはラグビー・バスケットボールがプロリーグ化を実現し、世界大会でも大きな成果をあげています。eスポーツなどの新しい産業にも勢いがあり、スポーツビジネスの規模は以前にも増して拡大を続けています。そんなスポーツ業界に転職するには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。この記事では、スポーツビジネスの種類や成功事例、業界の将来性について解説します。

スポーツビジネスとは

スポーツビジネスとは、スポーツ関連事業によって利益を生み出している業界のことを指します。スポーツビジネスと聞くと、プロスポーツチームの運営を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、転職業界ではさらに広い意味で使われるのが一般的。スポーツチームの運営はもちろん、イベントの企画や施設運営、競技場の建設、ブランドグッズの販売など、多岐に渡る業界が分類されています。

例えば、Jリーグの試合を例に挙げてみても、チケット代・施設利用料・グッズ購入・TV放送権・飲食費・交通費など、さまざまなビジネスが成り立つことがわかります。

主なスポーツビジネスの種類を紹介

前述の通り、スポーツビジネスにはさまざまな業種が存在しています。この章では、特に代表的な業種・業界をまとめて紹介します。

プロスポーツの運営

プロスポーツ運営は、日本人にとって最も馴染み深い業界のひとつです。日本プロ野球機構やJリーグなど、「興行全体の運営に携わる側」と、「それぞれのプロチーム運営に携わる側」の2つに分けられます。スポンサー企業がイメージアップを目的とした自社宣伝に利用していた時代から、チームが独立して採算をとる運営スタイルへと変わりつつあります。ビジネスとして成立させるためには、入場料以外の部分でどのように収益を上げていくかが課題になるでしょう。

スポーツ施設の運営

スポーツ施設を地方自治体が所有しているケースはありますが、運営は民間企業や公益財団法人などの外部法人に委託している場合がほとんどです。施設管理者以外にも、インストラクターや指導員、警備員、清掃員といった職種の方々が働いており、各種スポーツ教室の企画・指導など、幅広い職種が存在します。公共財団法人日本スポーツ施設協会では、指導活動の促進と指導体制を確立するために公認指導者制度を定めており、公認水泳指導管理士・公認スポーツ施設管理士・公認スポーツ施設運営士などのキャリアパスも用意されています。

スポーツ施設の建設・管理

競技場やスポーツイベント会場、エンターテイメント型スポーツ施設、フィットネスジムなど、大型施設の建設・運営も市場の大きい業界です。2021年に開催された東京オリンピックの会場のひとつ「新国立競技場」の建設費用が約1,569億円に膨れ上がったことは、当時のニュースでも大きく取り上げられました。建設には多額のコストと時間が必要になるものの、大々的なイベントを成功させれば莫大な利益を得られるのが特徴です。

スポーツイベントの運営

スポーツイベントは、オリンピックやワールドカップのような世界規模のイベントから地域のスポーツ大会まで、さまざまな規模で開催されています。そしてそのほとんどが、イベント企画・運営に携わる専門会社によって運営されています。イベント企画から会場の準備、ノベルティの販売、タレント・アーティストのブッキング、スタッフの手配、当日の進行管理、チケット販売システムの整備など、業種や仕事の幅はとても広いです。

スポーツ用品メーカー

日本には、「アシックス(ASICS)」「デサント(Descente)」「ミズノ(Mizuno)」など、数多くのスポーツ用品メーカーがあります。購買部門では販売スタッフや店舗マネージャー、広報部門ではマーケティング・販売促進、メーカー部門では、営業職・製造技術者・設計開発者など、職種の選択肢が豊富にあるのが特徴です。競技人口が増えればそれだけ売上につながる可能性が高いため、競技の普及活動にも力をいれています。

メディア・報道関係

報道の世界においても、スポーツは注目度が高いジャンルです。プロスポーツの試合や動向調査はもちろん、チーム・選手の取材、国際的なスポーツニュースの報道など、幅広い情報を取り扱っています。番組企画・制作に携わる裏方側と、実際に足を使って取材を行うキャスターやスポーツライターなどの職種があります。近年ではテレビに代わってスポーツ中継を行う動画配信サービスが増えており、放映権を巡る情勢も多様化しています。

スポーツバー・カフェの運営法人

プロスポーツの本拠地近くでは、スポーツバー・カフェなどが数多く運営しており、地元のファンを楽しませています。大型モニターや本格的な音響設備を備えているため、家庭では味わえない迫力の観戦や、ファン同士で応援する一体感を味わえるのが醍醐味です。通常の飲食店と比べてイベントの盛り上がりに売上が左右されやすい特徴があり、いかにしてコアなファン層を獲得できるかが課題になります。

スポーツビジネス産業の将来性

今後スポーツ業界への転職を考えている方は、業界の将来性について気になることでしょう。ここからは、さまざまな視点からスポーツビジネスの将来性について考察します。

政府が掲げた15兆円構想とは

最大規模を誇るアメリカのスポーツ産業の市場規模は、2016年で約5,000億ドル(約60兆円)、日本のスポーツ産業の規模は2022年で約5,5兆円程度と言われています。

2018年にスポーツ庁は、状況を打開するために「日本の市場規模を2025年までに3倍の15兆円に上げる」という目標を掲げました。目標達成に向けて、IT技術の積極的な活用やスポンサーシップ市場の拡大、他産業と連携した活動など、新たな施策を計画・実行しています。

地道な活動の成果として、成人のスポーツ実施率(週一日以上)は、1993年の30%弱に対し、2021年では50%代後半にまで増加しています。今後もスポーツ人口が増加していけば、新しいビジネスチャンスも増えていくことが予想されます。

スポーツビジネスの成功例

日本で有名なスポーツビジネスは、過去に繁栄と衰退を繰り返しながら、一大興行へと進化を遂げた歴史があります。時代に合わせて変化を続けるスポーツビジネスの成功事例をおさらいしましょう。

NPB(日本野球機構)

日本プロ野球の歴史は古く、1920年に設立された「合資会社日本運動協会」が始まりだと言われています。その後、1949年に「セ・リーグ」と「パ・リーグ」に分裂し、NPB(日本野球機構)が設立されました。興行運営によるシナジー効果(優勝セール・グッズ販促など)は大きく、戦後の国民の娯楽として広く定着しました。

野球人気が落ちた衰退期からは、複数の球団が本拠地を移転することで地域密着型の施策を打ち、BS・CS・ネット配信などと連携したサービスを展開。徐々に人気を回復しました。コロナ禍直前の2019年シーズン各球団の決算公告を見ると、ほとんどの球団が利益を出しており、ビジネスとして健全に成り立っていることがわかります。

Jリーグ

1993年にスタートしたJリーグですが、当初は野球と比べてサッカー人気はかなり低く、試合数の少なさから収益が上がらないのではないかと予想されていました。しかし、Jリーグが掲げている「百年構想」を目標にした地域密着型スポーツクラブを作ることで流れは一変。当初は10チームしかなかったクラブは、2022年時点では58チームという規模にまで成長しました。

入場者数も2001年度以降は18,000~19,000人台を保つようになり、2012年シーズンの1試合平均の入場者数を比較すると、Jリーグの動員数17,566人は世界で第9位にランクインしています。こちらもビジネスとして大きな成功を果たしたと言えるでしょう。

K1

K-1とは、「空手」「キックボクシング」「カンフー」「拳法」といった、立ち技打撃系格闘技の頂点を決める大会のことです。立ち上げ当初の参加者はそれぞれ所属団体が違っており、一時的なイベント要素が強い傾向にありました。

1993年に初めて大会が開催され、チケット12,000枚はわずか1時間で完売となり、TV中継の視聴率は深夜2時30分からの放送にも関わらず高い視聴率を獲得しました。「立ち技最強の格闘家を決める」という格闘技ファンの心理を突いたビジネス展開により、大成功を収めました。

創始者の不祥事や運営会社の破産によって一時は衰退しますが、2014年に「100年続くK-1」をコンセプトに掲げて再始動しました。2019年に開催された大会では16,000人もの観客動員に成功。近年ではタレントとしても人気のスター選手を多数抱え、全盛期の勢いを取り戻しています。

将来を有望視されるeスポーツ

今後大きく発展しそうなスポーツビジネスが「eスポーツ」です。コンピュータゲームとスポーツ競技を組み合わせたeスポーツは、海外人気は高かったものの、日本にはなかなか定着しませんでした。しかし、2018年にeスポーツが流行語大賞の候補に選ばれてから、高い注目が集まるようになりました。

2022年現在では、都市部に最新設備を備えたeスポーツ施設ができたり、都道府県別の対抗戦が行われたりと、世界大会が開催されるほどの規模に成長。スポーツビジネスの成功条件である「地域社会への浸透」と「世界戦略」をしっかりと見据えた活動が功を奏しているようです。しかし、日本の市場規模はまだまだ発展途上で、世界と比べたシェア率はわずか6%ほどしかありません。日本人プレイヤーの活躍と認知拡大により、今後もさらなる発展が期待される業界です。

スポーツビジネス業界への転職に必要なスキル

スポーツビジネスに関わる会社の多くは中小企業なので、新卒採用を積極的に行っていない会社も多く存在しています。また、中途採用においても、営業職・マーケティング・広報といった職種は即戦力採用が主流となっています。

ここからは、これからスポーツビジネスへの転職を目指す方に向けて、必要な知識・スキルを紹介します。

データを活用した分析や施策の立案

イベント企画・事業運営に携わるポジションでは、データ収集スキルや分析能力を求められます。スポーツビジネスを成功に導くには、現状の数字を正確に把握し、正しい打ち手を実行できる能力が必要不可欠です。選手やチームの戦略立案を行うアナリストなどの職種では、精度の高い分析力とマネジメントスキルが必要になるケースもあります。販売系の職種でも、キャリアアップによって経営・マーケティング部署に配属される可能性があるため、事前にスキルを習得しておくと便利です。

感情・感動の共感力

スポーツには、観る人・参加する人の心を揺さぶる力があります。ターゲットの心を刺激して興奮させることが、スポーツビジネスを成功に導く秘訣のひとつです。特にイベント企画系の職種であれば、観客・参加者が求める感動体験を先読みするマーケティング力が必要になるでしょう。スポーツ事業を通じて自身が感動できなければ、同じ感動を提供することはできません。そのため、「誰にも負けない情熱がある」「スポーツから生まれる感動を共有したい」などの信念がある方は、どの職種についても成功できる可能性が高いといえます。

新しい文化を立ち上げる創造力

特定分野のスポーツビジネス市場はすでに成熟期に入っているため、新規参入が難しい業界もあります。市場拡大には新規事業の企画が不可欠なので、新しい文化を立ち上げる推進力や柔軟な発想が必要になります。時代の流れに合った新しいトレンドを作るためには、ゼロから新しいアイデアを生み出す創造力も求められます。特にイベント企画や商品開発に携わりたい方は、顧客心理を理解した戦略立案・トレンド察知力を磨く必要があるでしょう。

スポーツビジネスを学べる大学

スポーツビジネスは今や専門の科目ができるほどの市場に拡大しており、多くの大学で必要なスキルを学べます。一例として有名な大学のスポーツ科コースをまとめましたが、その他の地域にも多くの専門コースが存在しています。授業の詳細に興味がある方は、公式サイトで事前に情報を入手したうえで、大学の窓口まで問い合わせてみましょう。

筑波大学 体育専門学群

早稲田大学 スポーツ科学部 スポーツ科学科

法政大学 スポーツ健康学部 スポーツ健康学科

静岡大学 地域創造学環 スポーツプロモーションコース

東海大学 経営学部 経営学科 スポーツビジネス分野

まとめ

この記事では、スポーツビジネスの種類や仕組み、将来性などのポイントを解説しました。スポーツと一口に括っても、業種・業界は多種多様です。仕事の選択肢はかなり多いので、興味がある方はスポーツビジネス業界への転職を考えてみても良いでしょう。専門的な知識と情熱を求められるものの、スポーツの普及に貢献できるやりがいを味わえます。

監修者・座間 智也

座間 智也

原宿で美容師 ⇒ リーフラス株式会社 ⇒ 株式会社スポーツフィールド
サッカー選手になる夢を断念し、美容師からキャリアをスタート、2社目では当時史上最短の入社8ヶ月でリーダー昇格、3年目の25歳で当時社員600名弱の会社で支店長として従事。その後、人材紹介会社へ転職し、入社4年で東日本エリアのマネージャーとして6拠点のマネジメントを経験。現在は個人として4つの事業運営を行いながら、Izul でキャリアアドバイザーとして従事。

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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