「やりたいことはないけれど、転職でキャリアアップしたい」納得度の高い選択をするための転職活動のススメ

2024年6月14日

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Izul広報チーム

Izul広報チーム

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20代後半になると、「将来がなんとなく不安だから」「周囲で転職者が増えたから」といった理由で転職を検討し始める方が多いです。「いざ転職活動!」と思い立ち、転職エージェントなどに登録するものの、数多ある企業から転職先を選択することにハードルを感じたり、面倒になってしまって頓挫した経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

企業に求める条件や求めるキャリア像が、自分自身でもふんわりとしたまま求人票の条件のみで判断し転職される方も一定数いらっしゃいますが、転職後のアンマッチにも繋がりかねません。

今回ご紹介するのは、今やりたいことが明確でなかったSさんの転職活動です。自分自身の価値観や企業に求めることを言語化、整理しながら納得いく転職を実現されたSさんの転職活動を、弊社コンサルタントの水口と振り返ります。

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会社統合で感じた「大切にしたい仕事の進め方」

―はじめにこれまでのキャリアを教えてください。

Sさん

新卒から丸4年間、IT大手通信会社でBtoB向けの広告営業をしていました。

仕事内容に特に不満があったわけではないんですが、会社が統合して組織がガラッと変わったこともきっかけの1つで、新しい環境にチャレンジしたいと思って転職を検討し始めました。

―”今の仕事やキャリアに不満があるわけじゃないけど、新しいことをしたい人”は多いものの、しっかり転職に踏み切れる人って実は少ないと感じています。Sさんはなぜその行動に踏み切れたのでしょうか。

Sさん

転職するする詐欺、分かります(笑)。私も初めて転職を考えたのは昨年の8月頃。複数のエージェントに登録したんですが、挫折してしまいました。明確な軸がない中でダラダラとたくさんの企業を見た結果、辞めちゃったんです。

その後会社の統合があり、組織文化や風土が変わったことをきっかけに、昨年12月頃本格的に転職活動を始めました。

―なるほど。会社統合でどんな変化があったんですか?

Sさん

仕事におけるミッションや業務内容が大きく変化したわけではないのですが、社内の人間関係や雰囲気、仕事の進め方が大きく変化しました。

というのも、統合前はベンチャー気質な社風で若手も裁量権を持っていてスピード感が速かったのですが、統合したのが伝統的な日本企業文化の残る大企業だったんですね。

働き方にはベンチャー気質な部分が引き継がれていたのですが、会社全体の雰囲気やスピード感などは企業によってかなり異なることを体感しました。

―統合後に転職を意識したのはどんなことが理由だったんですか?

Sさん

いわゆるJTC企業とベンチャー企業にはそれぞれのいいところがあるということは分かってはいるのですが、ベンチャー企業らしい「若手でも裁量権がありスピード感を持って仕事が出来ること」に大きな魅力を感じていた私としては、今のこの会社は自分には合わないと感じてしまいました。

―それは大きな変化ですし、重要な判断ポイントですね。ちなみに、新卒で1社目を選んだ理由って何だったんですか?

Sさん

新卒の時も転職の時もそうなんですけど、このサービスやりたい!ここ行きたい!みたいな自分の強い意志や軸が明確にないタイプなんです。

新卒の時は、稚拙な考えですが、最先端のイメージがあり、若手のうちから様々な経験を積める企業文化に魅力を感じて選びました。

―やりたいことが明確にあるわけではない中で、前のめりに仕事をしたいという希望が新卒での企業選びの判断に寄与したんですね。転職活動をするときの軸はあったんでしょうか?

Sさん

新卒の時と同様、やりたいことが明確にはなかったので軸が言語化できなくて苦労しました。そんな状態でいわゆる大手のエージェントさんと話しても経歴ベースで紹介されていまいちピンとこない状態になってしまっていました。

初めて水口さんと面談させていただいたのもその頃なんですが、「具体的なやりたいことがない」と相談すると、『それなら逆に違和感や自分がやりたくないと感じたことなども書き出してみるといいよ』とアドバイスをいただきました。

そこから会話を深めていって、納得感の高い価値観や企業選定軸の言語化ができるようになっていった形です。

水口

本格的に転職活動を始める半年前に一度お話しさせていただいて、その時はまだ転職に踏み切れない様子でした。

当時はやや違和感を覚え始めた頃で、その違和感が何なのか、それは自分の力で変えられないものなのか、そのあたりを言語化してみるといいですよとお話しをしました。本人がしっかり転職を決意した上でご支援したいので、壁打ちはしても無理に転職を勧めることはしませんでした。

その後、やはりその違和感が変えられないものだと確信されたタイミングで再度ご連絡をいただきました。転職の決意を固められ意思は固くなっていたことはもちろん、キャリアアップしたいという想いもより強くなっていらっしゃいました。

水口

また、違和感の言語化を行ったことで、Sさんにとって大事な価値観は何か、どんなキャリアを歩むべきかという点が明確になりました。

特に若いうちにハードな環境下に身を置き、スピード感を持ってチャレンジしていきたいという価値観が強く、それならスタートアップがいいよねというお話しをしました。

一方で、やりたいことが明確でないながら優秀で何でもできる分、何でも屋にならないように、自分より経験豊富な人たちがいて、かつ最低限の規模感を今は大切にした方がいいというアドバイスもしました。そんなお話しを通じてご自身も企業選定軸が明確になられたんだと思います。

価値観の言語化が、未来の自分を導く

―大手エージェントと面談しても自分の軸がわからなかったと仰ってました。水口と話していくうちに明確になっていった、この違いは何だったんでしょうか?

Sさん

エージェントさんって、紹介して成立したら成約料が入るビジネスモデルなので、年収のいい企業や、スキルマッチで内定角度の高い企業の求人票をとにかく提示してこられますよね。なので転職先として広告代理店を提示されることも多かったです。仕方ないことと分かってはいるんですが、広告代理店での働くイメージは付かなかったですし、私の要望に寄り添ってくれない感覚がありました。

一方で水口さんの場合は、私が最初にご連絡させていただいた後、数ヶ月連絡をとっていなかったんですが、エージェント本位に感じる営業もなかった点が印象的でした。

年末に再度ご連絡させていただいた時も、いきなり求人票の提示に入ることなく、生い立ちからの振り返りや価値観の言語化をしていきました。そこにきちんと時間を割いたことが、自分自身の納得度を高めた要因だったと思います。

水口

初回面談の時から、Sさんの原体験や価値観を知るために、家族構成や幼少期から深掘りしていきました。その中で個人的に自分と似ている点が多く、Sさんの人物像理解はすんなり進んだ印象です。

私自身も転職の際、Sさんと同じく経歴だけ見られて広告代理店からオファーをかけられたこともありましたし、やりたいことが明確じゃない中での転職を私も経験していたことも大きかったと思います。

―Sさんは幼少期から棚卸ししてみていかがでしたか?

Sさん

自分1人で考えてる時は気付けなかったんですが、過去の体験が自分の価値観を形成をしていて、意思決定にも大きく影響しているなと感じました。

例えば、「出る杭が打たれる」ではなく、「出る杭もちゃんと認め、周りも応援してくれるような環境」で働きたいという思いが強くあるんですが、原体験を振り返ってみると田舎の学生時代の部活動で上下関係がめちゃめちゃ厳しく、それがとても嫌で上京してきたことと繋がっているというのはアハ体験でした。

原体験は転職の面接でも聞かれたので、ちゃんと整理して自分で納得できたのがすごい良かったですね。

―棚卸しを経て、どんな会社が自分に合うと思われたんでしょうか?

Sさん

企業を見る軸としては、
①1社目の経験も活かせて元から興味も厚いBtoBtoCサービスを提供している企業であること
②自身の価値観の根底である、自由でスピード感を持ってチャレンジできる環境であること
を重視していました。

水口

やりたいことが明確でないとはいっても、これまでの経験を活かしながらさらにキャリアアップしていくための企業選定は重要視しました。

前職はtoCサービスのプラットフォームでのご経験だったので、もう一歩顧客データに踏み込んだマーケティングのスキルセットがちゃんとつけれるような企業という点も企業選びの軸としてありましたね。

企業文化まで把握しているIzul流支援だからこそのマッチング

―Sさんはスタートアップ企業にご転職されましたが、この企業は以前から知っていましたか?なにが選定の決め手だったんでしょうか?

Sさん

いや、全然知らなかったです。選定の決め手という点で言うと、求めていた選定軸に全てがハマっていたからですね。

サービスも面白いと感じていましたし、圧倒的に人側面がマッチしていました。
チャレンジできるカルチャーという部分ももちろんですが、面接で4人の社員の方と対話させていただく中で全く違和感を感じず、この職場で働きたいと思えたことが最終的な決め手になりました。

水口

価値観の言語化を通してSさんは人との共創をとても大事にされる方だなと感じていました。なので、人のコミュニケーションをきちんと大事にする企業を紹介したいと思っていて、他の要素も全て揃ってるのがご紹介した企業様でした。

―企業のカルチャーや人に関する側面ってなかなか社外から見えずらい部分だと思うんですが、どうやって知ったんですか?

水口

スタートアップ企業はどうしてもトップのカルチャーが色濃く反映されるので、経営層にもコンタクトを取りに行きました。トップの方のバックグラウンドや、どういう価値観を持ってるかみたいなお話をして解像度を上げていきました。

ご紹介する企業の解像度を高めることは常に意識していて、過去私がご支援させて頂いた方から実際の企業文化などをヒアリングすることも実施していますね。

―Sさんの価値観を水口が理解した上で、Sさんの価値観と企業選定軸にあった企業をマッチさせたところがマッチ度の高い転職につながっているんですね。Sさん、Izulの転職支援はいかがでしたか?

Sさん

感謝しかないという感じです。

一見転職に関係ないような話や自分の原体験なども徹底的に理解してくださって、私がうまく言語化できてない部分のフォローに対してもすごく納得度が高く、水口さんに強い信頼を寄せていました。

あとは先ほども仰っていただいた部分なんですけど、転職の軸が事業内容ベースで明確な場合は自分で検索して何とかたどり着けると思うんですけど、人の部分は求職者からは不透明な要素なので、企業文化を理解した上で紹介してくださるのはすごいありがたかったです。

私は性格的に何社も何社も受けるみたいなのが多分できないタイプだったので、3社狙い打ちで選考を受けたんですが、全社内定いただけました。本当に負担なく、楽しく転職活動できて感謝でいっぱいです。

―水口から見たSさんとの支援で、自分の中で意識してたことや感想を聞かせてください

水口

Sさんは前職でも成果も出されている若手優秀層の方なので、転職は問題なくできると思っていました。

ですが、しっかり準備をして臨まないとSさんの実力以下のそれなりの企業に入ってしまう懸念がありました。なので現職よりもちゃんとステップアップできるキャリアが積めるところに支援したい、という思いが大前提にある上で支援を進めていきました。

意識していたポイントは、「最終面接で落とさせない」という点ですね。一次面接は問題なく通る見立てを持ってはいたんですが、将来のビジョンを語るなど最終で問われるような「今後目指していきたい方向性・実現したいこと」の要素は当初ふわっとしていたので、最終面接向けの対策を固めていきました。

―最終面接に向けた支援というのは、具体的にはどんな対策になるのでしょうか?

水口

通常の面接対策は、ベースのよくある質問への回答を1回スクリプトに落として磨き込む作業をしています。

Sさんの場合はその点はあんまり必要ないなと感じていて、そこよりは「入社後、具体的にこの企業でどういうことをしていきたいか」といった企業の志望理由や本気度を伝えるための準備を中心にやっていきました。

あとは選考のタイミングでも細かくフィードバックすることは心掛けていて、良かったポイントや懸念ポイントなどは毎度の選考で振り返りまで実施をして、準備を固めていきましたね。

―難易度の高い企業群にエントリーし、その全ての企業で内定を獲得されていてとても優秀な方だなと思うんですが、面接は緊張しましたか?

Sさん

伝えたい内容が本音ベースでしっかり準備できていたので、緊張しなかったです。毎選考後、水口さんからチャットで細かく連絡してくださって振り返りなども行っていただいてました。

また、この企業さんはこういう質問をされやすいという傾向や、企業ごとの面接の雰囲気も教えていただいてました。A社さんは少し硬い雰囲気、B社さんはカジュアルといったように結構差はあったんですが、事前に教えて頂いていたので不安も緊張も特になく面接に臨めました。

水口

ありがとうございます!

そう言っていただけで嬉しいですし、企業文化と求職者の価値観をきちんと理解してマッチングを図る、企業についての情報の深度を高めるために積極的に企業とコミュニケーションを取る、といった動きを重視していて良かったなと思っています。

Sさんとはずっと『やりたいことができた時にできるような状態になることを目指そう』とお話ししてました。キャリア感は積み重ねで成熟していくものですし、次の会社でたくさんの経験を積むと、もっとやりたいことが明確になってくると思っています。

Sさんの新天地でのご活躍を心から応援しています!今後とも悩み事など出てきたらいつでも連絡くださいね。

この支援を担当した人

コンサルタント・水口 香央里

水口 香央里

WEBマーケ ベンチャー⇒LINE株式会社⇒株式会社ユーザベース⇒株式会社Izul
新卒でWEBマーケ ベンチャー企業へ入社。入社後4ヶ月の最短記録でサブマネージャーへ昇格、新人賞を受賞。 退社後はWEB制作・運用業にてフリーで活動。 その後、LINE株式会社へ転職。LINE@サービスの九州拠点立ち上げの第一メンバーとして福岡に拠点を移し、アカウントエグゼクティブとしてLINE法人サービス全般に従事。 2021年にizulの支援を受けてUZABASE、スタートアップ情報プラットフォームINITIAL事業に参画。投資家・大手事業会社向けに導入提案を担当。 ベンチャー・スタートアップの採用支援をより強化すべく、株式会社Izulへ。

著者プロフィール

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株式会社Izulの広報チームが運用。20代〜30代の若手ハイクラス層から、圧倒的支持を獲得中。働き方や転職のコツなど、キャリアに役立つ情報を発信していきます。

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